完全栄養食サブスクリプション「BASE FOOD」のCX(顧客体験)向上戦略とは

完全栄養食サブスクリプション「BASE FOOD」のCX(顧客体験)向上戦略とは

以前、インタビューを実施したOYO LIFE様から今回ご紹介を承ったのはベースフード株式会社。

*以前のOYO LIFE様のインタビューはこちら

主食で必要な栄養素を摂取することができると話題のサブスクリプションサービス「BASE FOOD」。2020年4月には累計販売200万食を突破し、ますます注目を集めています。

食と健康という大きな意味を持つテーマのサービスにおいて、どんな着眼点をもって顧客体験を向上させているのかお伺いしました。

インタビューイーのご紹介

顧客の生の反応を意思決定に反映する。完全栄養食サブスク「BASE FOOD」のCX向上戦略とは_インタビューイー

ベースフード株式会社 マーケティング担当 太田 里沙さん

大学卒業後、ユニリーバへ入社。日本国内でのマーケティングを担当後、グローバルチームへ移籍しブランドマーケティングに従事。

その後、外資系飲食企業を経て、2018年1月より現職。

ファンベースのマーケティングを意識し、お客さまの声をもとにした各種企画策定やブランドの顧客体験向上を担当している。

全ての栄養素が含まれる主食を毎月お届け

まず、貴社のサービスの概要を教えてください。

BASE FOOD」はビタミンやミネラル、タンパク質など約30種類の栄養素を詰め込んだ完全栄養(※)の主食をユーザー様にお届けするサービスです。

(※)栄養素等表示基準値に基づき、脂質・飽和脂肪酸・n-6系脂肪酸・炭水化物・ナトリウム・熱量を除いて、全ての栄養素で1日分の基準値を1/3以上含む。

現在のラインアップは「BASE BREAD」と「BASE PASTA」があり、自社のECサイトより申し込みいただいた数量を定期的にお届けするサブスクリプションモデルにて展開しています。

当社は「主食をイノベーションし、健康を当たり前に」というミッションを掲げており、健康的な食事を美味しく・楽しく続けていけるような体験を提供したいと考えてビジネスに取り組んできました。

健康的な食生活を継続していくには、まず栄養素の知識が必要な上に、それらを理解したところで日々の三食の中に反映させるのは非常に難しいことですよね。

一方で、サプリメントをたくさん摂取する、などの食生活に振り切ってしまえばなんとなく味気なく、食の楽しみも失われてしまうと思います。

そういった、本来は難しい「栄養バランスのとれた食事」を簡単に、美味しく、続けやすい形で提供しているという点が、当サービスの特徴であり最大の魅力であると考えています。

顧客の生の反応を意思決定に反映する。完全栄養食サブスク「BASE FOOD」のCX向上戦略とは_サービス

参考:https://shop.basefood.co.jp

ユーザーさんはどのような方が多いですか?

年齢は30代前後の方が多いですね。

男性と比べて女性の方が健康を気にされるイメージがあると思いますが、意外にも当サービスの男女比率は、やや女性の方が多いくらいです。

オフィスや企業が集中している都心部の方に多く利用いただいている傾向があるので、普段仕事に打ち込んでいながらも、食習慣の乱れや健康面を意識しているビジネスパーソンのニーズに強く刺さっているのでは、と分析しています。

ユーザー様の声で一番多く聞くのは、「BASE FOOD」を普段の食生活に取り入れることで、必要な栄養が取れている安心感を持つことができているというご意見ですね。

また、栄養素について調べたり栄養バランスをとるための料理を作ったりといった負担が減ることで、時短に繋がるという効果も実感いただいているようです。

さらに最近では子育てをされているお母さんから、好き嫌いが多いお子さんの栄養バランスの支えになっているというお声を頂戴することも増えてきました。

「美味しさ」と「栄養バランス」のトレードオフを無くす

なぜ現在の取り組みを始められましたか?

当社の創業者である橋本は、前職はIT系の企業に務めるサラリーマンでした。

毎日遅くまで仕事に打ち込み日々の食事がどうしても簡単に済ませられるものが中心になっていたことに加え、会食や懇親会などに参加する機会も増えていくなかで、徐々に健康診断の結果が悪化していくことに不安を感じていたようです。

とはいえ、自炊をする余裕もなく、またどの食材をどれだけ摂取するべきなのかもわからない状態で、「どうにかして主食だけで必要な栄養素が摂れないか」と考えたのがきっかけです。

顧客の生の反応を意思決定に反映する。完全栄養食サブスク「BASE FOOD」のCX向上戦略とは_ストーリー

参考:https://basefood.co.jp/story/

市場には似たような商品がなかったこともあり、一から試行錯誤しながら開発を進めてまいりました。

繰り返しになりますが、健康的な食事にしようとすると、味気なく美味しくないものになりがちです。

そんな「美味しさと栄養バランスのトレードオフを解消したい」という発想は開発段階から現在にいたるまで大切にしており、味に関しては強いこだわりを持っています。

ユーザー様の生の声を聞く仕組み作りに注力

それでは当メディアの特徴であるCXに関してお伺いします。現在どのようなCXを上げる取り組みをされていますか?

「簡単で美味しく、体にいいものをお届けする」というサービスのコンセプトを実現するために、ユーザー様とできるだけ近いところでつながり、生の声を聞けるような仕組み作りに取り組んでいます。

具体的な施策としては、定期購入会員様限定で参加できる「BASE FOOD Labo」というSNSのようなコミュニティを運営しており、同じユーザー様同士でレシピの共有をしたり、管理栄養士さんからのアドバイスが受けられたりといった食と健康にまつわるリアルタイムな情報交換ができる場を提供しています。

ユーザー様同士が情報をシェアしあうことで「BASE FOOD」をより美味しく消費し、顧客体験が向上するメリットがあることに加え、当社としてもそこから得られる生の反応やニーズ・ウォンツを商品開発などの意思決定を行う上での判断材料とすることができるので、非常に重要な意味を持っている取り組みの一つです。

顧客の生の反応を意思決定に反映する。完全栄養食サブスク「BASE FOOD」のCX向上戦略とは_ユーザーの声

参考:https://basefood.co.jp

あとは、ユーザー様の身近な存在でありたいという思いから、プロダクトサイトのUIや新商品開発状況などを「BASE FOOD MAGAZINE」というウェブメディアで情報提供しています。

ユーザー様からのお声に関しては、商品自体のレビューからコミュニケーションの質に関するご意見まで、全て社員全体でスラックやメールを用いて共有する仕組みを作り、漏れなくチェックするように努めています。

「健康が当たり前」の世の中に。栄養のインフラを目指す

今後どのような取り組みをしていきたいですか?

まずは商品ラインアップの拡充が当面の目標です。

これまでは「麺とパン」という食生活に置けるコアの役割を担う商品を徹底的にブラッシュアップしてきましたが、これからはもっと細かいニーズに対応していきたいと考えています。

例えば、仕事や勉強の合間にちょっと休憩感覚で食べられるものや、小腹が空いた時に時間をかけずにすぐに食べられるものといった着眼点でいくつか開発案が上がっているので、商品化していきたいですね。

2020年5月には、こういった間食のシーンでも使える「チョコパン」を新発売し、ご好評をいただいています。

またユーザー様から、レストランなどでも提供して欲しいというお声をいただく機会も増えてきました。

現在はECサイトから購入いただき、それぞれユーザー様が消費するというのが主流ですが、普段の買い物や外食などでも体験できる機会も増やしていきたいとも考えています。

それでは最後に、太田様が事業を通じて実現したい想いをお聞かせください。

当社のミッションである「主食をイノベーションし、健康を当たり前に」するために、より簡単で、美味しく、体にいいという三つの要素をさらに磨き上げていきたいですね。

商品のラインアップを増やすということも、スーパーやレストランなど体験できる場を増やすことも、全てこの当社のミッションに集約されることだと思います。

普段の食事に栄養バランスの良さが付加されることで、より楽しく、意味のあるものになってくるのでは、と考えています。

当社がインフラの役割を果たすことで、みなさまの健康の一助となれれば幸いです。

編集後記

ユーザーが「BASE FOOD」をより美味しく、楽しく消費するために提供しているコミュニティが、CXだけでなくビジネスの意思決定にも重要な役割を持っている点が非常に面白く印象的でした。

太田様、お忙しい中インタビューにご協力いただきありがとうございました。

 

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