データとは何か? 身近にあるデータと活用事例を知る

技術の進歩によってさまざまなデータが取れるようになり、データを活用することの重要性が高まってきました。
一方、自社でどんなデータを持っているのか、どのように活用できるのかを把握できていない企業もまだまだ多いのではないでしょうか。
「データ」とは何か、具体例と合わせて解説します。
さらに、すぐに活用できる身近なデータと活用事例も紹介します。
データの意味や概念、定義とは?

「データ」とは、数字や事実、その集まりのことです。
情報処理や考察によって付加価値を与えられる前提で集められたものを指すこともあります。
似たような言葉として「情報」という言葉があります。
情報とデータの違いは、「活用のための解釈や整理が行われたかどうか」です。
データは「事実」や「数字」であり、データを活用可能にしたものが「情報」になります。
サービスや商品を契約した顧客の年齢、性別、契約金額、購入頻度など、当たり前のように取得されているものもデータです。
他にも、さまざまなデータが身近なところで情報に変換され、活用されています。
【データ例1】電子データ
電子データは、パソコンやスマホなど、コンピューターで処理できる形にされたデータです。
アナログなデータである紙の書類も、スキャンしてPDF化すれば、コンピュータ上で処理が可能な電子データになります。
近年、テレワークが進んだこともあり、企業ではこれまで以上に多くの電子データを扱うようになりました。
また、テレワークを推進するために、アナログなデータを電子データに置き換えて処理できるような業務フローの構築も急務となっています。
【データ例2】オープンデータ
オープンデータとは、誰でも自由にアクセス、利用でき、再利用・再配布もできるデータです。
総務省の定義では、以下の3つの項目を満たしたものをオープンデータとしています(引用:総務省ー地方公共団体のオープンデータの推進)
- 営利目的、非営利目的を問わず二次利用可能なルールが適用されたもの
- 機械判読に適したもの
- 無償で利用できるもの
国や地方公共団体が持っているデータをオープンにして、民間企業とともに課題解決に取り組んでいます。
たとえば、Googleと沖縄県が取り組む公共交通機関のルート検索サービスや、NTT西日本とNEC、高松市が共同で取り組む交通事故予測アプリなど。
オープンデータを活用している事例は多数あり、今後も多くの課題解決のために利用が進むと考えられています。
データが注目されている理由

データが注目されるのは、企業の活動と密接に関係しており、事業の成長にも大きく影響を与えるからです。
データが事業に大きく影響する理由を3つ紹介します。
仮説の精度をあげて事業の成長を加速させることができる
現代は顧客ニーズが多様化し、顧客ニーズを把握することが難しくなりました。
そのため、以前はうまくいっていた経営者や責任者の感覚頼りの施策だけではうまくいかないことも増えています。
データを活用すれば、客観的に顧客の理解ができ、マーケティングやプロモーションなど、企業活動を客観的事実から精度高く行えるようになります。
データ活用はこちらも参考に
規制によって制限されるCookie
Cookieは、Web上での顧客の行動履歴を把握する技術のようなものです。
これまではCookieによって、見込み顧客のさまざまなデータが取れていました。
しかし、近年は個人情報保護の観点からEUやアメリカで規制が強まっており、日本でもCookieが制限される流れになっています。
Cookieの規制により大きく影響を受けるのがリターゲティング広告です。
自社のECサイトやLPに訪問した見込み顧客に絞って広告で追跡することができなくなります。
そのため、これまで通りの施策では、広告精度の低下や広告費の高騰などの問題が出てくる可能性があります。
DX化の推進
近年、事業のDX化、つまりAIやIoTを活用した変革が求められています。
DXは、ただIT化すればいい、デジタルツールを導入すればいいというものではありません。
事業によってはビジネスモデルの変革など、根幹から見直す必要性のあるものです。
DX化の前提として、業務をIT化して電子データを取得、蓄積していく必要があります。
アナログデータを電子データへ、また、電子データのやりとりのみで進む設計へと、業務設計から見直して再構築することが求められています。
事業と密接な関係のあるデータと活用事例
顧客データ
顧客データとは、利用者が企業に直接、提供した個人または企業のデータです。
toCであれば、年齢や性別、購買履歴、興味関心など。
toBであれば、事業規模や業種なども顧客データのひとつです。
SssSの場合、顧客の利用状況なども重要な顧客データになります。
たとえば、サブスクリプションモデルの事業をしている場合、顧客の利用状況などから解約リスクの高まった顧客を特定し、アクションをすることが可能です。

こちらは、弊社で提供している顧客ロイヤリティー改善ツール『KiZUKAI』を利用して顧客データ分析をした事例です。
デジタルコンテンツのサブスクリプション事業を行う企業で、解約率を低下させるために顧客データを分析しました。
複数の要因を分析して解約リスクを算出したところ、解約ユーザーと未解約ユーザーで平均購読回数に大きな開きがあることがわかりました。
そこで、平均購読回数にKPIを設定、アクションを実施したところ、解約率を2%低下させることができました。
顧客の行動データを分析することで、解約リスクの高い顧客を簡単に見つけることができます。
ビッグデータ
ビッグデータとは、顧客データも含む、ありとあらゆる膨大な量のデータです。
ビッグデータというと一部の大企業だけのものと思われがちですが、いろいろなデータを組み合わせることで、目の前のデータがビッグデータになります。
膨大なデータのため、活用するには専門知識を持ったデータサイエンティストやBIツールなどが必要です。
たとえば、顧客に関するビッグデータを分析して顧客をセグメント分けし、最適なプロモーション施策を打ち分けることなどができます。
ECサイトなどでよくあるレコメンド機能なども活用方法のひとつです。

こちらも、『KiZUKAI』を利用してビッグデータ分析をした別の事例です。
サブスクリプションサービスを提供する会社で、広告によって継続期間が異なることを感じつつも、詳細が把握できずに悩んでいました。
広告ごとの解約率を算出したところ、施策ごとの解約率が導き出せ、効果の高い広告施策が把握できるように。
結果として、広告施策が最適化され、LTVが8%向上。
継続率の高い顧客を効率的に獲得できるようになりました。
ゼロパーティデータ
ゼロパーティデータとは、Cookieなどを介さずに顧客から直接、取得するデータです。
たとえば、アンケートやSNSの初期設定時に設定されている興味関心の入力など。
顧客や見込み顧客が能動的に提供してくれているものであり、信頼性が高いのが特徴です。
ラコステジャパンでの活用事例を紹介します。
同社では、コロナ禍によりECサイト利用が増えたものの、店舗接客のように顧客理解をしながら提案することができず、単発利用が増えていました。
そこで、デジタルで大規模にゼロパーティデータを取得する施策として投票キャンペーンを実施。
ポロシャツの着用シーンや好きな色、他の購入検討アイテムなどのセロバーティデータを取得し、ユーザーごとに適した商品の案内や店舗接客時に使えるデータの蓄積を行いました。
ポロシャツ以外の購入検討アイテムなども質問事項にいれることで、EC上でも購入データだけに頼らない商品の案内ができるようになりました。
データを情報に変えて事業の成長に活かす

今回紹介したように、企業は多くのデータを持っています。
しかし、データは仮説をもって整理、分析しなければ活用できる情報にはなりません。
データをデジタル化すれば、BIツールなどで活用の土台を簡単に作ることができます。
事業の成長に寄与するデータ活用をするなら、課題の明確化と必要なデータの収集から始めてみることをおすすめします。
弊社でも顧客ロイヤリティを高め、LTVと解約率の改善を行うツールを提供しています。
まずはお気軽にお問い合わせください。
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