CRMをAPI連携するメリットとは?職種ごとのツールと合わせて紹介!

CRMをAPI連携するメリットとは?職種ごとのツールと合わせて紹介!

「API連携」という用語を聞いたことはあるでしょうか。初めて聞く方にとっては、「ソフトウェア同士が利用するインターフェースのこと」とだけ説明されても、なかなかその意味は掴みかねるでしょう。

本記事ではプログラミングに詳しくない方を対象に、一般的なAPIの概要を説明をし、特にCRMをAPI連携することで得られるメリットを各部署ごとのCRMツールのカテゴリと合わせて紹介します。

APIとは

CRMをAPI連携するメリットとは?職種ごとのツールと合わせて紹介!_APIとは

APIの略称

APIとは「Application Programming Interface」の略です。「アプリケーション」と「プログラミング」という単語はいまや一般的な用語ですが、「インターフェース」とは何を指すのでしょうか?

インターフェースの意味

「インターフェース」とは直訳すると「接点、境界面」。2つの異なるものを繋ぐ存在という意味を持ちます。

たとえば、あなたがパソコンで音楽を聴くとします。パソコンにある音声データを再生するとき音楽はどこから流れているでしょうか?

答えはスピーカーやイヤホンなどの音響機器であるはずです。この「音楽データ」と「あなた」を繋いだのが「音響機器」というインターフェースなのです。

次の項ではweb上で使われているインターフェースについて説明します。

APIが使われている場面

ではAPIはどんな場面で使われているのでしょうか。

たとえば、気になるお店のアクセス方法を調べたときに、HPに「Googleマップ」が組み込まれているのを見かけたことがあるでしょう。

これは「Google maps api」というAPIが、お店のHPの機能と、外部のWebサービスである「Googleマップ」をつなぐことによって実現しています。

このように便利な存在であるAPIですが、一般的にサービスをAPI連携すると、どのようなメリットがあるのでしょうか。次の項で整理していきます。

API連携のメリット

CRMをAPI連携するメリットとは?職種ごとのツールと合わせて紹介!_メリット

メリット①開発の工数およびコスト削減

ひとつ目のメリットは、開発の工数およびコストを削減できることです。

自社開発だけでは負担が大きいサービスを、APIを提供している他社のサービスを引用することで開発の工数を削減し、コストカットにつなげることができます。

たとえば、飲食店のWebサイトを作成する際に、「店舗の位置を地図で表示し、スクロールしたら付近の地図も確認できる」サービスを一から開発することを考えてみてください。Google maps apiを用いれば、簡単にWebサイト上で利用者が操作可能な地図を表示することができます。

メリット②顧客満足度の向上

ふたつ目のメリットは、顧客満足度の向上が期待できることです。さまざまな機能が備わったコンテンツやアプリを、APIを活用して低コストで開発すれば、サービスを低価格で提供することができ、顧客満足度の向上に繋がります。

パスワードを再発行したいときに、「以下の画像の中から自動車の画像を選んでください」というような画面が出てきた経験があるでしょう。この機能が成り立っているのは、Webページに画像認識をするAPIが組み込まれているからです。より安全で信頼できるサービスでは、自然とUXが高まります。

メリット③異なるサービス間の連携が簡単になる

自社ですでに導入しているサービスに、API提供している他社のサービスを連携することで、両者を効率的に運用することができます。

あなたがチャットツールを新たに使うことになったとしましょう。「今までメールでやり取りしていたから、チャットツールがうまく使えるだろうか」「メールと違って必要なメッセージの通知が来るか分からない」といった不安が生まれるかと思います。

ここであなたがメールアプリとチャットツールをAPI連携すると、以下のような機能が実装できます。

  • 自分宛てにメールがきたらチャットツールにメッセージとして流す
  • チャットで送った内容をそのままメールでも送信する
  • 特定の相手、キーワードのメールだけ通知が来るようにカスタマイズ

これらの機能は、メールの良さは失わずにチャットツールの利点を享受できるサービスです。

異なるソフトウェアを連携させて多様なサービスの提供を可能にすることが、API連携の最大のメリットであるといえます。

ここまでで、API連携の用語の意味や一般的なメリットについて説明してきました。ここからは実際にAPI連携する際の手順や、各部署ごとのメリットを説明します。

一般的なAPIの連携手順

CRMをAPI連携するメリットとは?職種ごとのツールと合わせて紹介!_連携手順

一般的なAPIの連携手順を紹介します。詳細はAPI提供企業によって異なりますので、各サービスページをご確認ください。

①API提供会社に顧客情報を登録

まずAPI提供会社に顧客情報を登録します。ここで必要となる情報には、

  • ソフトウェアの名称
  • 概要
  • ソフトウェアトップページURL
  • 戻り先URL(コールバック)
  • 請求先情報

などがあります。

②APIキー、シークレットを取得

外部の人間が使用できないように「APIキー」と「シークレット」を取得します。

わかりやすく言い換えるなら、「ログイン名」と「パスワード」のようなものと考えて差し支えないでしょう。

③ソフトウェアと連携

API提供側のソフトウェアに「APIキー」と「シークレット」を登録し、自社のサービスに実装します。

これで、晴れてAPIを自社サービスで利用することが出来ます。実際に提供されているCRMツールの多くでは、これらの手順が既にパッケージされており、機能として利用できます。

では次に各部署ごとで見たCRMツール連携とそのメリットをご紹介します。

各部署ごとで見たCRMツール連携とそのメリット

CRMをAPI連携するメリットとは?職種ごとのツールと合わせて紹介!_CRMツール連携

ここからは各部署ごとのAPI連携で得られるメリットと、おもに用いられるCRMツールをカテゴリ別に紹介します。

営業部におけるAPI連携のメリットと用いられるツール

営業部がAPI連携で得られるメリット

①MAツールなどとの連携でマーケティング領域からの見込み客の獲得を自動化できる

MAツールなどのマーケティングツールと連携することで、顧客の行動・属性に合わせた施策を自動化し、営業活動を効率化することができます。

②見込み精度が上がる

セールスの現場において重要な売上予測ですが、この予測は正確に算出する必要があります。では、より正確な売上予測の算出に必要なものは何でしょうか?

答えは、リード状態からの成約率や月当たりの商談件数といった「最新の営業データ」になります。鮮度の高いデータを扱うにあたって、API連携によるプラットフォームの一元化や、部署を横断した顧客管理ツールの活用は大きな力を発揮するでしょう。

営業で用いられるツールのカテゴリ

– 営業サポートツール

UPWARD

UPWARDは営業業務のDX促進ツールです。マップと連携することで営業ルートを最適化したり、外回り中の活動記録を自動生成することができます。さらに、UI/UXへのこだわりが強く、誰にでも使いやすいことも大きな特徴のひとつです。

Sansan

Sansanは、名刺をはじめとしたさまざまな顧客情報を管理するツールです。Sansanと各種外部システムがAPI連携することで、Sansanで取り込んだ正確な顧客情報をより幅広く活用することができます。これにより、さらなる営業の効率化や生産性の向上など、業務効率の改善を可能にします。

– SFA / CRM

Salesforce

Salesforceはクラウド型のビジネスアプリケーションで、世界で15万社を超える企業が導入している営業支援ツールです。また、連携できるツールの種類が非常に豊富で、部署を超えて社内全体での営業力強化を図れる強力なツールです。

Senses

Sensesは、顧客情報から社内で出たアイデアまで、営業に関するあらゆる情報を一元管理し、組織全体で活用できるプラットフォームツールです。他のクラウドツールとAPI連携することで、より包括的なツールにすることができます。「どこにどの情報があったかわからない」「そもそも社内で情報が共有できていない」といった課題が、API連携を通じて解決されます。

マーケティング部署におけるAPI連携のメリットと用いられるツール

API連携で得られるメリット

①マーケティング領域とセールス領域のデータつなぎ込み

MAツールとDMPを繋ぐことで過去の顧客の行動をもとにした施策を実行したり、顧客のデータを部署間で共有することで、認識の共有もよりスムーズになります。

②営業精度向上と受注額の向上

MAツールとSFA/CRMをAPI連携することで、営業領域で行なった商談のデータをMAツールの運用シナリオに活用したり、MAツールで得られたホットリードの情報をもとに営業部署でコンタクトをとったりすることが可能になります。

マーケティング部署で使われるツールのカテゴリ

– MAツール

Hubspot Marketing hub

Hubspot Marketing hubは、ブログやメルマガ、オウンドメディアを中心としたマーケティングを通じてリード顧客を獲得・育成できるMAツールです。500種類を超えるアプリと連携することができ、マーケティングチームで利用しているさまざまな外部ツールを単一のプラットフォーム上に集約できます。

List Finder

List Finderは、見込み客を見つけ出し、営業の効率化を図るMAツールです。マーケティング知識が少ない方でも使うことのできるシンプルで直感的なサービスです。

 – データ分析ツール 

Optimizely X

Optimizely XはABテストのツールです。アクセス解析ツール、CX分析ツール、BIツール、DWHなどといった多くのMAツールと連携することで、より精度の高いABテストを行えるようになります。

DOMO

DOMOはあらゆる広告データを統合して可視化、さらには、それらのインサイトを自動で取得することができる大規模プラットフォームサービスです。さらにAPIを連携するために必要な操作が、「ユーザー名とパスワードを入力し、接続したいデータを決定するだけ」と非常に使いやすいサービスになっています。

カスタマーサクセス部署におけるAPI連携のメリットと用いられるツール

API連携で得られるメリット

① 自社のサービスやデータ分析プラットフォームなどとの連携で分析工数が少なくなる

すでに社内に蓄積されているデータを、再度分析する工数が削減されます。たとえば、従来CSV形式で書き出されたデータを逐一、別ツールで取り込んでいたものも、API連携機能を使うことで、自動でデータを取り込むことが可能になります。

これにより、ユーザーの行動をリアルタイムで分析することが出来ます。顧客の解約につながる行動をシステマティックに検知する仕組みを構築することが可能になるのです。

②SFAなどと連携してCSのコミュニケーションや収益相関などがより明確に出せる

CSとしてアクションをする際に、注目されることが多いのは、契約した後の行動特性です。しかし、営業支援ツールと連携することで、契約する前のカスタマーの動きを定量的に分析することができ、より効果的な施策を打つことが可能となります。

このように、顧客の動きをより立体的に捉えることができることが、CSとしてAPI連携する最大のメリットであると言えます。

カスタマーサクセスで使われるツールのカテゴリ

– 問い合わせ管理・チャットサポートツール

Zendesk

Zendeskはチャットサポートツールの一種です。メッセージング、チャット、SNS、メール、電話など、顧客がどのチャネルを使ってコンタクトをしてきても、シームレスにやり取りを行うことができます。そして、CRMと連携することでこれら全てのやり取りの情報を一元化することができます。

メールディーラー

メールディーラーはメールの管理サービスです。このサービスのAPI連携で特徴的な点が、在庫管理システムとの連携です。メールディーラーは複数ネットショップ一括管理システムと連携することで、各店舗の受注状況を一括管理し、複数店舗の注文を一元管理することが可能になります。

こうしたリアルタイムでの情報更新によって、無駄のない運営が実現します。

– カスタマーサクセスツール

KARTE

KARTEは、顧客情報の管理からチャットサポートやサイトの構築まで、カスタマーサクセスに関わる機能をオールインワンにしたカスタマーサクセスツールです。ユーザーのサポートにより得られたインサイトは、シームレスに他部署と共有でき、サービス改善や顧客体験価値の向上に役立てることができます。

KiZUKAI

KiZUKAIはカスタマーサクセスツールのひとつです。SFAやCRMなどのツールと連携し、顧客の状態を即時分析可視化、ロイヤリティーの改善や解約リスクのある顧客への早期のアクションにつなげられます。カスタマーサクセス領域の方はぜひご活用いただければ幸いです。

API連携は業務工数を減らし成果を上げる手段である

CRMをAPI連携するメリットとは?職種ごとのツールと合わせて紹介!_まとめ

最後に本記事で紹介したメリットを総括しましょう。

  • APIを繋ぐと複数部署のデータを共有することができる(CRMツール全体)
  • 工数を抑え成果を上げる為に効率的な手段である(CRMツール全体)
  • 単独では可視化が無理な相関が明らかになる(CSツール、分析ツール)
  • 作業の自動化が可能になる(MAツール、SFA/CRM)

ここまで読んでいただいてわかるように、API連携をするデメリットはほとんどありません。ぜひ、API連携を積極的に活用してみましょう!

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