サブスクリプションフレグランスサービス「CODE Meee ONE」が作り出す顧客体験(CX)

サブスクリプションフレグランスサービス「CODE Meee ONE」が作り出す顧客体験(CX)

株式会社コードミーは、サブスクリプションモデルをメインとしたフレグランスサービス「CODE Meee ONE」を提供している企業です。

「それは あなたを支えるあなただけのアロマ」をコンセプトに、脳波や感性科学も用いてテクノロジーの側面からも最適なアロマミストが、毎月1度自宅に届くサービスです。

今回は、代表取締役兼フレグランスイノベーターの太田賢司さんに、「CODE Meee ONE」をリリースするに至ったアイディアやCX(顧客体験)向上に向けての取り組みを伺いました。

インタビュイーのご説明

株式会社コードミー
代表取締CEO/フレグランスイノベーター
太田 賢司さん

北海道大学大学院理学研究科を卒業後、世界トップレベルの香料会社にて、フレグランス開発に10年従事。

フレグランスのマーケティング・官能評価に携わる専門研究職であるエバリュエーターとして、豊富な香りの開発経験を有しています。

2017年に株式会社コードミーを創業し、香り&テクノロジーの力で「新しい香り社会を描く」ことをミッションに掲げてサービス展開を行っています。

現在は、自ら香りのクリエーションに携わりながら、社会にアロマのエッセンスを加えることによる「新しいライフスタイルの創造と地方創生」も目指しています。

アロマ×テクノロジーでオリジナルのアロマミストが届く「CODE Meee ONE」。

まず、貴社のサービスの概要や特徴について教えてください。

アロマ×テクノロジー。パーソナライズされた「自分だけの香り」を楽しむ体験。_「CODE Meee ONE」

株式会社コードミーが提供している「CODE Meee ONE」は、1人1人の年齢、性別、本人も認識していない性格のインサイトに対応したミストが毎月1本届く、パーソナライズフレグランスサービスです(単品での購入プランもあり)。

私が元々香料会社にいたこともあり、既存の香りとユーザー様をマッチングするだけのサービスではなく、自社オリジナルで香りの開発を行えているのが特徴です。

ストレス軽減や集中力の向上、安眠効果などの機能性も期待しながら独自に調合できるスタートアップ企業は、他にないかと思いますね。

あくまでも「アロマミスト」なので、香水とは異なります。

半径50cm程度に拡がって長く残りすぎないほのかな香り、というのがコンセプトの1つでして、セルフケアアイテムとしてイメージしていただくと分かりやすいのかと。

ワイシャツや枕につけたり、マスクやハンカチにつけたり、いつでもどこでも好きなタイミングで一瞬リフレッシュできる使い勝手のよさも重視したかったため、出先に持ち運べるよう、スタイリッシュなデザインにしました。

香りは、事前にユーザー様にお答えいただいた簡単なアンケート(Webでの香り診断)を元にご提案しています。

香りの好みに加え、最も意識するストレス課題は何なのか(睡眠不足、対人関係など)、香りを感じてどのような気持ちにシフトしたいのか(リラックスしたいのか、集中したいのか、ストレスを軽くしたいのかなど)といった簡単な5つの質問を行い、目的のヒアリングを行っていきます。

その上でレコメンドされた複数のミストの中から、ユーザー様に選んでいただき配送する、という流れですね。

香りの世界にパーソナライゼーションの発想を持ち込み、ノウハウを活かした創業へ。

なぜ現在の取り組みを始められたのでしょうか。

アロマ×テクノロジー。パーソナライズされた「自分だけの香り」を楽しむ体験。_取り組み

元々香りが好きで香料会社に入社したということもありまして、香りに対する意識は高かったように感じます。

香りに関するエピソードで今でも印象に残っているのは、昔たまたま見ていたドキュメンタリー番組です。

今は亡きお母さんのセーターを大事にしている子どもが、「寝られない時はこのセーターの香りを嗅ぐと、お母さんがいるみたいで安心する」と言っていたのを見て、本来香りとはそれくらい無限の可能性を秘めているものだって強く思ったんですよね。

そんな気持ちを抱きながら仕事をしているうち、2015年頃に一部の業界から「パーソナライゼーション」の考え方が徐々に広がってきました。

そんな中、さまざまな分野でパーソナライゼーションがスポットを浴びているのに、香りの分野では見当たりませんでした。

でも香りって、人の五感に訴えかける非常に大事なものなんですよね。

「香り」にこそパーソナライゼーションの考えを取り入れるべき、と当時強く考えまして、自分で会社を立ち上げ、「CODE Meee ONE」のリリースに至りました。

手軽なUIとワクワク感あふれる“開封体験”が、男女共に受け入れられた。

それでは、当メディアの特徴であるCXについてお伺いします。現在CXを上げるためにどのような取り組みをされていますか?

アロマ×テクノロジー。パーソナライズされた「自分だけの香り」を楽しむ体験。_CX

特にこだわっているのは、手軽さと新しさを兼ね備えたUI/UXを実現することです。

女性は「自分のためにカスタイマイズした香りであること」を大切にされるため、今までに無いユニークなストーリー性を重視しました。

Twitterアカウントを連携することでAIが投稿内容を分析し、今の精神状態に応じて更に香りがカスタマイズされるプロセスを取り入れています。

一方で男性の場合、「簡易的なカスタイマイズプロセス且つ機能的であること」を重視される人が多い傾向があります。

サービス開始時のアンケート(香り診断)もストレスにならない程度のボリュームに設定したことも、「CODE Meee ONE」が高いメンズ需要を獲得できていることにも繋がっているのかなと分析しています。

香りとテクノロジーを融合させてパーソナライズされた世界観を作っていることも要因となり、テクノロジー好きな人からもご好評いただいています。

また、届いたアロマを開封する瞬間も、CX(顧客体験)向上に寄与していますね。

箱が二重構造になっていたりマットブラックの質感を重視したプロダクトデザインは開けること自体が楽しいし、自分オリジナルのものが届いたというワクワク感も味わえる。

中身のボトルも、パーソナライズ商品であることが分かるような大きなロゴ入れと、スタイリッシュで機能的なデザインをしています。

「CODE Meee ONE」という世界観を持ち運ぶことで、自然と「香りにも自分らしさを大切に」「私だけの香り」と思ってもらえることが大きいかと思っています。

個人、空間、体験…さまざまなシーンに応じて最適な香りをトータルコーディネートしたい。

今後どのような取り組みをしていきたいですか?

自分だけの香りをありとあらゆる製品に纏わせることができるような、「最適な香りある暮らしをトータルコーディネートできるサービス」として発展させる方向性で考えています。

「CODE Meee ONE」で言えば、もっと香りの変更プロセスを簡単にできるようにしていきたいです。

元々弊社のアロマは脳波と感性科学における香りの相関性を用いて開発していますが、他のサイエンスも取り入れながら、もっともっと模索していきたい。

サブスクリプションサービスだから続けるというだけでなく、定期的なワクワク感、今の自分に最適であるという納得感を更に高めていきたいです。

加えて、香りの空間デザインも深めていきたい分野です。

ワークスペースで集中力を上げられる香りを演出したり、ホテルのロビーでリラックスできる香りを使ったり、空間そのもののデザインを香りが担うような新しい取り組みに興味があります。

既に取り組んでいることではありますが、音楽ライブで記憶に残る香りを演出するなど、本当に利用シーンはさまざまなので、これからも可能性を追求していきます。

「香りとITの力で、世の中をアップデートする。

それでは最後に、太田様が事業を通じて実現したい想いについてお聞かせください。

コードミーという社名にも込めた通り、「香りとITの力で、世の中をアップデートする」ことを意識していきたいです。

香りが一部の人にとっての「嗜好品」に限られず、「暮らしに欠かせないもの」というレベルまで魅力を感じてもらえるような、新しい香り社会を描きたい。

自分が好きな香りイコール自分に合う香り、とは限らないのが、香りの面白さなんです。

好みの要素も取り入れながら、自分オリジナルの「遺伝子コードに寄り添うような香り」も模索していくという、新たな切り口でお役に立てれば最高ですね。

パーソナライゼーション、オリジナリティー、多様化、という言葉が注目される時代であるからこそ、一人ひとりに最適な香りが寄り添う、ワクワクする香りの世界を創造していきます。

編集後記

自分オリジナルの香りというだけではなく、遺伝子情報やテクノロジーを活用しながら作られた香りを纏える「CODE Meee ONE」は、オリジナリティーある香り体験が楽しめます。

香りを使った新しいライフスタイルを意識すれば、人生の楽しみが増えたり、自然と笑顔になったりする機会も増えていくのではないでしょうか。

「好み」「センス」でのみ選んでいた香りの舞台にサイエンスが持ち込まれることで、楽しみの幅も広がりそうです。

太田様、お忙しい中インタビューにご協力いただきありがとうございました。

 

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