駐車場シェアリングサービス「akippa」が取り組むCX(顧客体験)

駐車場シェアリングサービス「akippa」が取り組むCX(顧客体験)

akippa株式会社は、駐車場予約サービス「akippa」を運営している企業です。

最適なモビリティーを提供し、世界中と「人と人」「人と体験」をつなぐことを目的とし、サービス展開を進めています。

今回は、駐車場シェアリングサービスを始めたきっかけや、「困りごと」を解決することによるCX(顧客体験)向上の手法について伺いました。

インタビュイーのご説明

駐車場シェアリングサービス「akippa」が目指す、“なくてはならぬ”の精神とは_インタビュイー

akippa株式会社
Customer Experience Management
チームリーダー 新里 良樹(シンザト ヨシキ)さん

大阪市出身。大阪デザイナー専門学校を卒業後、BPO事業の会社でコンタクトセンターの運営業務を経験。

2017年11月にakippaに入社。CXチームリーダーとしてサポート。チームの管理や業務運用設計、顧客対応ポリシーの策定などを担当している。

駐車場の「貸したい」と「借りたい」を手軽に叶えるサービスとは。

まず、貴社のサービスの概要や特徴について教えてください。

akippa」は、日常生活の困りごとから生まれた駐車場シェアリングサービスです。

駐車場シェアリングサービス「akippa」が目指す、“なくてはならぬ”の精神とは_akippa

空いている月極駐車場、個人宅の駐車スペース、空き地、商業施設等を活用して、駐車場を貸すオーナー様と、駐車場を借りるドライバー様を繋げております。

お陰様で予約駐車場サービス・駐車場シェアサービスで業界1位となり、テレビや新聞、雑誌などのマスメディアに取り上げていただく機会も増えて参りました。

akippaの特徴として、オーナー様にとってもドライバー様にとっても使い勝手のいいサービスであるという点が挙げられます。

駐車場シェアリングサービス「akippa」が目指す、“なくてはならぬ”の精神とは_ビジネスモデル

オーナー様からは、貸し出しの際の手間やコストが少ない点を特にご評価いただいています。

一般的なコインパーキングと違い、料金精算用のシステムやロック板など設備にかかる大規模工事を必要とせず、専用フォームに必要情報を入力するだけで簡単に貸し出しができるため、「今日だけ空いている」「旅行期間中だけ貸したい」という短期的なニーズにもお答えしています。

ドライバー様にとっては、駐車場の事前予約ができること、コインパーキングより安く借りられること、事前決済のため入出庫がスムーズなこと、がメリットです。

大勢の観客が来るライブやイベントなど当日に駐車場を探すのが困難なシーンや、観光地、都心部など駐車場料金が高額になってしまいがちなエリアで特にご利用いただいていますね。

空いているスペースを有効活用した、今までにない新しいシェアリングサービスとして、現在も拡大中です。

“なくてはならぬ”サービスとは何か、を考えた。

なぜ現在の取り組みを始められたのでしょうか。

サービスを考えたきっかけは、代表の金谷が経験した自宅での停電ですね。

停電したことによって普段何気なく行っている色んなことが出来なくなってしまい、改めて電気の大切さを意識したんです。

弊社のミッションとして「“なくてはならぬ”をつくる」を掲げておりますが、電気以外にも、なくてはならないものってあるのではないかと考えるようになりました。

会社の壁に模造紙を貼り、従業員全員で日常生活における困りごとについて書き出したところ、「車を停める場所がない」「時間貸しの料金が高い」「現地に着いてから満車だと知る」など、駐車場にまつわる悩みが多いことに気が付きました。

実際に調べてみると、日本で使用されている車は約8,000万台なのに対して整備されているコインパーキングは約470万台しかなく、貸し駐車場不足が原因となって東京都では毎秒63,000台、大阪府では毎秒31,000台の路上駐車が発生しているというデータが出たんです。

なのに、マンションや月極駐車場などで誰も使わず遊休地となっているスペースは3,000万台以上ありました。

この2つの「困りごと」をマッチングできないかと考案されたのが、akippaというサービスです。

1から始める大きなサービスということで当初は不安もありましたが、akippaが市場に受け入れられれば、会社として大きな自信になるという実感があったんですよね。

大きなターニングポイントとなったのは、2013年のIVS(インフィニティ・ベンチャーズ・サミット)です。

駐車場シェアリングサービス「akippa」が目指す、“なくてはならぬ”の精神とは_IVS

IT業界におけるM1グランプリのようなカンファレンスイベントなのですが、そこで優勝することができ、関西だけでなく関東における知名度も飛躍的に伸ばすことができました。

会社が勢いづいた瞬間であったように感じます。

オーナーの登録サポートやドライバーのトラブルにも対応。ストレスない駐車を意識。

それでは、当メディアの特徴であるCXについてお伺いします。現在CXを上げるためにどのような取り組みをされていますか?

特に力を入れているのは、駐車場数を増やすためのオーナー様のサポートです。

駐車場登録数は順調に伸びていますが、都心ではまだまだ不足しているという現状もあり、予約を検討するドライバー様のニーズに100%お応えできていないと感じています。

しかし、駐車場を保有しているオーナー様の中には年齢層が高い方も多く、駐車スペースの撮影、幅や高さの計測、データのアップロードなど、akippaに登録するための各種手続きの面で躊躇ってしまう人もいることに気づきました。

まずは、「登録したけど使い方がよく分からない」「情報不備のまま登録が中断してしまった」というオーナー様に対し、貸し出し開始までスムーズに行っていただけるよう、フォロー架電を実施しています。

ドライバー様に対しては、24時間365日対応の緊急ダイヤルを用意しています。

駐車場シェアリングサービス「akippa」が目指す、“なくてはならぬ”の精神とは_緊急ダイヤル

場所が分からない時の誘導や、事故が起きた際の初動など、あらゆるトラブルに対応しています。

例えば、天災や他の会員様の停め間違い等の理由により、スペースが利用できない状態であった場合には、別のakippa駐車場へ振替案内を行なっています。

行きたい場所に合わせた最適なエリアで安全に駐車ができること、導入時のストレスをなくして上手に遊休地を活用してもらうことで、CXの向上に寄与できればと思っています。

駐車場の使い方は、「車を停める」ことだけではない。

今後どのような取り組みをしていきたいですか?

車を停めるという用途に加え、他にもさまざまな利用方法を提案したいと思っています。

例えば、昨今の新型コロナウイルスによる影響で、駐車場を活用した野菜やお弁当の直売を行いました。

駐車場シェアリングサービス「akippa」が目指す、“なくてはならぬ”の精神とは_取り組み

店舗にたくさん人を招くことは避けたいが商品は販売したい、というお店側のニーズと、陳列棚周辺やレジに密集することなく短時間で買い物を終えたい、という消費者側のニーズを共に実現させる手段として、駐車場を直売所として利用するというのは非常に画期的でした。

3密を回避できる「駐車場」というスペースが新しい生活様式に受け入れられ、経済活動創出の場になっていると感じています。

また、ガイドページもより充実させたいですね。

チャットボットを導入して自己解決しやすくしたり、問い合わせフォームへの動線を見直したり、構成を見直したり…。

サービスを使う前でも、使っている最中でも、オーナー様にとってもドライバー様にとっても、システムサポートを徹底してより使いやすいものにしていきます。

世界最大のモビリティープラットフォーマーを目指す。

それでは最後に、新里様が事業を通じて実現したい想いについてお聞かせください。

最適なモビリティーを提供することにより、「人と人が会う」という素晴らしい体験を残す手伝いをしたいです。

そのためにも、「困りごと解決企業」としての意識を強く持ち、ドライバー様目線でのサービス拡大を図っていきます。

akippaを使って駐車場予約をする人は、好きなバンドのライブに行く、旅行や出張に行く、習い事の送迎をする、親戚に会いに行くなど、人や体験に会いにいくために移動している人が大半です。

ゆくゆくはカーシェアやレンタカーの手配もakippaで出来るようになったり、自動運転車が普及した暁には、自宅への送迎はもちろん、目的地到着後に車を駐車場へ自動返却するのを担うなど、使い道はたくさんあるでしょう。

世界最大のモビリティープラットフォーマーとして弊社が成長することで、ビジョンとして掲げている「あなたの“あいたい”をつなぐ」を実現できればと思っています。

駐車場シェアリングサービス「akippa」が目指す、“なくてはならぬ”の精神とは_ロゴ写真

編集後記

車庫不足や駐車料金高騰を筆頭に「駐車場問題」が叫ばれていることは知っていても、それが原因となって渋滞や路上駐車問題を起こしていたり、空いている車庫が遊休地としてロスを生んでいたりすることまで考える機会は少ないものです。

「akippa」は、このような車に関する多くの困りごとを解決できるサービスだと感じました。

駐車場を直売所として利用するなど、思いがけない利用法があるのも驚きです。

「“なくてはならぬ”をつくる」というミッションのもと、akippa様がモビリティープラットフォーマーとして活躍する時代も近いのかもしれません。

新里様、お忙しい中インタビューにご協力いただきありがとうございました。

 

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