

コミックスマート株式会社
「マンガ家の職業価値を向上させ、子供たちの憧れの職業にする」ことをミッションとし、世界に誇れる日本のマンガ文化の将来を作る企業。
事業内容オリジナルマンガアプリ事業
マネタイズサブスクリプション型課金
課題サービス拡大過程におけるデータ活用推進
課題
サービスが拡大してユーザー・コンテンツ・機能が増えると取得できるデータは溜まっていく一方で、データ活用はデータ量に相関して自然には進まず、テコ入れの必要性を感じていた。 自社のみで実行しようとした場合、横断的に事業のすべてを把握している人は少なく、それぞれが認識している範囲の中で考察仮説を議論するも消化不良が起こりやすかった。
成果
- ファクトが社内の議論に加わることで議論の消化不良が起こりにくくなった。
- 仮説のみの議論に割く時間が削減され具体的なアクションを考える時間が増えた。
- 仮説とファクトを分離して認識できるようになった。
- ファクトを正しく認識することでアクションの質が格段に高まった。
インタビュイーについて

コミックスマート株式会社
取締役 福西 祐樹 様
2006年セプテーニ入社。約10年間デジタルマーケティング事業に従事した後、2015年より同グループでマンガコンテンツ事業を手掛けるコミックスマートへ異動。オリジナルマンガを配信するアプリ「GANMA!(ガンマ)」のプロダクトオーナーとして、サービスのUI/UX、運営、マーケティングといったメディア事業全体を管掌する。2018年1月からコミックスマート取締役、2022年1月からセプテーニグループのメディアプラットフォーム事業管掌グループ執行役員。
データに対してKiZUKAIからの見解をもとに社内議論の中心が「ファクト×仮説」へ
サービスが拡大しても、データ活用は自然には進まない
KiZUKAI活用前の課題についてお聞かせください。
約10年前に、「IPビジネスで成功するんだ!」という想い以外は、GANMA!も作家さんもコンテンツもユーザーも、本当に何もないところから事業をスタートしました。信頼と実績を少しずつ積み重ねながらサービスは拡大しましたが、ユーザー・コンテンツ・機能が増えると取得できるデータは溜まっていく一方で、データ活用は自然には進まず、リニアに幅が広がっていかない感覚がありました。様々な役割・ミッションがあるなかでデータ活用は誰か1人で推進できるものでもなく、データ活用推進の速度が出ていないと感じつつ試行錯誤を繰り返していました。
サブスク特化型サービス/プロダクトの期待感
KiZUKAIの導入背景についてお聞かせください。
我々はメディア事業における収益の柱をサブスクリプション型課金「GANMA!プレミアム」に据えていたので、LTVが改善し、チャーンレート(解約率)が下がるのなら活用しない理由はないと導入を決めました。サブスク特化型の支援企業はほとんど耳にしたことがなかったこともあり、サブスクに特化しているという期待値が非常に大きかったです。
社内議論の中心が「ファクト×仮説」へ
KiZUKAI導入後の感想・成果をお聞かせください
自社のみで、仮説とファクトの分離を実行しようとした場合、オペレーションコスト、コミュニケーションコストともに決して低くありません。事業が拡大すると横断的にすべてを把握している人は少なくなり、それぞれが認識している範囲の中で考察仮説を議論するようになります。仮説検証もできますが、当事者同士の場合、どちらの仮説が正しいのか?という並行議論に陥ることが多いように見ています。 データに対してKiZUKAIから見解を得ることで新たな発見があります。 またデータ連携・集計した結果、出てくるファクトに「なるほど!」と思う以上に価値を感じているのは、ファクトが後の社内議論に加わることで、議論の消化不良が起こりにくくなったことです。 仮説がなければファクトの追求も暗中模索になるので仮説は重要です。ですが、仮説のみの議論は腹落ち感が得られにくいため議論の時間が長くなりがちです。ファクトが加わることで、具体的なアクションを考えられるようにシフトできたことは圧倒的な価値と言えます。 このような積み重ねで仮説とファクトを分離して認識できるようになっているように思います。

KiZUKAI導入後のKPI設計の変化についてお聞かせください。
180度変化したわけではありませんが、曖昧だった仮説が実証され、誰もがデータ活用のイメージを描けるように整理されたため、現在はKPIの浸透フェーズに入っています。 我々のコンテンツは複数作品読まれることでサービスの満足度と継続率が高まります。これはマンガ雑誌を購入するかしないかに近いと考えています。 KiZUKAIを活用したことで、閲覧作品数、閲覧話数、閲覧ジャンル数などの暗黙知を数値として示すことができました。 その結果、機能評価だけでなく施策評価も含めて全員が「やっぱりこれが正しかった」という手ごたえを感じ、本質的な目的に向けた施策立案の実行ができるよう変化できているので、非常にありがたく感じています。 データが民主化されている範囲は浅く、自社でデータ取得はできても活用しきれていない側面があります。ある行動データが満足度を示していることを確かめるには、データをつなげて集計・分析する知識と経験が必要です。専門性が欠けたままデータを解釈し、議論を進めてしまうと誤ったKPIに向いかねません。 自社でデータ検証できているといった表面的な満足感に陥ることなく「読者は継続して読んでくれているのだろうか、この先も読み続けてくれるだろうか」といった真の課題に目を向けることが必要です。このような議論へと深化し、理解されると、それに基づいた施策を打てるようになります。そこはかなり加速したと思います。
専門性を持つ外部の目線を活用し、データ活用精度をさらに高める
今後のお取り組みやKiZUKAIに期待することがあればお聞かせください。
データの見方の危険性や一般的あるいは新しい見方については、専門性を持つ外部のパートナーからの助言のほうが社内への理解、浸透が早いケースもあります。 人は誰しも、誰が言うかによって聞く耳の持ち方は変わるので、第三者の目線での意見・フィードバックに大きな意味があるように感じています。 今後、さらにデータ活用を推進し事業を拡大していくうえで、社内外の知見・意見を取り入れていくことは大切だと考えています。 自社内のみで盲目的になることを避けるためにも、今後は「どのタイミングで、どのようなファクトと共に、誰が言うべきか」といったところまで、ご支援をいただけると嬉しいです。さらに様々な機能拡張を実施するうえでのデータ活用精度を高めるために、取得したほうがよいデータについてのご提案も期待しています。
本日は貴重なお話をいただきありがとうございました。