unito(ユニット)が届ける暮らしの最適化とCX

unito(ユニット)が届ける暮らしの最適化とCX

帰らない日は家賃がかからない部屋「unito」を開発・提供するリビングテックカンパニー・株式会社Unito。2020年6月事業開始。東急不動産や三井不動産レジデンシャルなど大手ディベロッパーとも事業提供しながら、新しい暮らしを創出している。

インタビューイーについて

unito(ユニット)が届ける暮らしの最適化とCX_インタビューイー

辻尚也氏
株式会社Unito 
プラットフォーム事業部 CSマネージャー
関西学院大学経済学部卒業後、起業を経て、 株式会社Unitoへ参画。

住んだ日数分の家賃を支払うunito(ユニット)

unito(ユニット)が届ける暮らしの最適化とCX_サービス

まず、貴社のサービスの概要を教えてください。

「暮らしの最適化の追求」をパーパスとした株式会社Unitoは、宿泊施設と宿泊者をマッチングするプラットフォーム事業「unito(ユニット)」を展開しています。

滞在頻度に合わせた家賃の支払い(外泊すると家賃が下がる)と「リレント」という料金システムが最も特徴的なサービスであり、また、1ヶ月から契約可能・家具家電など軽やかな住まい「unito」として、ホテルや賃貸物件とユーザーをつないでいます。

最も多いユースケースは、関東近郊の実家・持ち家のある方が、仕事終わりに時々帰る家として、山手線沿いの職場近くのunito(ユニット)を利用するケースです。

また、海外からの帰国者・留学生・技能実習生などの利用や自宅のリフォーム期間、転居先へ移る前の一時的な滞在用としてもご利用いただいております。

「滞在頻度に合わせた家賃の支払い」とは?

我々が「リレント」と呼ぶこの仕組みは、日本ではまだ馴染みのない料金システムかもしれません。

シンプルに言うと「帰らない日は家賃がかからない料金システム」です。

unito(ユニット)のユーザーは、アプリから「帰らない日」として申請するだけで、「帰らない日」のその部屋はホテルとして貸し出されます。

ユーザーにとって家賃の節約になるのはもちろん、宿泊施設は中長期滞在者と短期滞在者の両方にアプローチすることが実現します。

代表の原体験から気づきを得た「リレント」

unito(ユニット)が届ける暮らしの最適化とCX_リレント

なぜ現在の取り組みを始められましたか?

我々は2017~19年頃まで国内5拠点(伊豆大島・六本木・代々木上原・成田・雑色)、海外1拠点でゲストハウス事業を展開していました。いくつかの拠点をまわると月の半分ほどは自宅に帰れません。様々な拠点で生活するうえで「滞在していない期間の家賃はどうにかならないのか」「ここに新しい顧客体験の価値があるのではないか」と代表である近藤が考えたのがunitoのはじまりです。

そして、2019年6月にゲストハウス事業を譲渡。2020年2月総額1.2億円を調達し、「住んだ分の家賃で暮らせる部屋unito」を発表しました。

当初は自社物件を中心に家賃変動制を採用しようとしていましたが、新型コロナウイルスの影響でホテル業界の稼働率が大きく下がった状況も踏まえ、宿泊施設と協業するプラットフォームとして「暮らしの最適化」をめざして現在の事業へと大きく舵を切りました。

”気軽”な情報アクセスのための”軽やか”なコミュニケーション

unito(ユニット)が届ける暮らしの最適化とCX_インタビュー風景1

それでは当メディアの特徴であるCXに関してお伺いします。現在どのようなCXを上げる取り組みをされていますか?

入居前~入居後まで一貫して、LINEでコンシェルジュサービスを行っています。LINEの利点は、些細な疑問点も気軽にメッセージを送信できるところにあると感じています。

我々のパーパスである「暮らしの最適化の追求」には「軽やかなライフスタイルの実現」という意を含んでいます。これを実現するには、軽やかなコミュニケーションを取ることが大切です。つまり、住まいをライフスタイルの変化に合わせてフレキシブルに変えていくためには、気軽に情報へアクセスできること、そのための軽やかなコミュニケーションという体験が必要だと考えています。

日本の一般的な賃貸では、物件を探す時は、不動産仲介会社、住み始めたら管理会社、そしてまた引っ越す時は、物件探しを不動産仲介会社、と、不動産仲介会社と物件の管理会社で情報が分断されています。そのため、ユーザーの好みや条件などの情報が蓄積されることはなく、引っ越しの都度、ゼロから探すことになります。一方でunitoは、物件探しから居住中のサポート、そして次の物件探しまで一気通貫で行っており、ユーザーのライフスタイルの変化に伴走できることができています。

ここに潜む課題においても、コンシェルジュサービスによって新たな顧客体験を生み出せるのではないかと考えています。

CXを高めるために大切にしていることとは?

直接ユーザーの声に触れ続けることは何よりも重要です。そこでユーザーインタビューを1年間で約400名実施し、サービス改善のための機能開発につなげています。最もユーザーに近い立ち位置であるCS部門こそ、ここはこだわりをもって実践したいと思っています。

インタビューを通じて、想定してなかった使い方を知ったときは、驚きと同時に嬉しさもあります。さまざまな意見をいただくこともありますが、それらはすべて受け止め、しっかり社内で共有しています。

「いい暮らし」を固定化せず、一人ひとりの価値観を大切にしたい

unito(ユニット)が届ける暮らしの最適化とCX_インタビュー風景2

今後どのような取り組みをしていきたいですか?

unito(ユニット)が提供する「住む場所」は、暮らしにおける1つの要素でしかありません。たとえばホテル暮らしは外食中心となるため、数ヶ月の滞在を見据えたとき、食の体験価値としてはまだまだ改善余地があると考えています。

今後は暮らしの最適化を追求する一つの手段として、暮らしにまつわる荷物、衣服、食などのサービスと連携し、一人ひとりの柔軟なライフスタイルに合わせたサービス拡充を図っていきたいと考えています。

辻様のunito(ユニット)事業を通じて実現したい想いを、お聞かせください。

「これがいい暮らしだよね」という固定化したものではなく、一人ひとりの自由な価値観に合わせて柔軟に提供していくことが理想です。

暮らしの最適化のために、より柔軟に住まいを追加したり、取り替えたりといった体験をunito(ユニット)から生み出していきたいと思っています。

編集後記

「暮らしの最適化を実現する」をビジョンとし、宿泊施設と宿泊者をマッチングするプラットフォーム・unito(ユニット)。

「”いい暮らし”を固定化せず、一人ひとりの価値観を大切にしたい」という辻氏の言葉が印象的でした。

滞在頻度に合わせた家賃を支払う部分に新しい体験価値がある一方で、なかなかサービスモデルを理解してもらえないこともあるようです。

今後も、unito(ユニット)が届ける暮らしの最適化とCXから目が離せません。

辻様、お忙しい中インタビューにご協力いただきありがとうございました。

 

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