世界初のチャイルドケア・テックサービス。保育者の心と時間に余裕をもたらす「スマート保育園®」の顧客体験とは
![世界初のチャイルドケア・テックサービス。保育者の心と時間に余裕をもたらす「スマート保育園®」の顧客体験とは](https://kizukai.com/cxlab/wp-content/uploads/2020/12/image3-3-890x500.png)
AIやIoT等を用いた保育関連テクノロジーの研究開発、運営、販売までを手がけるユニファ株式会社。
保育施設で過ごす子ども達の写真を保護者に届ける「ルクミーフォト」をきっかけに、現在は様々なサービスを拡充し、包括的に子ども・保護者の安心向上や保育業務の負担を軽減する「スマート保育園®」として注目を集めています。
同社のCEOを務める土岐様に、サービスの概要とCX向上のポイントについてお伺いしました。
インタビュイーについて
![世界初のチャイルドケア・テックサービス。保育者の心と時間に余裕をもたらす「スマート保育園®」の顧客体験とは_インタビューイー](https://kizukai.com/cxlab/wp-content/uploads/2020/12/image4-1-1024x1024.jpg)
ユニファ株式会社 代表取締役CEO 土岐 泰之
2003年に住友商事株式会社に入社。スタートアップへの投資及び事業開発支援に従事。
その後、外資系戦略コンサルティングファームのローランド・ベルガー、デロイトトーマツにて、経営戦略・組織戦略の策定および実行支援に関与。
2013年にユニファ株式会社創業。
2017年には全世界から1万社以上が参加するスタートアップ・ワールドカップで優勝した経歴を持つ。
保育者の業務をスマートに。保育・子育て支援サービス『ルクミー』シリーズ
まず、貴社のサービスの概要を教えてください。
当社は、AIやIoT技術を活用して保育・育児関連の社会課題を解決する「スマート保育園®︎」構想という形で、様々なサービスを展開しています。
具体的には、睡眠中のお子さんの様子をチェックする「ルクミー午睡チェック」、日々の検温データを保育者同士でシェアできる「ルクミー体温計」、保育施設でのお子さんの様子を保護者の方へ届ける「ルクミーフォト」、保育施設の先生の業務負担を軽減する「ルクミーシフト管理」、幼稚園・こども園専用の送迎バスの現在地をリアルタイムで把握できる「ルクミーバス位置情報」のルクミーシリーズに加え、登降園管理、電子連絡帳や帳票管理など様々な記録管理をスムーズにする「キッズリー」の6つのサービスで、保育施設や子育ての中にある社会課題解決に取り組んでいます。
![世界初のチャイルドケア・テックサービス。保育者の心と時間に余裕をもたらす「スマート保育園®」の顧客体験とは_サービス](https://kizukai.com/cxlab/wp-content/uploads/2020/12/image1-3.png)
出典:ユニファ株式会社
※「スマート保育園®」、「スマート幼稚園®」、「スマートこども園®」はユニファの登録商標です。
なかでも近年ご利用いただくユーザー様が増加傾向にあるのが、睡眠中のお子さんを見守る「ルクミー午睡チェック」ですね。
こちらはお子さんが昼寝をする際、肌着などに小さなセンサーを取り付けておくことで、うつ伏せ寝や体動停止が起きるとアラートが発信されるというサービスです。
お子さんの死亡事故のうち約9割は睡眠中に起きており、厚労省もお子さんのうつ伏せ寝は危険ということを呼びかけていますが、現状は保育者が一人一人のお子さんを定期的に確認し、手書きで記録している保育施設も少なくありません。
保育者の人手不足や長時間労働は長い間社会課題として挙げられており、当社のサービスでサポートしていきたいと考えています。
料金体系は各サービスによって異なっており、「ルクミーフォト」のみ1枚あたり写真サイズや注文枚数によって異なりますが80~100円ほどで購入する課金スタイルです。その他サービスは基本的には月額従量課金制度で提供中です。
保育現場や子育て環境の課題を痛感し、起業を志した
なぜ現在の取り組みを始められましたか?
個人的に学生時代より起業してみたいという思いがあり、会社員として働いている際もスタートアップ企業に携わる業務に関わっていたため、ベンチャーや起業の魅力は強く感じていたものの、なかなか特定のテーマを見つけられずにいました。
そうして会社員としての時間が続く中、子どもが生まれたことがきっかけで東京を離れ、当時妻の勤務先であった名古屋に移り住むことになったんです。
しばらくは移住してからも会社員として過ごしていましたが、共働きで子育てをしていくことの大変さや課題の多さを実感し、「家族」や「子育て」という軸で起業をしたいという思いが再燃し、ユニファ株式会社を立ち上げました。
まず初めに、保育施設に通う子どもの写真を気軽に見ることができれば、育児に関するコミュニケーションが円滑になるという考えのもと、写真共有サービス「ルクミーフォト」から開始しました。
しかし、実際に保育施設現場での状況を目の当たりにすると、保育者の方は手書きの書類作成やお子さんの世話などに追われ、写真を撮る時間も十分に確保できていないというケースも珍しくありませんでした。
実際に私自身も保育現場に立ってみて、保育者の方がもっと余裕を持ってお子さんと接する環境を整える必要があると感じ、様々な機能やサービスを拡充させて包括的な支援をしていくというスタンスにシフトしていったという経緯です。
様々なサービスの中でも「ルクミー午睡チェック」は体動センサーを用いるため、ソフトウェアやネットワーク構築に加えてハードウェアとの連携・開発も必要なため、難易度が高いものでした。
当初は中国やアメリカの企業と連携しながら進めており、グローバルなパートナーを集め、それらを束ねていく必要があったことが開発当時に苦労した点の一つです。
![世界初のチャイルドケア・テックサービス。保育者の心と時間に余裕をもたらす「スマート保育園®」の顧客体験とは_アプリ](https://kizukai.com/cxlab/wp-content/uploads/2020/12/image2-2-1024x682.jpg)
出典:ユニファ株式会社
ユーザーと共に成長していく仕組みと開発力強化で終わりなき改善を
それでは当メディアの特徴であるCXに関してお伺いします。現在どのようなCXを上げる取り組みをされていますか?
当社の各サービスは様々な機能が搭載されており、導入していきなり全てを使いこなすのが難しいと感じられることも多いと考えています。
そのためユーザー様と接点をもつということはもちろんのこと、単純に接点を増やすだけではなく、サービスを使いこなしていただいた結果の仕事の姿や作業効率の改善といった明確なビジョンを提案することが重要です。
具体例を挙げると、「ルクミーフォト」で写真を撮影してアップロードして終わりにするのではなく、保育の専門家を招いて撮影方法のアドバイスや、撮影した画像の活用方法などに関した研修を提供しています。
サービス定着のためのサポートではなく、もう一歩先の保育の質を向上させるようなサポート体制で、保育・福祉の現場と当社が伴走するような仕組み作りに努めています。
これにより、ユーザー様はICTの魅力に関心を持っていただけることに加え、当社としても保育現場の理解を深めることができるので、双方にメリットがある取り組みだと考えています。
また、お子さんのヘルスケアに携わるサービスである以上、安心・安全という観点も非常に重要なポイントです。
当社社員約200名のうち約50名がエンジニア職で、日々品質向上に力を注いでいます。
体動センサーのアルゴリズムや体温データ、お子さんの顔認識技術などは国内のみならず海外でも珍しいデータであり、これからも引き続き最適化を目指し保育現場におけるトータルソリューションとしてのサービス改善を進めていきたいです。
![世界初のチャイルドケア・テックサービス。保育者の心と時間に余裕をもたらす「スマート保育園®」の顧客体験とは_センサー](https://kizukai.com/cxlab/wp-content/uploads/2020/12/image5-1-1024x683.jpg)
出典:ユニファ株式会社
未来の社会の礎を築いてくれる、子育て世代を温かくサポートしたい
最後に、今後の取り組みと「スマート保育園®」構想を通じて実現したい想いを改めてお聞かせください。
保育施設業務をICT化するサービスを提供する企業は多いですが、IoTを絡ませた体動センサーや体温情報管理などを含めた保育現場のトータルソリューションを提供していることで、様々な情報を保有している点が当社の最大の特徴であり強みであると考えています。
今後は、当社が持っているデータを活用して、保育施設やご家庭での育児がよりよいものになるようなサービスを提供していきたいですね。
例えば、保育施設での写真をもとにお子さんの関心が強い離乳食や絵本などのおすすめを紹介できるかもしれません。
他社さんとの連携を含め、さらなるサービス拡充を目指して取り組んでいく予定です。
まずは日本国内で「スマート保育園®」構想の展開を進め、中期的には、数十億円を超える売上高を実現させたいと考えています。
また、子育てや育児に関して社会課題を抱えているのは日本だけではないため、海外進出も積極的に狙っていきたいです。
特に東南アジア諸国は子どもが増加しているため、ニーズはあると思います。ゆくゆくは、海外の売上が日本国内を上回ることを目指しています。
私自身も経験しましたが、日本においては子育てや育児は大変で苦労が多いというイメージを持たれている方が多いと思います。
そういった環境を当社のサービスで変えていき、お子さんを産んで育てる全ての方を温かく支援し、称賛されるような社会になればいいですね。
育児・福祉領域は行政が取り組む要素もありますが、当社のようなテック企業が情報を集約するプラットフォームになることで、お子さん・保育者・保護者それぞれが求めているものを提供できるはずです。
お子さんの声なき声を聞き逃さず、お子さんの権利を守っていける社会を目指し、サービス改善に注力して参ります。
編集後記
土岐様の保育・子育てという領域の社会課題を解決したいという熱い想いが伝わりました。
まだ日本にも世界にも競合のない唯一無二のサービスということで、日本全国はもちろん世界に向けて展開が進みビッグマーケットを獲得されることでしょう。
少子高齢化が進む日本にとって救世主となる日も近いのかもしれません。
土岐様、お忙しい中インタビューにご協力いただきありがとうございました。
-
前の記事
健康状態をリアルタイムで数値化!dacadooが挑む最先端デジタルヘルスケアとは 2020.12.09
-
次の記事
フォーム作成と顧客情報管理を一元化!業務効率を改善するツール「formrun」の姿。 2020.12.21