いまさら聞けないLTVって? 計算方法やCACとの関係を紹介!

いまさら聞けないLTVって? 計算方法やCACとの関係を紹介!

マーケターやカスタマーサクセス担当者で「LTV」という用語を聞いたことがある方も多いでしょう。

しかし、「顧客に関する指標のひとつ」ということはぼんやりとわかっていても、その特徴をきちんと理解できているでしょうか?

今回はLTVの基礎知識をおさらいし、計算方法や関連知識、実際の活用事例までを徹底解説していきます。

LTVの基礎知識

いまさら聞けないLTVって? 計算方法やCACとの関係を紹介!_基礎知識

LTV(ライフ・タイム・バリュー)とは

LTV(ライフ・タイム・バリュー)とは直訳すると“顧客生涯価値”。

「顧客がサービスの利用を始めてから解約するまでに、どのくらい収益をもたらす見込みか」を示す指標です。

顧客がサービスの利用を開始してから算出が始まる指標なので、時間軸を含めた予測の指標になることが大きな特徴です。

サブスクサービスの台頭により注目が集まった

では、なぜLTVという用語が注目を浴びているのでしょうか?

答えは、「サブスクサービスの台頭」にあります。

サブスクサービスのビジネスモデルは「販売して終わり」ではなく、継続課金による収益構造になっています。

単なる売上などの指標ではなく、将来的な予測を含めた事業計画が求められるため、LTVが活用されているというわけです。

LTVとCACの関係性

いまさら聞けないLTVって? 計算方法やCACとの関係を紹介!_関係性

ここまで、LTVの概要を説明してきました。

ここからはもっとLTVについて深掘りするために、LTVと大きく関係する「CAC」「ユニットエコノミクス」という用語について説明していきます。

CACとは

CAC(Customer Acquisition Cost)は、顧客獲得費用のこと。

顧客一人を獲得するのにマーケティング費・営業費などがいくらかかったかを表す指標です。

では、このCACはLTVとどういった関係を持つのでしょうか?

ユニットエコノミクスという概念

LTVとCACは経営計画の観点で大きく関係しています。

顧客からの収益が顧客を獲得する費用を下回ると、事業を進めても収益が生まれず、経営がうまくいかなくなってしまいます。

LTVとCACの比率を計測することで、コストを投下して顧客数を増やすべきなのか、それとも収益性の改善施策が必要なのか、といった経営判断がしやすくなります。

このLTVとCACの比のことを「ユニットエコノミクス」と呼び、LTVがCACの3倍以上となることが経営判断の目安として使われます。

LTVやCACの計算方法

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ここからはLTV、CAC、ユニットエコノミクスの計算方法について紹介していきます

LTVの計算方法

LTVの計算式は以下で表されます。

LTV(顧客生涯価値)=顧客の平均単価 ÷ チャーンレート(解約率)

計算式からもわかるように、LTVは1ユーザーあたりのバリューを表します。

顧客の平均単価を上げるか、解約率を下げることでLTVは向上します。

CACの計算方法

CACは以下の計算式で表されます。

CAC(顧客獲得費用)=顧客獲得にかかるコストの総額 ÷ 新規顧客獲得数

CACは新規顧客をどれだけ効率的に獲得できているかを表す指標です。

ユニットエコノミクスの計算方法

ユニットエコノミクスの計算方法は以下の通りです。

ユニットエコノミクス=LTV ÷ CAC

「販売して終わり」ではなく、サブスクリプションサービスのような継続的な課金形態に適した指標です。

LTVを最大化させるためのポイントは?

いまさら聞けないLTVって? 計算方法やCACとの関係を紹介!_ポイント

LTVを計算する際のチェックポイント

正しいLTVを計算するためには、顧客データを正確に管理する必要があります。

そのためのチェックポイントは以下の2点になります。

①社内で顧客データが分散していないか

「部署ごとにデータをばらばらで集めている」、「データを管理しているツールやデータベースが統一されていない」といった課題は、よく見られる現象です。

社内でデータが分散していると、適切な顧客にアプローチできず、ビジネスチャンスを失いかねません。

②顧客データが重複登録されていないか

①で挙げた「社内でのデータ分散」に似た現象として、部署ごとにデータが登録され、結果的に顧客データが重複登録されていることがあります。

これも、①と同じくデータの蓄積方法が統一されていないことが原因。

顧客データが重複登録されていると、メールマガジンの配信やアポイントの提案を重複してしまい、顧客との接点を失ってしまう一因になります。

これらを実現させるためには顧客管理に特化したシステムの活用が求められます。

以下の記事に詳しくまとめましたので、ぜひご参照ください。

LTVを最大化させるためのポイント

サブスクリプションサービスにおけるLTVを高めるポイントは以下の2点です。

①顧客の平均購買単価を上げる(アップセル/クロスセル)

Pacific Crest社による調査により、「アップセルで1ドルの収益を上げるためのCAC(顧客獲得コスト)は、新規顧客を獲得するコストのわずか24%に過ぎない」ということがわかりました。

つまり、アップセルによる利益の創出は新規顧客の獲得よりもはるかに容易であり、効率的な経営ができるということになります。

アップセルを行うためには、まず顧客ロイヤリティを高めることが重要。

その商品やサービスに対して満足し、愛着を持ってもらうことで、結果として顧客の維持、購買単価のアップが見込めるのです。

②解約率を下げる

先述した「顧客ロイヤリティの向上」は解約率の低減にも大きな効果をもたらします。

ここで注意しなければならないのは、アップセル/クロスセルの実現や解約率の低減は、顧客との良好な関係構築の結果として生まれるものであり、それ自体を目的としてはいけない、ということ。

解約率を低減させるための工夫のひとつとして、カスタマーサクセスツールの導入があります。

以下の記事にてカスタマーサクセスツールに関する紹介をしています。

興味のある方はぜひご覧ください。

LTVを用いて見通しのよい事業計画を

いまさら聞けないLTVって? 計算方法やCACとの関係を紹介!_まとめ

「LTV」は継続的に顧客との関係を生み出すことで算出される経営指標。

さらに、関連する指標として、新規顧客を獲得するためのコストを表す「CAC」、CACとLTVのバランスを表す「ユニットエコノミクス」などがあります。

事業計画を立てる際には、上記のような時間軸を含めた視点で計画を見ることで、適切な判断を下せるようにしましょう。

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