カスタマーサクセス成功事例を解説!成功事例から学ぶ顧客満足度を上げる秘訣とは

- 2021.10.17
- CXノウハウ カスタマーサクセス
- カスタマー サクセス, 事例
近年、企業に必要な機能として「カスタマーサクセス」に注目が集まっています。
「カスタマーサポート」と似ていますが、カスタマーサクセスの独自性については、まだ周知されていないのが現状です。
今回は、このカスタマーサクセスの概要を説明したあと、成功事例について解説します。
カスタマーサクセスを導入することでどのように成果が上がったのか、皆様の参考になれば幸いです。
カスタマーサクセスとは?

カスタマーサクセスの概要
まずは、カスタマーサクセスとはなにか、その概要を簡単に説明していきましょう。
カスタマーサクセスとは「顧客の成功体験を促進することでLTVを最大化する」ことを目的とした組織、活動のことを指します。
似ている概念として、カスタマーサービスがあります。
しかし、カスタマーサクセスとカスタマーサクセスは目標、KPI、顧客との関わり方などに主な違いがあります。
以下の表にまとめましたのでご確認ください。
目標 | KPI | 顧客との関わり方 | |
カスタマーサクセス | 顧客の成功体験の促進 | 解約率、アップセル率など | 積極的 |
カスタマーサービス | 顧客満足度の向上 | 顧客満足度 | 受動的 |
なぜカスタマーサクセスが注目されている?

「保有」から「利用」への購買行動の変化
カスタマーサクセスの普及には、サブスクリプションビジネスの台頭が関係しています。
昨今の日本ではサブスクサービスが急速に広がっており、この背景には、消費者目線で言うところの「保有」から「利用」への購買行動の変化があります。
その象徴となるのがシェアリングサービスです。
カーシェアやバイクシェア、Airbnbなど、多くのサービスがシェアされています。

「顧客体験(CX)」への注目
上述したような顧客の購買体験の変化により、企業目線でも、商品を売り切りで提供するよりも、サービスを利用することで得られる体験を継続的に提供する方向に経営モデルがシフトしています。
そのため、ユーザーが商品を利用する際の顧客体験を高める職種の需要が自然と高まっているのです。
ここまででカスタマーサクセスの概要をお話ししてきました。
よりカスタマーサクセスへの理解を深めたい方は以下の記事も合わせてご覧ください。
※記事準備中
次章からは実際の事例をお話ししていきます。
事例紹介①(Saas系企業LTV改善事例)

背景
あるサブスクサービスを提供しているSaas系企業の事例です。
この企業の課題は、KPIが属人化していて、全社的に見れていなかったことでした。
この業務課題を解決するために、カスタマーサクセスツールを導入し、以下のステップで解決に成功しました。
Step1
まずは、全社的に統一されていなかったLTV、MRRなどといった経営指標をダッシュボードで可視化しました。
これにより、現場と経営陣でのすり合わせが実現し、改善ポイントがどこにあるのか把握することができました。
Step2
重要KPIの課題を見つけた経営メンバーは、現場とのディスカッションでネクストアクションに向けたプランニングを行いました。
この計画に対し、現場は実際に効果検証を行い、さらにこのアクションに対するKPIを、Step1で入力したダッシュボード上でリアルタイムに観測。
スピーディーに数値を分析することで、次なるアクションにつなげることができました。
結果
結果として、業務全体の効率が改善。
当初の課題で言うと、KPIが自動かつデイリーで可視化されることによって、全社的に追うべきKPIが明らかになりました。
これは、カスタマーサクセスによる現場と経営のすれ違いが見事に解消された事例です。
事例紹介②(教育系コンテンツ解約率改善事例)

背景
次の事例は、オンライン教育系コンテンツを提供している企業の事例です。
こちらの企業の課題は、解約率の高さでした。
外部要因の変化から、在宅教育の需要が急速に伸び、ユーザーも急速に増加した一方で、解約率もそれに比例して大きく伸びていました。
この課題の改善に、カスタマーサクセスが活躍したのです。
Step1
まずはカスタマーサクセスツールを用いて、どんなユーザーが解約しそうか、解約リスクを算出しました。
こちらのツールでは、解約リスクの高さがどこに起因しているか、要因まで見ることができ、「担当する講師」が解約の1番の理由だということが判明しました。
Step2
解約の要因が講師にあることがわかったため、次に、解約率の高い講師と低い講師でグルーピングし、それぞれに異なるアクションを行いました。
解約率の高い講師には研修を行うことで業務レベルの改善を図り、解約率の低い講師には、人気講師として新規のユーザーを優先的に割り当てるという施策を打ち出しました。
結果
結果として、全体解約率は1%低下。
特に新規ユーザーの解約率は5%低下と効果的な施策を打つことが出来ました。
事例紹介③(物品系サービス解約率改善事例)

背景
物品/サービスのサブスク事業を行っているクライアントは、予期せぬユーザーの解約に悩んでおり、明確な施策も行えていませんでした。
原因を調べた結果、属人化した営業の判断により、解約リスクの高いユーザーに対し適切なアクションをとれていなかったことがわかりました。
Step1
まずは、実際に解約される前に、カスタマーサクセスツールを利用して毎月、解約リスクの高いユーザーのリストを抽出しました。
ここではAIを用い、人力では出来ない数十もの要因を学習・分析することで、解約要因やリスクを算出しました。
Step2
Step1で算出した解約リスクの高いユーザーに個別のアクションを行いました。
結果
結果として、コンタクトのなかった6,000名のユーザーでは解約率が30%だったのに対して、コンタクトを行った2,500名のユーザーの解約率は7%にまで改善されました。
事例紹介④(携帯・通信系企業解約率/アップセル率改善事例)

背景
最後は、携帯/通信会社のサブスク事業における事例です。
こちらも解約率の改善に頭を悩ませており、また、解約要因が掴めないことから明確な施策も行えていませんでした。
しかし、カスタマーサクセスツールを導入することで解約要因を特定。
要因に沿った施策の実現に成功しました。
Step1
まずは、契約期間ごとにユーザーをグルーピングし、時系列ごとの解約率を算出しました。
すると、「契約してすぐのユーザー」と「契約して10〜12ヶ月経ったユーザー」の2つのクラスタで解約率が高くなっていることが掴めました。
Step2
解約率の高いグループが判明したところで、グループごとの解約要因を分析。
契約してすぐのユーザーは契約ルート、10〜12ヶ月経ったユーザーでは通信量が解約原因の1位になっていたことを突き止め、グループごとに効果的な提案をすることが出来ました。
結果
結果として、全体のアップセル率は15%上昇。
10〜12ヶ月経ったグループでは解約率が3%改善と、大きな業績を上げることが出来ました。
データドリブンな手法でカスタマーサクセスに成功した典型的な事例であるといえます。
【顧客の成功体験を促し、高い経営効果を】

2021年に行われた、アメリカ在住の管理職300人を対象としたsalesforceによるアンケートでは、管理職の65%はCXを優先課題のトップ5であると答えています。
CXを向上させるために、カスタマーサクセスの需要は今後ますます高まっていくことが予想されます。
特に、サブスクリプション型のビジネスモデルにおいては、解約率の改善やアップセル/クロスセルの向上という観点から、カスタマーサクセスが大きな意味をもつでしょう。
今回、紹介した4つの事例からエッセンスを吸収し、ぜひ皆様の活動に生かしていただければ幸いです。
また、今回ご紹介した4つの事例はすべて弊社サービスによるものです。
皆様のお悩みと今回の事例でマッチするものがございましたら、下のリンクからお気軽にご相談ください。
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