NPSはどう計測する?計測におすすめのツール5選と計算方法

顧客満足度やサービスへのロイヤルティを重視した指標として注目されている「NPS」。
しかし、重要な指標であることは知っていても、その計測方法について詳しくは知らない方も多いのではないでしょうか。
本記事では、NPSを計測する意味、NPSの算出方法、そして、計測のためにおすすめのツールを5つ紹介します。
顧客満足度の向上や、カスタマーサクセスへの取り組みを検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
NPSとは?なぜ計測が必要なの?

NPSとは、「Net Promoter Score(ネット・プロモーター・スコア)」の略。
企業・ブランドやサービスに対する顧客の愛着度・信頼度を定量的に表すための指標です。
近年では、消費者の行動が「モノ消費」から「コト消費」へと移り変わっており、単に製品の機能でモノが選ばれるのではなく、「企業理念への同意」「開発ストーリーへの賛同」「製品以外のカスタマーサービスの充実」なども重視されるようになりました。
そのため「顧客満足度」や「カスタマーサクセス」といった、顧客がどれほど自社に賛同してくれているのか、ファンになっているのか、がサービスの継続に重要な意味を持ちます。
実際に、NPSを調査した結果、ロイヤルティの高い顧客は低い顧客に比べて年間の利用額が5倍以上も高いケースも報告されています(※)。
※参考:https://www.nttcoms.com/service/nps/report/ec/
満足度やロイヤルティは指標として測ることが困難なため、「NPS」を使って満足度を計測することが一般的です。
何かしらの施策を行った前後のNPSを分析することによって、施策の効果があったのかを定量的に判断することが可能となります。
NPSを計測・算出するための計算方法

参考:https://www.nttcoms.com/service/nps/summary/
NPSは、0〜10の11段階で評価をつけ、点数にあわせて以下の3段階に分類します。
- 0〜6点:サービスに不満のある「批判者」
- 7〜8点:不満もなければ、満足もしていない「中立者」
- 9〜10点:サービスに満足している「推薦者」
これらのスコアは、アンケートによって集計し、集計後に以下の計算方法でNPSの値を算出します。
「NPS=推薦者の割合(%)ー 批判者の割合(%)」
例えば、100人にアンケートをした場合を考えましょう。
9〜10点の推奨者が60%、0〜6点の批判者が20%の場合、NPSは「60%ー20%」となり+40%となります。
NPSの平均値は業界によっても大きく異るため、自社の業界上位の数値を参考にすることがおすすめです。
NTTコム オンラインでは、各業界におけるNPSトップ企業や、平均値が紹介されています。

参考:https://www.nttcoms.com/service/nps/report/
NPSランキングトップや平均値を見ると、NPSはプラスの値ではなくマイナス値が一般的となっています。
必ずしも、プラスにならないといけないわけではないので安心してください。
自社の該当する業界の平均値や傾向を把握して、健康的な数値になっているのか確認することがおすすめです。
NPSの計測におすすめのツール5選
「NPSを調査したいけれど、どのように計測したらいいのかわからない」という方も多いでしょう。
手軽に調査するために、NPSの計測ツールを利用することが一般的です。
今回はおすすめのツールを5つ紹介します。
使いたいシーンや、費用に合わせて選択してみてはいかがでしょうか。
1.Mopinion

Webサイト・アプリ・メールからNPSを調査できる「Mopinion」。
様々なチャネルでユーザーとのコミュニケーションを取っている企業におすすめのツールです。
■基本の機能
NPS調査フォームの作成、キャンペーンのフィードバック、SlackやGoogle Analyticsなどの外部ツールとの連携など
■料金
月額$0〜$579
無料で利用できるプランもあるので、使い勝手を試したい方はまずは無料プランから始めてみてはいかがでしょうか。
2.Survicate

125以上の調査テンプレートがあるNPSツール「Survicate」。
カスタマーサクセス・マーケティング・商品開発それぞれのチームに向けて使いやすいようになっており、NPS測定から実務での対策を検討しやすいツールです。
■基本の機能
NPS調査、メール・リンク・Webサイト・モバイルアプリの調査、フィードバックボタンの設置など
■料金
月額$0〜$249
100までの回答の場合、無料で使えるプランもあります。
スモールスタートしたい方は、無料プランから始めてみてはいかがでしょうか。
3.Wootric

Webミーティングツールとして人気のZoomも利用していることで知られているカスタマーサクセスツール「Wootric」。
経営幹部から現場まで組織全体の改善、優先順位の提案など、NPS調査に留まらず、カスタマーサクセスに関する様々な機能が備わっています。
レポートが特にわかりやすく可視化されていることもポイントです。
■基本の機能
NPS調査、レポート集計、A/Bテスト、Slackを始めとする外部ツールとの連携など
■料金
月額$89〜$224
デモンストレーションを予約することも可能
4.Ambassador Relations Tool

マーケティングオートメーションツール「Ambassador Relations Tool」。
マーケティングに必要な機能が揃ったツールのため、NPS測定をマーケティングに利用したい方にはおすすめです。
■基本の機能
NPS計測、CRM、MA、顧客分析、メールマーケティング、EC-CUBEとの連携
■料金
月額26,800円のクラウドプラン、月額100,000円のクラウドBプラン、個別見積もりのサーバー設置プラン。無料プランもあり。
5.Tayori

カスタマーサポートに必要な機能がすべて揃ったツール「Tayori」。
問い合わせフォーム、FAQ、アンケート作成、チャット機能があり、業務効率化ツールとしても利用できます。
NPS調査を行うことが多い「問い合わせ」「FAQ」「チャット」にNPSアンケートを連携できるので、カスタマーサポートの満足度を調査したい方におすすめのツールです。
■基本の機能
アンケートによるNPS調査、問い合わせフォーム、FAQ、チャット、Slackなどの外部ツールとの連携など
■料金
月額3,400円のスタータープラン、月額7,400円のプロフェッショナルプラン。
チャット以外は無料プランで利用可能なので、NPS調査をしたい方は無料プランから始めてみてはいかがでしょうか。
NPSは計測しただけで終わらず、分析・改善を行おう

顧客満足度やロイヤルティを定量的に把握したり、施策の効果検証を行うためには、NPSを計測することが効果的です。
NPSは計測して終わりではなく、分析・改善することで意味を持ちます。
これからカスタマーサクセスへの取り組みを検討している方は、本記事で紹介したNPS計測ツールを利用して、まずは自社のNPSを把握することから始めてみてはいかがでしょうか。
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