SaaSビジネスの最適なアンケートの取り方とは?おすすめのツールと注意点

- 2020.03.30
- CXノウハウ アンケート
- アンケート(サーベイ), とは
アンケートは、プロダクトがユーザーのニーズを満たしているかを確認するために有力な方法です。
SaaSにおいてもtoB、toC問わずリアルな反応をチェックするために活用するべきツールになるでしょう。
ここでは、適切なアンケートを取得するための方法から、アンケートを行う際の注意点などについてご紹介します。
そもそもアンケート調査とは?

一口にアンケート調査といっても、月間のサービス平均利用回数など「数値データ」を集めるものから、サービスをどんな時に使用しているかといった「数値化しにくいデータ」まで様々な種類があります。
狙い通りのデータを得る為には調査方法を使い分けることが重要になりますので、まずはここを押さえておきましょう。
まずは、アンケート調査の中でも代表的な「定量調査」と「定性調査」の性質と特徴をそれぞれ紹介します。
SaaSプロダクトが抱える課題を検証する定量調査
定量調査とは、プロダクトユーザーや見込み顧客に対し、金額や回数など数値化できるデータを集めるアンケート調査です。
設問に対して「Yes / No」で回答するものや、「1回/2回/3回/4回」などの選択肢から選択する形式をとります。
定量調査の最大のメリットは、上記の通り比較的時間をかけずに回答しやすいために、回答のボリュームが得られやすい点です。
また得られた回答を数値化・グラフ化できることからデータに信憑性があり、自社内でプロダクト課題を客観的に検証するための最適なツールとなります。
SaaSにおいては事業フェーズに合わせて出資を受けることが必要になりますが、出資者に対してのアピール材料としても活用可能です。
一方で、設問や選択肢の作り方次第で大きく回答結果が偏ってしまうケースがあり、ユーザーのリアルな意見や思いが汲み取りにくいというデメリットがあります。
「自社およびプロダクトの使用実態調査」や「サービスやアフターフォロー満足度の全体像を把握したい」という時などに用いるといいでしょう。
SaaSプロダクトが抱える課題を抽出する定性調査
対して、定性調査とは「プロダクトのどんな所が使いにくいと感じるか」、「なぜこのプロダクトの使用を継続しているか」などダイレクトな意見や思いを収集するアンケート調査です。
ユーザーが抱える潜在的なニーズを把握できるため、自社で検証するだけでは思いつかないようなリアリティのある回答を得られるメリットがあります。
しかし選択式である定量調査と比較すると回答に対してのハードルが高く、回答者に何かしらの特典や恩恵がないと回答数が集まりにくい場合が多いです。
コストや時間はかかってしまいますが、「プロダクト改善方法の糸口を見つけたい」「新規市場に参入するためユーザーの生の声を深掘りしたい」というケースに用いるべき方法になります。
アンケート作成の代表的なプロセスと注意点

特にアンケート調査を初めて行う場合、何から決めるべきかわからないことが多いかと思います。
様々なケースがあるため一概には言えませんが、おおよそ下記のような順番で取り組めば効率よく進められるでしょう。
①自社の課題やボトルネックを洗い出し、絞り込む
まずはアンケート調査で何を検証したいのかをピックアップする作業です。
回答者となるユーザーや顧客の手間を考え、あまり設問を詰め込みすぎないようにするといいでしょう。
そのためにも、アンケートの目的と意義をしっかりとフォーカスして質のいい結果が得られるように心がけてください。
②調査方法を検討する
アンケートで調査したい事柄が決まった後に、定量調査・定性調査のどちらが好ましいかを判断しましょう。
この際、新規プロダクトが本当に必要とされるかどうかを確認したいのであれば定性調査を、ある程度ユーザーを抱えており、包括的な満足度などを調べたいのであれば定量調査を行うといいでしょう。
また、どちらか一方ではなく組み合わせて行うことも有効な方法です。
③質問内容を作成し、アンケートを実施する
質問内容はわかりやすく、シンプルな文章で作成することが望ましいです。
また、ここでも改めて調査したい内容と合致しているかの再確認してください。
実施方法としてはFAX・郵送・街頭調査などの方法が思い浮かぶかと思いますが、どれも返答率はそう高くありません。
下記で紹介する通り、Web上でアンケートを行うツールをうまく利用することをおすすめします。
また新規市場に参入する場合は、トライアルプロダクトの利用者に対して回答をお願いすることができれば、かなり質の高い情報を入手できますので、活用を検討してみるといいでしょう。
④回答結果を元に、改善・意思決定を実行する
定量調査・定性調査の違いを明確にした上で質問を作成したのであれば、おそらくその後のアクションもスムーズに進むはずです。
得られた数字や回答内容を分析し、自社の意思決定に役立てていきましょう。
アンケート調査は自社の他、調査会社に委託する方法も

プロセス自体はシンプルなものですが、やはりアンケートの質は「どんなことをどう聞くか」という点が非常に大きなウェイトを占めています。
特に定性調査は打ち合わせや対面でのヒアリングで行うケースもしばしばあり、質問者のスキルにより回答数・回答内容ともに左右されやすい側面があります。
アンケートを行うリソースがない場合は、マーケティングリサーチを専門に行う調査会社に委託するのも効果的です。
大手であれば目的や業界に合わせたサポートも付属するため、予算に合わせて選択しましょう。
アンケートを自社で実施する際に有効なツール3選
自社でアンケートを作成する場合、現在では便利なツールがたくさん用意されています。
代表的なものを3つ紹介するので、参考にしてみてください。
マクロミルが運営する「Questant(クエスタント)」
参考:https://questant.jp/#_ebcv=3kxCAMrX.liskul2so.1
マーケティングリサーチ大手企業のマクロミルが運営するアンケート作成ツールです。
こちらで作成したアンケートをそのままWebページに貼り付けたり、SNSでシェアしたりといった様々なアレンジが可能です。
無料で利用できる定番の「Googleフォーム」
参考:https://www.google.com/intl/ja_jp/forms/about/#_ebcv=3kxCAMrX.liskul2so.1
お馴染みのGoogleが提供するアンケートフォームです。
シンプルでわかりやすく、特別な知識が無くても作成できるでしょう。
メールやWebサイトへの添付も容易のため、ライトな感覚で取得する定量調査であればこちらのツールが非常に有効になります。
見込み顧客にダイレクトに届く「VoicePocket」
自社メディアに訪れたユーザーにアンケート画面を表示できるツールです。
滞在時間や訪問回数などで条件を絞り込めるため、特定のユーザーにのみアンケートを行うこともできます。
自然な形でブラウザ上で行えるため、継続的な利用にも向いています。
プロダクト改善にカスタマーヘルスのチェックは不可欠

SaaSビジネスが成長し続けるために、顧客目線にたったプロダクト設計が必要不可欠になります。
アンケートをうまく活用し、タイミングに合わせてユーザーの声をチェックすることはカスタマーサクセスの第一歩目と言えるかもしれません。
弊社が提供するサービスのKiZUKAIは既存ユーザーのカスタマーヘルスをAIでスコア化するプロダクトです。
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