カスタマーサクセスで設定するべき7つのKPI

カスタマーサクセスで設定するべき7つのKPI

カスタマーサクセスを進める際には、KPIを設定することが重要です。とはいえ、何をKPIにするべきか悩む方も多いでしょう。カスタマーサクセスにおけるKPIは、事業ごとに適切なものを設定することがポイントです。

本記事では、カスタマーサクセスにおいてKPIとなりえる指標を7つ紹介します。貴社サービスに適したKPI選定をする際に参考にしてみてください。

カスタマーサクセスでKPIを設定する理由とその注意点

カスタマーサクセスを行うときに、なぜKPIを設定する必要があるのでしょうか。ご存知の方も多いかもしれませんが、KPIを設定する理由と、設定の際の注意点をおさらいしましょう。

KPIを設定すべき必要性について

KPIを設定する大きな目的は「結果の見える化」です。KPIは定量的な数字で表されるため、現状を見える化できます。特に目に見えにくいカスタマーサクセスだからこそ、定量的な評価が重要です。

カスタマーサクセスにむけて施策を行っているものの、施策をした結果がわからなければ、正しい方向に進めているのか把握できません。KPIは「ゴールに対して正しい施策が行えているか確認」するための道標のような役割をしているともいえるでしょう。

現状を正確に把握した後は、PDCAをまわすことで改善を図れます。

また、成果が見える化されることで、チームのモチベーションも上がることもKPIを設定する理由のひとつです。

設定の際の注意点

KPIは方向性を定める重要な役割をするため、間違ったKPIを設定してしまうと、正しいゴールに行き着くことが難しくなります。

そのため、KPIを設定するときには以下の点に注意しましょう。

注意点1.KGIにあったKPIなのか

KPIはゴール(KGI)までの道標です。KPIを達成したらKGIを達成できるようになっているのか、注意して設定しましょう。

注意点2.施策によって変化が出るKPIなのか

施策をした結果、数字として現れないものや結果が出るまで時間がかかるものをKPIと設定すると、施策の結果が正しく測定されません。施策によって変化が現れるものをKPIとして設定しましょう。

注意点3.PDCAを回しやすいKPIなのか

KPIによって現状を把握した後は、PDCAを回して改善に繋げることで、カスタマーサクセスを実現します。PDCAが回しやすいものをKPIにすることがおすすめです。

注意点4. 事業特性を加味した最適化

一般的によしとされているKPIでも、事業ごとに必要となる指標は異なります。事業の特性に合わせて、最適なKPIを設定することが重要です。

KPIの選定のポイントは、以下の関連記事を参考にしてください。

カスタマーサクセスを成功させる重要なKPIとは?設定するポイントは?

https://kizukai.com/cxlab/2020/01/29/post-965

カスタマーサクセスで設定しておきたい7つのKPI

では次に、カスタマーサクセスでよく使われる7つのKPIについて確認していきましょう。

1.解約率(チャーンレート)

カスタマーサクセスで活用される1つ目のKPIは「解約率(チャーンレート)」です。解約率が低いほど顧客数が増え、定期利益が増えることから、カスタマーサクセスチームにて最重要KPIとされることが多い指標です。

特に、サブスクリプションやSaaSビジネスにおいては、重視される指標です。

解約率には、顧客数をベースに考える「カスタマーチャーン」と、売上額をベースにした「レベニューチャーン」の2種類あります。単一プランの場合はカスタマーチャーンを、複数のプランがある場合はレベニューチャーンを指標にすることがおすすめです。

解約率の計算方法

カスタマーチャーン(%)=一定期間で失った顧客数/期間前の総顧客数×100

レベニューチャーン(%)=(解約により失った定期売上−アップセルなどで増加した定期売上)/期間前の定期売上×100

2.アップセル・クロスセル率

カスタマーサクセスで活用される2つ目のKPIは「アップセル・クロスセル率」です。

アップセルとは、現在利用しているプランよりも、より高いグレードへ変更すること。クロスセルとは、関連する商品やサービスを進めて購入してもらうことです。どちらも顧客単価を上げるための施策として使われることが多いことが特徴です。

アップセル・クロスセルをする顧客は、現在のサービスに満足していると考えられるため、カスタマーサクセスのKPIとしても用いられます。

契約形態や関連商材が複数あるときには、KPIに設定することもおすすめです。

3.オンボーディングの視聴率

カスタマーサクセスで活用される3つ目のKPIは「オンボーディングの視聴率」です。オンボーディングとは、サービスの使い方を教えるサポートプログラムのこと。

オンボーディングを視聴することで、サービスの使い方を正しく伝えられます。その結果、顧客満足度も上がり、より商品価値を知ることで上位プランへのアップセルや継続利用が期待できるようになります。

オンボーディングやチュートリアルを用意している場合は、視聴率を確認することもおすすめです。

4.顧客平均単価(LTV)

カスタマーサクセスで活用される4つ目のKPIは「顧客平均単価」です。

顧客の平均単価を上げることが、売上アップのために重要です。ブランドの商品に対して満足しているからこそ、複数の商品を購入すると考えられるため、カスタマーサクセスの指標としても使われます。

一方、LTV(ライフタイムバリュー)は、短いスパンで計測できるものではなく、PDCAをまわしにくいとされるため、カスタマーサクセスのKPIとして設定することは難しいケースも多いので注意しましょう。

顧客平均単価の計算方法

顧客平均単価=月または年度の総収益/総顧客数

5.アクティブユーザー数

カスタマーサクセスで活用される5つ目のKPIは「アクティブユーザー数」です。

サービスをアクティブに利用しているユーザーは、サービスに満足していると考えられます。また、アクティブでないユーザーは、サービスを解約する可能性も高いため、多くのユーザーをアクティブにさせることが重要です。

特にSaaSモデルの場合、実際に使用しているユーザー数は重要な指標になるでしょう。

アクティブユーザー数は、GoogleAnalyticsをはじめ、測定ツールを活用すると簡単に計測できます。

6.特定の機能の利用率

カスタマーサクセスで活用される6つ目のKPIは「特定の機能の利用率」です。

機能別の利用率を知ることで、ユーザーに必要とされている機能と、需要が少ない機能がわかります。利用率の低い機能はユーザビリティが悪い、そもそも需要がないなど何かしらの原因が考えられます。

カスタマーサクセスを進めるためには、顧客がつまずいている部分や活用されている機能を知ることも重要です。

特に複数の機能があるSaaSモデルの場合は、測定しておきたいKPIだといえるでしょう。

7.NPS

最後は「NPS」です。NPSとは、Net Promoter Score(ネットプロモータースコア)の略。顧客ロイヤルティを0〜10までの11段階で表すものです。

NPSは「利用しているサービスを同僚や友人に進める可能性」について尋ねるため、顧客満足度を直接的に確かめられます。カスタマーサービスやカスタマーサクセスについて測りたい場合は、どの業種でも測定するメリットはあるでしょう。

NPSはアンケートにて測定することが一般的です。

カスタマーサクセスのKPIが達成できなかった場合の対処法

「カスタマーサクセスでKPIを設定しているのに、全然達成できない……」という場合は、どうしたらいいのでしょうか。次に、KPIが達成できないときの3つの対処法を紹介します。

KPIが現実的なのか確認する 

KPIがあまりにも達成できない場合は、設定しているKPIが現実的なのか確認しましょう。
理想を追った高すぎる目標値を設定していて、達成することが困難な場合、チームの士気を落とすだけでなく、施策の効果を正しく測ることができません。

理想値はOKRとして設定し、KPIは現実的に達成できるものにしておきましょう。

KPIを確認する頻度を見直す

設定しているKPIが現実的かどうかは、チームの状況によっても異なります。状況は好転しているのに、一度設定したKPIを変えずに使い続けていては、前に進むことはできません。

定期的にKPIを確認し、現状に合わせた正しい数値になっているのか見直しましょう。

仮説検証を繰り返す

KPIを設定して測定しているだけではカスタマーサクセスを改善することはできません。現状からKPIを達成するための仮説検証を繰り返すことが重要です。

カスタマーサクセスを達成できるKPIを設定しよう

カスタマーサクセスは目に見えにくいからこそ、KPIを設定し、見える化することが重要です。

KPIを設定した後は、自社にあったKPIを設定できているのか、もっと自社にあったKPIはないのか、設定当初と比較してKPIは変更したほうがいいのではないか、といった点を定期的に見直しましょう。

目標のKPIを達成するためには、仮説検証を繰り返していくことが大切です。PDCAを回していく中で、自社にあった施策を見つけていきましょう。

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