リテンションマーケティングを成功させる3つのポイント・効率的なデータ分析の方法

近年注目されている「リテンションマーケティング」について、どのように実施するべきかか悩んでいる方も多いでしょう。本記事では、リテンションマーケティングの重要性から、成功させる3つのポイントを紹介します。
リテンションマーケティングを成功させるカギは、データ分析です。効率的な分析を行うことで、成功率を高めましょう。
リテンションマーケティングとは
まずは「リテンションマーケティング」の意味を確認しましょう。
「リテンションマーケティング」とは、既存顧客と継続的に良好な関係を維持していくためのマーケティング活動のことです。継続率を維持するため、解約率を下げるために行うマーケティング活動とも言いかえられます。
では、なぜリテンションマーケティングを行う必要があるでしょうか。
「1:5の法則」からわかるリテンションマーケティングの重要性
マーケティング法則のうちのひとつ、「1:5の法則」についてご存知でしょうか。1:5の法則のとは、既存顧客を維持するためのコストを1とすると、新規顧客を獲得するためのコストは5必要だということです。
つまり、既存顧客に販売する場合、新規顧客への販売の20%のコストしかかからないということです。
また、「5:25の法則」によると既存顧客の解約率を5%下げると、収益は最低でも25%改善されるといわれています。
すべてのケースでこれらの法則があてはまるわけではありませんが、一般的な法則として知られているほど顧客を維持することは収益へのインパクトがあるのです。
リテンションマーケティングを行う3つの目的
リテンションマーケティングは、端的にいえば「収益の増加」を目指すもの。大きく分けて以下の3つの目的があります。
- 顧客のロイヤリティを高め、LTVを向上させる
- 休眠顧客・離反顧客へもアプローすることで収益につなげる
- 口コミや利用データを分析し、商品やサービスの改善につなげる
集客コストカットによる収益改善だけでなく、様々な方向性からの収益増加を目指します。
リテンションマーケティングを成功させる3つのポイント

「既存顧客を定着させるために、何をしたらいいのかさっぱり検討がつかない」という方も多いでしょう。そこで次に、リテンションマーケティングを成功させるための3つのポイントを紹介します。
効率の良いデータの収集・分析
ひとつ目の成功ポイントは、効率よくデータを収集し、分析することです。リテンションマーケティングで重要なことは、「データ」。施策をする根拠となるデータを収集し、分析することからすべてが始まります。
「顧客データはとりあえず集めてはいるけれど、ほとんど活用していない」「データが多すぎて、何をどう活用したらいいのかわからない」という方も多いでしょう。後ほど、データを分析する方法について詳しく解説します。
リテンションマーケティングには顧客データが重要なことは覚えておきましょう。
ロイヤルカスタマーへと育成・維持する
リテンションマーケティングを成功させる2つ目のポイントは、顧客をロイヤルカスタマーへと育成することです。
ロイヤルカスタマーとは、単に売上上位の顧客のことではありません。商品やサービス、ブランドのファンであり、第三者にも勧めてくれる顧客のことです。ロイヤルカスタマーは、ブランドへの信頼があり、ファン化しているため、新商品を発売したらいち早く購入し、好意的なコメントを広めてくれます。
一度に使う金額が多くなかったとしても、継続利用してくれるためLTVが高いことも特徴です。企業によっては、売上の8割を、全顧客の2割であるロイヤルカスタマーが占めている、なんてところも。
ロイヤルカスタマーへと育成するためには、
- アフターフォローやカスタマーサービスの充実
- 継続的にコミュニケーションをとる
- 感動を生むサービスや、特別な待遇、体験を提供する
ことなどが施策として挙げられます。要は、顧客満足度を上げることです。
企業によってロイヤルカスタマーの定義は異なるため、自社で定義を設定し、ロイヤルカスタマーの増減を計測することがおすすめです。
顧客にパーソナライズした訴求を行う
リテンションマーケティングを成功させる3つ目のポイントは、顧客一人ひとりにパーソナライズした訴求を行うことです。
先ほど紹介した「ロイヤルカスタマーの育成」には、このパーソナライズした訴求が欠かせません。なぜなら、商品やサービスに満足していたとしても、「感動」がなければ「ファン」にはなりえないからです。
顧客の心を動かすためにも、一人ひとりにパーソナライズした接客や体験を提供する「One to Oneマーケティング」を行うことで、カスタマーディライト(顧客感動)を達成しましょう。
リテンションマーケティングにおけるデータ分析の方法
これまで説明した施策を行う上で重要なのは「データ分析」です。顧客にパーソナライズした訴求を行い、ロイヤルカスタマーへと育成するためには、顧客一人ひとりにあわせたアプローチが重要です。
データを活用することで、より深く顧客についての理解を深めていきましょう。

参考:https://www.synergy-marketing.co.jp/blog/what_is_retention_marketing
STEP1.データを収集・管理する
リテンションマーケティングを開始する際は、まずは顧客データを収集することから開始します。CRMやSFAなどのシステムを導入することで、収集・管理するコストを削減できます。
STEP2.データ分析の前に仮説を立てる
収集した大量のデータは、ぼんやりと眺めていても意味がありません。かといって、やみくもに共通点を探していくのはNG。思いつきで進めてしまうと、意味のない分析をしてしまい、「結局分析結果が活かせなかった……」なんてことにもなりかねません。
有限な時間を活用するためにも、データ分析の前には仮説を立てるようにしましょう。
STEP3.データ分析を行い仮説検証を行う
仮説を立てた後、仮説検証を行うために、STEP1で集めたデータを分析していきましょう。
STEP4.顧客についての理解を深める
仮説検証を行うことで、顧客についてより深く理解していきましょう。「性別」「年齢」「地域」「購買チャネル」など簡単に分類できるセグメントだけでなく、ロイヤルカスタマーとそれ以外の人の違いを把握することがポイントです。
STEP5.顧客にあわせたアプローチを行う
どのようなセグメントの人が、どのようなきっかけでロイヤルカスタマーになっているのか条件がわかると、他の顧客にも展開できます。それぞれの顧客に合わせたアプローチを行い、リテンション率が上がっているのか確認し、施策と検証を繰り返しましょう。
リテンションマーケティングを実施するためにデータを揃えることから始めよう
リテンションマーケティングを実践するためには、まずはデータを揃えられる環境作りから始めましょう。必要なデータを集め、着目点を見出すことが重要です。
株式会社モンリッチでは、リテンションマーケティングを行っていくためのソリューションも提供しています。「リテンションマーケティングをどのように進めていけばいいのか、まったくわからない」という場合は、私共にご相談いただければと思います。
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