個人の信用情報の蓄積を促す。リファレンス特化ビジネスSNS「Parame」の顧客体験の作り方とは

個人の信用情報の蓄積を促す。リファレンス特化ビジネスSNS「Parame」の顧客体験の作り方とは

採用候補者の友人や同僚など、採用候補者をよく知る直接の知り合いからの評価を取得できるオンラインリファレンスチェックサービス「Parame Recruit」。

コロナ禍によりオンライン面接が増加しているという背景のなか、採用候補者の人となりやパーソナリティーを深く知りたいという企業も増えてきているとのこと。

ビジネスSNSと連動したサービスとして、どのように顧客体験の向上を図っているのか株式会社Parame代表の岡野様に伺いました。

インタビューイーについて

個人の信用情報の蓄積を促す。リファレンス特化ビジネスSNS「Parame」の顧客体験の作り方とは_インタビューイー

代表取締役 岡野亮義 様

上智大学卒業後、株式会社アクセンチュアへ入社。先端テクノロジーを用いた新規事業の実証実験プロジェクトに従事。

2020年2月に株式会社Parameを創業し、推薦SNS「Parame」、リファレンスチェックサービス「Parame Recruit」をリリース。

面接で知れない能力を知る、第三者からの推薦SNS「Parame」

まず、貴社のサービスの概要を教えてください。

Parame(パラミー)」は、自分の事をよく知る、ご友人や前職の上司、プロジェクトメンバー達と推薦文を書きあえるビジネスSNSです。

登録ユーザーの方に届いた推薦内容をもとにAIアルゴリズムが解析し、性格や長所・短所に関するデータを算出します。

ユーザーの方の学歴や職歴といった情報に加えて、実際に働いてみないと分からないようなパーソナリティーを知ることが出来る点が特徴のサービスです。

「Parame」自体は上述のようなビジネスSNSですが、法人向けサービスとしてオンラインリファレンスチェックサービスの「Parame Recruit」を提供しています。

こちらは、企業の採用担当者の方が「Parame」上に蓄積されているリファレンスデータをもとに、採用候補者の方の性格や職務遂行能力が自社の求める人材像とマッチしているかという、いわゆるリファレンスチェックができ、採用時のミスマッチリスクを最小化出来るサービスです。

実際の採用シーンで利用時に、採用担当者の方で「前職の上司」など、どのような関係値の方に推薦を記載いただくかは指定することが可能で、推薦をお願いする第三者は、推薦記載前に「Parame」アカウントを所有していなくても質問内容に回答することができるようになっています。

「Parame Recruit」の最大の特徴は、一度もらったポジティブなリファレンスデータがそれぞれのユーザーの方にストックされることで、採用候補者としては、今まで1回限りの使い捨てであったリファレンスチェック時のデータを再利用することができ、今後のビジネスシーンで自身の信用補完として役立てることが出来ます。

数値データとしての定量的な評価に加え、具体的な業務中のエピソードなど定性的な情報も蓄積されていくので、面接中にたどり着けない情報までリーチすることができます。

「Parame Recruit」料金プランはご利用環境に合わせ、1リファレンスチェックあたりでの従量課金制と、月額課金制の2プランからお選びいただけます。

また、2020年12月より「Parame Recruit」内に人材募集を掲載でき、応募が来たParameユーザーに対してリファレンスチェックができるという機能も提供開始しております。

ビジネスSNS「Parame」自体は無料でご利用いただけます。

個人の信用情報の蓄積を促す。リファレンス特化ビジネスSNS「Parame」の顧客体験の作り方とは_サービス

参考:https://parame.jp/recruit

信用指標テクノロジーを、採用活動の課題解決に役立てる

なぜ現在の取り組みを始められましたか?

日本国内ではまだまだマーケットが成長段階だと思いますが、アメリカや中国を始め、海外では個人の信用情報をAIでスコアリングし、様々な経済活動を効率化することは活発に行われており、個人的にそのテクノロジーについて注目していました。

一般的に信用データといえば金銭的な支払い能力に関する情報か、どんな職務スキルがあるのかというパーソナリティーに関わる情報に二分されるかと思います。

日本国内の市場では、「LINE Pay」や「メルペイ」など大手企業がQRコード決済データから信用情報を算出する取り組みを行っていますよね。

そういった大手企業でないと支払い能力に関するビジネスは難しい一方、パーソナルなデータのスコアリングであれば、ベンチャー企業としても取り扱いできるのではないかと考えたことが「Parame」誕生のきっかけです。

そういったパーソナルなデータに最も価値を感じていただけるのは企業の人事部門ではないかと推測し調査したところ、面接に難しさを感じている方が多く、そこにニーズを見出した形です。

個人の信用情報の蓄積を促す。リファレンス特化ビジネスSNS「Parame」の顧客体験の作り方とは_推薦

参考:https://parame.jp/recruit

ストックされるリファレンスデータを簡単に効率的にフル活用していただく

それでは当メディアの特徴であるCXに関してお伺いします。現在どのようなCXを上げる取り組みをされていますか?

繰り返しになりますが、「Parame Recruit」の特徴は、推薦状によるリファレンスデータがそれぞれの個人アカウントに蓄積されていくことです。

それにより人事・採用担当の方が採用候補者を参照する際に、一定の情報は一目で閲覧することが可能で、不足している情報だけを追加で質問するだけでリファレンスチェックを行えます。

採用活動を効率化していただけることが最大のCX改善だと考えているので、この点においては今後も引き続き注力していきたいですね。

また、推薦状を書く際になかなかネガティブな情報を書きにくいという方への配慮として、弱みやリスク面に関しては採用候補者の元に届かないように設計しています。

ネガティブ情報を閲覧するのは、採用担当者と推薦状を作成いただいた方のみとなるので、双方気兼ねなく利用いただける環境を維持できていると思います。

あとは、それぞれの作業から煩わしいものをなるべく排除し、簡単にご利用いただけるツールにすることも重要です。

推薦状をお願いされた方は「Parame」アカウントを所有していなくても採用担当者の方から送られてくるURLから簡単にアカウントが作成され、スマートフォンからでもPCからでもすぐに回答することが可能です。

アカウント作成においても特別なセットアップ等を不要にしており、全てのユーザー様が快適に簡単に操作できるようにUI/UX設計を行っています。

個人の信用情報の蓄積を促す。リファレンス特化ビジネスSNS「Parame」の顧客体験の作り方とは_評価

参考:https://parame.jp/recruit

「Parame」で個人の信用を補完できる仕組みを他領域にも広めていきたい

最後に、今後の取り組みと「Parame」を通じて実現したい思いをお聞かせください。

現在ご利用いただいているユーザー様から、採用候補者の方の入社後のオンボーディングや配属先の決定、日々のコミュニケーションにいたるまで、「Parame」を役立てていただいているというお声を頂戴することも多くなってきました。

現在は「採用」という領域にフォーカスしたサービスですが、今後は入社後も評価が蓄積されるような仕組みを作り、360°評価などに役立てていただければ面白いと考えています。

それを次の転職機会にも活用することができれば、より継続利用のメリットが出る一貫したサービスになるので、ぜひとも進めていきたいです。

またゆくゆくは、婚活などのパーソナルデータを活かせる分野であったり、金融系サービス企業とタイアップしてローン審査に関わる分野であったりといった、人材・HR領域を飛び越えた市場にもチャレンジしていきたいと考えています。

当社のミッションでもある「個人の信用のアップデート」を様々な分野に導入し、個人の信用を補完することで人々の生活をより豊かにしていきたいです。

今までは学歴や職歴などで判断されることが一般的でしたが、知らない人を判断するのには「Parame」を使うのが当たり前という世界を作っていきたいですね。

個人の信用情報の蓄積を促す。リファレンス特化ビジネスSNS「Parame」の顧客体験の作り方とは_Parame

参考:https://parame.jp/lp

編集後記

「Parame」というサービスを通して、世の中の当たり前をつくりたいといった明確なヴィジョンがすごく伝わったインタビューでした。

これまでは学歴や職歴などで、知らず知らずのうちに可能性を閉ざしていた人も多かったのかもしれません。

採用に関するミスマッチのリスクが抑えられるだけでなく、「Parame」をきっかけに自分に最適な環境に出会える人も増えていくことでしょう。

岡野様、お忙しい中インタビューにご協力いただきありがとうございました。

 

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