人間味が提供するネクタイのサブスクリプション「スマタイ」|ユーザーのペインを解消するCXとは

人間味が提供するネクタイのサブスクリプション「スマタイ」|ユーザーのペインを解消するCXとは

今回は、「あなたのためにスタイリストが選ぶネクタイのサブスク」というコンセプトを掲げるサービス「スマタイ」を今年3月から始めた人間味さんの栗田さんにお話を聞いてきました。

インターネットが進むからこそ、人柄が大切になってくるであろうと考える栗田さんが目指す世界とは?

スマタイが解消するユーザーのペインは?その先にあるカスタマーサクセスは?その過程における顧客体験(CX)について、株式会社人間味の代表、栗田さんにお話を伺いました。

インタビューイーについて

栗田匠様

ネクタイ業界を守り続けたい 人間味が提供するネクタイの新しい形「スマタイ」_栗田匠様

国内No.1のネクタイ会社に入社し、企画営業職としてセレクトショップやアパレルなど様々な業態を担当。

2019年8月より「株式会社人間味」を創業。 「人間らしい人間味のある仕事をする」を理念として掲げる。

衰退していくネクタイ業界に新しい風を吹かせたいという思いから、ネクタイ改革人として、2020年3月よりサービス「スマタイ」を開始。

あなたのためを考えているネクタイのサブスク「スマタイ」

まず、貴社のサービスの概要を教えてください。

事前の簡単なアンケートをもとに、スタイリストがネクタイを選び、それをお客様の自宅のポストまでお届けするというサービスです。

ネクタイ業界を守り続けたい 人間味が提供するネクタイの新しい形「スマタイ」_スマタイ

ネクタイを借り放題でレンタルすることができるうえ、気に入ったアイテムは自分のものとして買い取ることができるということが、このサービスの強みとなっています。

スタイリストに、ネクタイのコーディネートについてLINEで簡単に相談することができるので、通常だったら難しいネクタイの選びをこのサービスがサポートしてくれます。

一番の強みというのは、どういう部分でしょうか?

時間のないビジネスマンの方にネクタイを買いに行くという手間だけではなく、ネクタイをコーディネートするという2つのポイントを改善するために、このサービスを提供しています。

つまり、スマタイはネクタイという「モノ」を提供するだけではなく、忙しいビジネスマンの「コト」をする時間を作るお手伝いをすることです。

購入にかかる費用と毎朝のコーディネートに悩まされることがありません。

ネクタイ業界を守り続けたい 人間味が提供するネクタイの新しい形「スマタイ」_ステップ

プランはどういうものがあるのでしょうか?

ライトプランとスタンダードプランの2種類がございます。

ライトプランではイージーケア(ポリエステル)のネクタイが全部で30種類ほどでネクタイの無料交換は3ヶ月に1回することができます。

スタンダードプランでは、京都/イタリアの厳選した生地のシルクネクタイが全部で150種類ほどでネクタイの交換は何回でも可能です。

また月に1回までは無料交換することができます。

スタンダードプランを利用する方が実際には多いです。

ネクタイ業界を守り続けたい 人間味が提供するネクタイの新しい形「スマタイ」_料金プラン

自分に合うネクタイを選ぶ手助けをしたいという想い

なぜ現在の取り組みを始められましたか?

ネクタイの購入は非常にミスマッチが多いです。

ネクタイというのは1本10,000円を軽く超えるものである上に、きちんとしたお店で買おうとすると店員がすぐに来てしまうなど、どうしても買いに行く若者にとっては敷居が高いものです。

また、行ったとしてもお店には200本から300本のネクタイがあり、そこから自分に合うものを選ぶのは大変です。

結果として、20本〜30本のネクタイを持つ人はいるものの、実際に使うのは2〜3本という人が多くいます。

その課題を解決し、自分に合うネクタイを多くの人に利用してもらいたいと思い、スマタイを始めました。

ユーザーに合うネクタイのために、スタイリストがユーザーさんのアンケートをもとに選んでいます。

ネクタイ業界を守り続けたい 人間味が提供するネクタイの新しい形「スマタイ」_特徴

ネクタイにかける想いというのは?

ネクタイはスーツにおける黒子役です。

業界内では、前に出ていこうという人はなかなかいないため、自分が出ていって、なんとかこの現状を変えたいと思っています。

業界がなくなってしまうということを問題視し、なんとしてもネクタイ業界を存続させたいという思いから、この事業を始めました。

人間味が選ぶネクタイとは?

メイドインジャパンのネクタイに拘っています。

その中でも京都の昔ながらのモノづくりが好きでシルク産地として有名な丹後や西陣で生地を織り、宇治の縫製工場で1本1本丁寧に熟練の職人により仕立てています。

産地、糸染め、糸繰り、織り、縫製というそれぞれの部分にこだわりを持っています。

根底として、良いものを売っていきたいという気持ちがあるがために、このようなネクタイを職人と作り上げております。

ネクタイ業界を守り続けたい 人間味が提供するネクタイの新しい形「スマタイ」_京都丹後

職人さんに対する想いというのは?

伝統の技術を守っていきたいという信念のもとで京都のネクタイ職人と協力して商品の提供をしております。

職人の方は高齢の方が多く、どうしてもECや新しいテクノロジーを活用し切ることに苦戦している方が多いです。

だからこそ、自分が立ち上がり、なんとしても良い職人の技術・作り手の存在を守りたいと思っています。

人間味という名前にこだわるその理由とは?

人間としての味があれば、状況が変わっても、力を貸してくれる人は必ずいると思います。

以前、自分がネクタイの会社をやめ、スマタイを始める時にも、協力してくれる人がいました。

同じネクタイ業界であるにも関わらず、しっかりと力を貸してくれる姿を見て、やはり大切なのは、人間としての味だと思いました。

だからこそ、この人間としての味に拘りたいと思ったのです。

ネクタイ業界を守り続けたい 人間味が提供するネクタイの新しい形「スマタイ」_ロゴ

いつでもユーザーのそばでフォローしてくれるスマタイ

それでは、当メディアの特徴であるCXに関してお伺いします。現在どのようなCXを上げる取り組みをされていますか?

先ほども申し上げたように、LINEで細かい相談をすることができます。

以下のように簡単なステップで、ユーザーさんが気軽に質問しやすいようなサービスになっています。

  1. スマタイ公式LINEよりスタイリスト相談をクリック。
  2. スタイリスト一覧から相談したいスタイリストを友達追加。
  3. スタイリストとLINEでのやりとりが可能。

LINEでは、今後のデザインの要望や返品の期限について、気軽に聞くことができます。

ネクタイ業界を守り続けたい 人間味が提供するネクタイの新しい形「スマタイ」_LINE

若い人にとってネクタイをどのように選ぶということは大きな課題でもあります。

そのため、スタイリストが考えたスタイリングシートを配布することで、出来る限りお客様に寄り添ったサービスにしていこうとしています。

職人の技術をしっかりとお届けする

お客様のもとにネクタイをお届けするまでワクワクしてもらえるようにあえて、全ての商品を見せていません。

その分、商品に対しての思いや作りの良さを伝えていけたらいいなと思います。

その中でのブランディング、職人さんの顔が見えるネクタイの提供をしていこうと思っています。

ネクタイの生産過程の映像を公開することでブランドの透明性をお客様に示し、わたしたちの商品が本当に良いものであると理解してもらうことを目指します。

ネクタイ業界を守り続けたい 人間味が提供するネクタイの新しい形「スマタイ」_職人さん

ユーザーの目線に合わせた取り組みを今後も届け続けたい。

今後どのような取り組みをしていきたいですか?

新しいこととしては、スマタイでお客様にご提供している「MAN ABOUT TOWN」というネクタイ等のプライベートブランドのオンラインサイトを作成してそちらで定価での販売をしていきます。

その中で、定価の新品、スマタイでの中古品(A,B,Cというレベル分け)を今後サイト内で販売きるようにしていきたいと考えています。

そこにスマタイのサブスクという三段階を考えています。

こうすることで、ユーザーは様々な販売手法の中から自分に合った形でネクタイを買うきっかけを持ちやすいと思います。

そのような取り組みの根幹になるのはどういうものですか?

今後大切になってくるのは、コンセプトやビジョンに一番共感するものを届けていきたいと思っています。

つまり、一言で表すならば、 ファンをつける。そういったことを目指していきたいと思います。

今重要視している機能面の次は、体験面でのフォローをしていきたいと思います。

その一貫として、オフラインでのイベントをしたいと思います。Face to faceの繋がりを作れるような場所をイメージしています。

そのコミュニティにいたら、新たな発見があるからこそ、スマタイというサービスを使いたいと思ってもらえるようなことを目指していきたいと思っています。

ネクタイ3本以上の価値をしっかりと提供できるようになりたいと思います。

ネクタイを守りたいという高い志

それでは最後に、栗田様のスマタイの事業を通じて実現したい想いを、お聞かせください。

自分が今後も重要視しているのは、次の三つです。

  1. ネクタイの文化を守る。
  2. ネクタイ職人の伝統を消さない。
  3. 良い体験を届ける。

クールビズや私服での勤務が増加しています。ですが、ネクタイの良さというのは変わらず存在し続けます。

今まで積み上げてきた職人の技術などを決して無くしてはいけません。

今後は、オウンドメディアを作り、職人さんたちのインタビューなどを掲載し、職人さんの顔、想いをしっかりと届けていけるような存在になっていきたいと思います。

ネクタイ職人の伝統、世界観を知ってもらった上で、ネクタイの良さを感じてもらう体験を提供し続けたいと思います。

編集後記

ネクタイをしっかりと残したい。

この言葉の重みというのを、強く感じたインタビューでした。

ネクタイ会社に勤めたときの恩があるからこそ、それをしっかりと残すために、自分が動き続けたいという信念を強く感じました。

その想いがあるからこそ、デジタル社会の流れにしっかりとマッチしている「スマタイ」をしているのだと思いました。

強い信念のもと、新しい事業を始めていく姿には今後も目が離せません。

栗田様、お忙しい中インタビューにご協力いただきありがとうございました。

 

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