ホステル泊まり放題サブスクサービス「Hostel Life」のCX向上への取り組み

株式会社Little Japanが提供する、全国のホステルに月15,000円〜で泊まり放題になるサブスクリプションサービス「Hostel Life」。
地域資源を生かしたビジネスの創造による、地域創生ミッションの一貫としてスタートされたとのこと。
多彩な経歴を持つ同社代表の柚木様に、サービスが生まれたきっかけやCX向上のポイントについてお話を伺いました。
インタビューイーについて

株式会社Little Japan 代表取締役社長 柚木理雄 氏
幼少期を過ごしたブラジルをはじめ、これまで40ヵ国以上の国を訪問。
京都大学・同大学院を卒業後に農林水産省に入省したのち、株式会社Little Japanを設立。
現在はNPO法人芸術家の村理事長を兼任するほか、中央大学特任准教授としても活躍中。
企業HP:http://www.littlejapan.jp
Hostel Life HP:https://hostellife.jp
芸術家の村HP:http://social-artist-village.org
自由な多拠点暮らしを実現する「Hostel Life」
まず、貴社のサービスの概要を教えてください。
「Hostel Life」は、「ホステルパス」というメンバーカードを持つことで、当社が提携する全国のホステルに泊まり放題になるサービスです。
ご利用方法やライフスタイルにあわせて2種類のプランを用意しており、長期の旅行者や、家を手放して全国を旅するように暮らしたい方向けの「ホステル暮らしパス」は月45,000円〜。
自宅を本拠点とし、ホステルを併用することで二拠点居住をしたい方向けの「二拠点パス」は月15,000円〜というお手頃な値段でご利用いただけます。

参考:https://hostellife.jp/price
ホテル暮らしとの最大の違いは、なんといっても同じホステルに宿泊する人やスタッフ、その地域の方々との出会いがある点ですね。
私自身も全国を旅しながら仕事をしているのですが、その出会いがきっかけで普段出会わない方達と知り合えたり、ビジネスに繋がったりという機会をたくさん経験しています。
またホステルと聞くと複数人が相部屋に泊まるタイプのものをイメージされる方も多いと思いますが、「ホステル暮らしパス」であれば、個室ホステルに宿泊することができるプランもあるので、ご希望に合わせて柔軟なライフスタイルを実現可能です。
新型コロナウィルスにより、移動を控える方が増えたことで一時的にユーザー数が減少しましたが、その後リモートワークやオンライン授業を選択しやすくなったことが要因となり、結果的にユーザー数は増加しています。

参考:https://hostellife.jp/#situations
より自由なライフスタイルを手に入れるきっかけを創出したい
なぜ現在の取り組みを始められましたか?
そもそものきっかけは農林水産省時代、「日本のよくないところをビジネスで改善したい」という思いを抱いたことです。
私は小学校3年生までブラジルで過ごし、その後日本に帰国したのですが、学生時代から「みんなが同じことをやらなければならない」という日本の生活習慣に息苦しさを感じており、大学在学時もバックパッカーとして海外を転々としていました。
そんな生活を送るうちに「日本によくないところがあるのであれば、自分が改善しよう」と思い立ちました。
それを最もダイレクトに実現できる場所は官公庁ではないかと考え、大学院卒業後、農林水産省に入省しました。
しかし農林水産省で働きながら個人でもNPOを設立し、実際に様々な事業に触れてみると、現場で個性を発揮して新たな価値を生み出すプレイヤーが非常に少ないことに気付いたんです。
そこで、行政側から変化を促すのではなく、自らがプレイヤーとなって変えられるところを変えていこうと思い、2017年に会社を設立しました。
「Hostel Life」を始めたのは、東京一極集中に問題意識があり、移住は難しくとも、2拠点・多拠点生活によって地域に関わる人が増えたらと考えたからです。
また、2017年頃から問題となってきていたホステルやホテルの供給過多解消の一助にもなると考えたためです。
私自身普段からこのサービスを利用しているのですが、完全な移住ではなく、一定期間ホステル暮らしをすることは、多くの方にとって非常に良い刺激になると感じています。
自由な環境やライフスタイルを求める方達はもちろん、これまで職場や学校の近くという基準で拠点を選んでいた方にとっても、自分自身の生活のあり方を考える良いきっかけとなればいいなと考えています。

提携ホステルの個性を活かしながら連携を深める
それでは当メディアの特徴であるCXに関してお伺いします。現在どのようなCXを上げる取り組みをされていますか?
ご利用いただいているユーザーのみなさんとはもちろんのこと、提携ホステルのみなさんとの信頼関係も大切にしています。
ユーザーのみなさんとの関係性で言うと、初めてご利用いただく方には必ず直接ご説明させていただいています。
WEBで申し込みまで完結できれば効率的で、利用者さんも増えるかもしれないのですが、やはりどうしても、WEBだけでは実際の利用の様子がイメージしづらいとのお声をいただくためです。
また、初回のご利用を終えられた方には、ヒアリングを実施し、その後のご利用をよりご満足いただけるよう努めています。
提携しているホステルのみなさんとは密にコミュニケーションをとり、より良い滞在体験を届けていただいています。
それぞれのホステルが持っている個性や特色を最大限活かすことを念頭に置き、「ただ泊まるだけの場所」以上の価値を提供できるよう努めています。


参考:https://hostellife.jp/#voices
新たなビジネスや働き方の機会創出で、幅広いライフスタイルを提案したい
それでは今後の取り組みに関してお聞かせください。
現段階では東京都周辺に在住の方にご利用いただく機会が多く、全国的には主要都市を中心に拠点を設けています。
しかし、私自身が利用している上で主要都市以外のところにも泊まってみたい気持ちが強くなったことと、旅をしながら暮らすスタイルの方のニーズに対応するために、今後はさらに提携ホステルを増やしていきたいと考えています。10月は10以上の提携ホステルが増加しました。
地方には仕事がないというイメージを持たれがちですが、そんなことは全くありません。
定住先で自然と新たなビジネスが発生することが多く、定住場所に縛られない働き方も今後ますます一般的になってくると感じています。
今後はビジネスマッチングを活性化させる拠点としてご利用いただける仕掛けを作っていこうと考えています。
最後にホステルのみなさん・ユーザーのみなさんに対しての想いをお聞かせください。
提携させていただいているホステルのみなさんとは、滞在先でいつも楽しく仲良くさせていただいており、本当に感謝しています。
私自身もよく提携ホステルに滞在しておりますので、これから「Hostel Life」の利用を考えておられるみなさま、現地でお会いできる機会を楽しみにしております。

参考:http://www.littlejapan.jp/long-stay
編集後記
新型コロナウィルスの影響により、多くの方が新しい働き方を取り入れ始めています。
こういった状況に「Hostel Life」が提案するライフスタイルは非常にマッチしており、今後ますます多くの出会いや価値を生み出していくのではないかと感じました。
柚木様、お忙しい中インタビューにご協力いただきありがとうございました。
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