スピード上場を果たした株式会社リンクバル。新規事業へのスピード感とCX戦略

設立3年4ヶ月で上場を果たした株式会社リンクバル。「machicon JAPAN」を中心とした出会いや婚活を支援するサービスを多数提供する企業です。
そんなリンクバルから、今年新たにリリースされたのが「V BAR」と「5minutes」。
2020年3月、4月と立て続けにサービスをリリースした同社が、こんなにも速くサービスを出せる理由や新規事業のCXへの取り組みなどについて、マーケティング部の部長、石橋様にお話を伺いしました。
インタビューイーについて

マーケティング部部長。
広告代理店で様々な大手企業のウェブマーケティングやプロモーション戦略に従事。
現在はリンクバルでマーケティング、ブランディング及びクリエイティブディレクションを担当。
どんな状況でも最適なつながりを提供するために常に前進し続ける

まず、貴社のサービスの概要を教えてください。
machicon JAPANは、200万人近くの独身男女の会員がいるイベントECプラットフォームです。
婚活パーティー、異業種交流会、趣味コンなど様々なイベントを毎月2万件以上掲載しています。
イベント開催パートナーとなる企業が200社ほどおられ、いろいろな企業様にイベントを開催していただいています。
現在は、オンラインのイベントに注力していて、それが「V BAR」と「5minutes」です。

V BAR(ブイバー)は、100人規模のイベントが開催できるオンライン飲み会です。リモートで婚活や合コン、飲み会などを開催しています。
規模の大きいイベントが多数開催されており、ワイワイしたいユーザー様が多く参加されています。
たくさんの参加者が集まることが多いため、さまざまな方と気軽に対話できることが特徴です。

5minutes(ファイブミニッツ)は、1対1で異性と交流ができ、5分間ごとに新しい相手と交流できるサービスです。
こちらはブイバーよりももっとしっかりとひとりひとりと向き合いたい、まじめに婚活したいという方向けのサービスになっています。
ワイワイした場よりも静かな空間で話したいというニーズに対応しています。
「アイデア×テクノロジー」で実現する世界

なぜ現在の取り組みを始められましたか?
コロナ渦でオフラインイベントを自粛せざるを得ない状況になり、なんとか会員の方に自宅にいても出会いを楽しんでもらいたかったからです。
そもそも街コンジャパンの取り組みを始めたのが3.11のあと。震災で街に活気がなくなっているときに、街を盛り上げたいという想いで立ち上がったものです。
現在もコロナウイルスの影響で街に活気がなくなり、さまざまなイベントに参加していただいていた会員様も婚活の場や楽しむ場を失っています。
このような状況下で自分たちがやるべきことを考えたときに、オンラインでイベントを楽しめるようなサービスを早急にリリースすることが重要だということになりました。
リリースのタイミングがかなり早かったと思います。なぜこんなにもスピーディーにリリースできたのでしょうか?

参考:https://linkbal.co.jp/who-we-are/
私たちのミッションは、「アイデア×テクノロジー」で新しい価値を創出し、顧客満足と企業成長を追求し続けることです。
街コンというとアナログのイメージが強いかもしれませんが、弊社には技術者も30〜40人在籍し、テクノロジーカンパニーとしての自負があります。
課題に対してスピーディーに改善をすることでユーザーさんに満足いただいたことが、これまでの大きな成長にもつながっています。
とにかく形にして出すことを重視し、実際にユーザー様に使っていただいたうえで改善をすることを前提にしています。
このように、会社としてのミッションとそれを実現する人材が揃っていることが、スピード感を持ってサービスをリリースできる要因です。
テクノロジーと顧客対応でCXを向上
それでは当メディアの特徴であるCXに関してお伺いします。現在どのようなCXを上げる取り組みをされていますか?

V BARは、いかに大人数でも出会いを楽しめるかを追求しました。
先ほどもお伝えしたように、私たちはテクノロジーカンパニーです。
zoomや他のテレビ会議システムではなし得ないUI/UXを実現したことで、私たちにしかできないCXを提供できているのではないかと考えています。
5minutesは、コストを抑えるために司会進行役を介さない婚活イベントを追求しました。
いわゆる回転寿司方式の1対1で会話を楽しめる仕組みをデジタルで実現しています。自動で1対1の部屋を作っていくシステムは他にはありません。
CXを上げるために継続的に行っていることはありますか?
ユーザーの声を聞くことです。
いい声は嬉しいですが、悪い声にできるだけ耳を傾けて改善が必要なものにすぐ取り掛かること。これが一番CX向上につながります。
そのため、参加してくれたユーザーには必ずアンケートを送っています。それを返してもらうことでユーザーの声を拾っています。
サービスのリリースが早い分、UXが万全でない状態で出すことも多いです。
ユーザー様から寄せられたご意見の一覧をみんなで眺めて、優先順位をつけて対応するようにしています。
オンラインをオフラインに組み込むことでさらなるCXの向上を目指す
今後どのような取り組みをしていきたいですか?

参考:https://linkbal.co.jp/service/
これだけオンラインで楽しめるものを提供していますが、やはり五感で楽しめるオフラインイベントの満足度には勝てません。
そこで感じる全体の雰囲気や匂いなど、オフラインじゃないとダメな部分もあります。
ただ、オフラインで出会う前のティザーという位置付けで、オフラインで出会う前の期待値をあげるサービス、オフラインで出会う前の新たな文脈づくりとしては大きな意味があると思っていて、位置付けを変えて展開していきたいです。
オンラインのケアンズツアーや日韓交流会は、実際に現地を訪れる前に様々な現地の情報をオンラインならではの形で提供し、コロナ収束後を楽しみにしていただいています。
オフラインイベントの前夜祭もそうです。いきなりオフラインイベントで出会う前にさまざまな文脈をオンラインでつくることによって、オフラインの出会いをより楽しめるサービスにしていきたいです。
サービスを通じて、人と人、人と世界をつないでいく
それでは最後に、石橋様の事業を通じて実現したい想いを、お聞かせください。
私たちのミッションは「 世界をつなぐ。」です。
イベントECサイト『machicon JAPAN』の急成長により、設立3年4ヶ月というスピーディーな上場を成し遂げましたが、現在はテクノロジーによる収益性向上や新規サービスの開発によって、更なる急成長に挑戦しています。
これまで私たちはスクラップ&ビルドでやってきました。カスタマージャーニーを作って細かく仮説立案や検証みたいなことはしていません。
いったんリリースできる形にして、お客さんの声を聞いて改善していくことがCX向上の一番の近道だと考えています。
これからもユーザーの声を聞きながらさまざまなサービスをリリースしていきたいと思います。
編集後記
「machicon JAPAN」をはじめ、多数のサービスを展開する株式会社リンクバルのマーケティング部部長、石橋様にお話を伺いました。
アイデアをテクノロジーで素早く実現することで、ユーザーのニーズに素早く応えていく企業姿勢はすばらしいの一言です。
そして、ユーザーの声を丁寧に拾うこと、課題に対してスピーディーに対応することで顧客体験を向上させているのがよくわかりました。
今後もたくさんの便利なサービスを展開されていくのが楽しみです。
石橋様、お忙しい中インタビューにご協力いただきありがとうございました。
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