実験カンパニー・ハコスコが生み出すVRの未来と顧客体験(CX)

実験カンパニー・ハコスコが生み出すVRの未来と顧客体験(CX)

2014年設立、VR体験に必要なサービスをワンストップで提供する株式会社ハコスコ。

VRゴーグルを広告媒体に利用するVRプロモーションや小売販売を通じ、一般消費者にも広く認知・利用され、国内最大規模のマーケットシェアを獲得。

創業者・CEOの藤井直敬氏(医学博士)は社会脳研究の第一人者。眼科医、マサチューセッツ工科大学(MIT)研究員、理化学研究所の適応知性研究チームリーダーを経て、現職。

今回は、創業者を中心とした研究開発チームとユーザーをつなぐ役割でもあるカスタマ―サクセスマネージャー・建川穂波氏にインタビューをしました。

どのようにサービスと顧客体験(CX)を作り込んでいるのでしょうか。

インタビューイーについて

実験カンパニー・ハコスコが生み出すVRの未来と顧客体験_インタビューイー

株式会社ハコスコ サービス管理部 部長/カスタマ―サクセスマネージャー:建川穂波氏

国内企業でQAエンジニアをご経験後、現職。

ワンストップから生まれる新しいVRの形

まず、貴社のサービスの概要を教えてください。

実験カンパニー・ハコスコが生み出すVRの未来と顧客体験_サービス

ハコスコは、VRソリューション事業を中心に手掛けています。

従来VR(Virtual Reality)は、様々な装置が必要で簡単に使えないという課題がありました。

特に、VRを体験するためのHMD(ヘッドマウントディスプレイ)の装着が大がかりで。

それをダンボール化し、スマホアプリで簡単に体験できるようにしたのが「ハコスコ」であり、商品名がそのまま企業名となりました。

創業者が自らハサミとガムテ―プと手近なダンボールで工作したというVRゴーグルは、生産台数110万台を越えるまでに成長しました。

現在の利用企業数や最新サービスについて教えてください。

実験カンパニー・ハコスコが生み出すVRの未来と顧客体験_ソリューション

現在はVRゴーグルに留まらず、「映像」「配信」「視聴デバイス( VRゴーグル)」までをワンストップで提供するサービスをお届けし、ご利用企業数150社以上と反響をいただいております。

2019年には、VRソリューションに加え、創業者・CEOの藤井直敬が専門としている脳科学をベースとした、ブレインテックソリューション「GoodBrain」もリリースしています。

もっと手軽に、いつでもどこでも、みんなにVR体験を

なぜVRソリューション事業を始められましたか?

実験カンパニー・ハコスコが生み出すVRの未来と顧客体験_リアリティ

創業者・CEOの藤井直敬は脳科学者であり、社会脳の研究を経て当社を設立しました。

「社会脳」の研究とは、他人との関係性に応じて自分のふるまいが変わってしまう仕組みを解明するものです。

相手が上司か友人かで、挨拶の仕方も変わってきますよね。

研究実験で繰り返し「おはよう」というような社会的な刺激を与える必要があり、それをすべての被験者に同じように言えないと悩んだそうです。

言えないのなら、「テクノロジーを使って再現可能な現実を作ろう!」と考えたのが当社のVRソリューション事業が生まれた瞬間です。

建川様からみた創業者のVRにかける想いとは?

実験カンパニー・ハコスコが生み出すVRの未来と顧客体験_創業者の想い

「必要な道具がなければ作ればいい。今の技術でできないなら、他の分野にあるものを必要な形に変えればいい」

このスタンスは、創業者・CEOの藤井直敬のキャリアに一貫しています。

社員の私からみても、いい意味で興味に貪欲で、やりたいことに向かって一歩踏み出すことに迷いのない人だなと思います。

「もっと手軽に、いつでもどこでも、みんなにVR体験をしてもらいたい」

創業者の想いからはじまったサービスがVRソリューションであり、当社は創業以来「現実を科学し、ゆたかにする」というミッションをかかげ、VRの提供・普及に努めてきました。

「どんな人がどんな時に使うのか?」という原点を大切に

サービスを通してどのようなCXを届けようと考えていますか?

実験カンパニー・ハコスコが生み出すVRの未来と顧客体験_VRソリューション

企業活動としてVRをマネタイズするには、まずVRを普及させるところからはじめる必要があります。

実際、まだVRのクリエイターは多くなく、届けるためのプラットフォームも多くありません。

VRの作り手を増やすには、

  • 映像の作り手に、VRをわかりやすく認知していただくこと
  • 届けやすいプラットフォームを整備すること 

この2点が必要だと考えています。

そこで当社は「常に新しいものを作りたい」「今までにない体験を提供したい」というクリエイターの目線を第一に取り組んでいます。

具体的にはクリエイター向けのウェビナーの開催、ヘルプセンターの充実です。

コロナ禍の取り組みとしては、有料システムの開放も行いました。

参考:コロナ時代のニューノーマル「ハコスコの取り組み」

ベンチャー企業におけるCX向上の難しさ、悩みについてお聞かせください

実験カンパニー・ハコスコが生み出すVRの未来と顧客体験_WORKS

ハコスコは、BtoC(Customer)のサービスと見られることが多いですが、わたしたちはBtoBでBtoCreatorなサービスであると考えています。

ベンチャー企業におけるサービス・ソリューションは、短いサイクルでアップデートされ、いい意味での変化が多いと思っています。

ハコスコではクライアント毎にサービスの使い方、仕様を変えることも多く、CXの向上という点ではとても難しいと思っています。

分野は、ファッション・デパート、観光・アミューズメント、ゲーム、メディア、車、スマートフォン、製薬、アニメ・キャラクター、不動産、教育、アーティスト、国・自治体と多岐にわたります。

プロジェクトごとに顧客体験として目指すゴールも変わります。

CXを考えるうえで大切にしていることはありますか?

実験カンパニー・ハコスコが生み出すVRの未来と顧客体験_CX

当社では、プロジェクトごとに「どんな方がどんなときに使用されるのか?」といった原点を大切にし、CEOの藤井直敬自身も参画し、よりよいものを生み出すために努めています。

多くの企業では、リリース後にPDCA検証に入るところを、製品・サービスをつくりながら、PDCAを実践しています。

クライアント様からフィードバックいただき、一緒に作っていくなかで生まれる発見や面白さは、「BtoBでありBtoCreator」である企業だからこそ見える世界かもしれません。

「みんなで考える」から生まれるCX向上

今後、具体的にどのような取り組みをしていきたいですか?

実験カンパニー・ハコスコが生み出すVRの未来と顧客体験_インタビュー風景

「自社のサービスをどんな人がどんな風につかってくれているのか?」「今後は、どんなサービスにしていくのか、どんな人にサービスをつかってもらいたいのか?」といった原点を社内で共有し、アクションに落とし込んでいきたいと考えています。

データシステムの数値化、ユーザー分布可視化、ヒアリング、アンケート内容等を、ひとつの部門や担当者だけが理解し、各持ち場で仮説検証していては、効果の最大化は図れません。

ひとりでできることは限られるので、私の所属するカスタマーサクセス部門発信で「みんなで考える」ができるような体制づくりとデータ分析を進めることが目標です。

周りを巻き込みながら常に新しく面白いことを求めて走り続ける

それでは最後に、VRソリューション事業を通じて実現したい想いを、お聞かせください。

実験カンパニー・ハコスコが生み出すVRの未来と顧客体験_実現したい想い

私個人としては、VRをはじめとするXRの未来にの未来にとてもワクワクしています。

このコロナを機に、暮らしの中にデジタルがものすごいスピードで浸透しました。

ハコスコは実験カンパニーとして、周りを巻き込みながら常に新しく面白いことを求めて走り続けると思います。

カスタマーサクセスはそんなフロントを支える裏方として、今ある顧客のニーズを理解し、発信する役割でいれればいいなと思っています。

編集後記

インターネットで『情報』が時間と空間を超えたように、VRで『体験』が時間と空間を超える時代が、すぐそこまで来ているようです。

実験カンパニー・ハコスコから生まれる新しい形の「顧客体験」の可能性から目が離せません。

建川様、お忙しい中インタビューにご協力いただきありがとうございました。

 

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