ファッションアイテムをオンラインで「パーソナルスタイリング」!DROBEが広げる試着の新しいカタチとは?

ファッションアイテムをオンラインで「パーソナルスタイリング」!DROBEが広げる試着の新しいカタチとは?

株式会社DROBEは、オンラインパーソナルスタイリングサービス「DROBE(ドローブ)」を展開している企業です。

「DROBE」は、店頭での販売などの経験豊かなプロのスタイリストのセンスと、独自のテクノロジーである「スタイリング AI」という、アナログとデジタルを融合させながら、お客さまにおすすめのファッションアイテムをお届けするという、これまでになかったサービスです。

今回は、株式会社DROBEのCOOである長井大輔さんに、本サービスの特徴やサービス立ち上げのきっかけ、今後目指しているものなどを伺いました。

インタビューイーについて

ファッションアイテムをオンラインで「パーソナルスタイリング」!DROBEが広げる試着の新しいカタチとは?_インタビューイー

株式会社DROBE 執行役員 COO 長井大輔さん

1987年生まれ。早稲田大学大学院創造理工学研究科を修了後、株式会社ディー・エヌ・エーに入社。一貫して事業責任者、新規事業の立ち上げに従事し、Mobageアバター事業、新規事業、旅行メディア運営の子会社COOなどを歴任。

その後、株式会社ディー・エヌ・エー在籍時に同僚だった山敷守氏(現・株式会社DROBE代表取締役CEO)と一緒に、オンラインパーソナルスタイリングサービス「DROBE」を共同創業し、現在に至る。「DROBE」では、プロダクト、マーケティング、物流、CSなどを統括。

店頭での販売などの経験豊かなプロのスタイリストと、独自のテクノロジーである「スタイリング AI」が協働し、おすすめの商品をお届け。

まず、貴社のサービスの概要を教えてください。

ファッションアイテムをオンラインで「パーソナルスタイリング」!DROBEが広げる試着の新しいカタチとは?_サービス

株式会社DROBEは、「ワードローブ」から名付けたオンラインパーソナルスタイリングサービス「DROBE」運営しています。

「お客さまのワードローブの一部になる」をコンセプトにした「DROBE」は、ファッション誌や芸能人のスタイリング、店頭での販売などを経験したプロのスタイリストと、DROBE独自の「スタイリングAI」を融合。お客さまのプロフィールに基づいて嗜好や体型、サイズ、予算などに応じたファッションアイテムを160ブランド以上の商品から約100名のスタイリストとAIが協働で最適なスタイリングを行い、1回あたり約5点の商品を定期的にお届けするサービスです。

スタイリストの選定についても、お客さまのプロフィールデータに基づいてAIがマッチングし、そのお客さまに似合うテイストが得意なスタイリストをアサインするようにしています。

届いた商品は自宅でゆっくりと試着していただき、気に入った商品のみを手元に残して購入、不要な商品は簡単に返送いただけます。

店頭ではきれいなライトアップがされていて、そのときは見栄え良く見えていたとしても、実際に自宅の照明のもとで試着したらちょっと印象が違っていたということもよくありますし、店員さんから「よくお似合いですね」と言われてその服を買っても、自宅で改めて着てみるとあまり似合っていると思えなかった、という体験をしたことがある方もいらっしゃると思いますが、自宅でじっくり商品を試着できれば、他人の言葉に惑わされることなく冷静に商品選びができます。

他にも、自宅であれば、パートナーや家族の意見もすぐに聞くことができます。親しい人のフラットな視点でのアドバイスを参考に、納得してその商品を購入することが可能です。届いた商品でも購入にいたらなかったものはいくつでも返品いただくことができます。

「自分のファッションに自信がない」と答える女性は約8割にも。そのペインを解決するためにパーソナルスタイリングサービスを立ち上げる。

なぜ現在の取り組みを始められましたか?

ファッションアイテムをオンラインで「パーソナルスタイリング」!DROBEが広げる試着の新しいカタチとは?_ファッション

「衣食住」というくらい生活に密接し、巨大なマーケットであるファッション領域においてペインが大きいと感じたためです。

ファッションに対する課題として「自分のファッションに自信がない」と答える女性は約8割にも上るといったアンケート結果もあり、そのほとんどの方が「洋服の買物で失敗経験がある」と答えています。これだけECが普及しつつあり、コロナ禍においてEC化率も急拡大している状況の中で、このような結果は巨大なペインが存在していることに他ならないですし、インターネットビジネスに携わる者として解決しなければいけない課題だと考えたのがサービスを立ち上げる発端になります。

そして、「自分のファッションに自信がない」と回答する理由を紐解いていくと「自分に似合う服がわからない」「年齢にあった服装がわからない」といった根源的なお悩みがあることがわかりました。

それを解決する方法として、限られた情報の中で自分が知っているブランドやショップだけで商品を購入するのではなく、様々な経験・知識を持つスタイリストがプロの眼でお客さまひとりひとりをプロファイルし、客観的な立場で商品を提案。お客さまが納得していただいた商品だけを購入するという、これまで日本には存在していなかったオンラインパーソナルスタイリングサービスをスタートするに至ったわけです。

サービス開始前には、PoCとして、対面、ビデオ会議、LINEチャットなど、さまざまな方法を用いたサービス提供方法を実際に試していただきました。その中から、お客さまのニーズに合ったソリューションを探した結果、現在のようなスマートフォン1つで簡単に「パーソナルスタイリング体験」ができるような形に落ち着きました。

日本人にはまだまだ抵抗感の強い「商品の返品」を誰でも簡単にできる世界をつくりたい。

それでは当メディアの特徴であるCXに関してお伺いします。現在どのようなCXを上げる取り組みをされていますか?

ファッションアイテムをオンラインで「パーソナルスタイリング」!DROBEが広げる試着の新しいカタチとは?_CX

「パーソナルスタイリング」という一連の体験や、日本人にはまだまだ抵抗感の強い「商品の返品」という行為を誰でも簡単に行っていただけるようにという意識でCX向上への取り組みをしています。

具体的には、「DROBE」は登録から申し込み、返送まですべてLINEで完結します。サービスを利用するためだけに新規アプリのインストールなどは不要となっており、担当スタイリストからのメッセージや発送通知、返送のリマインドなどもすべていつも使い慣れているLINEでお届けするようにしています。

また、お客さまのステータスを細かく管理しており、ホーム画面には常に「次に起きる・やること」が自動的に表示されます。ホーム画面を見れば自分のステータスや次にやることがすぐにわかるような設計になっています。

お届けする商品には、必ず、お客さまひとりひとりに向けて、スタイリストが着こなしのポイントやスタイリングのコツなどをお伝えする、紙のスタイリングカルテを同梱しています。

その他の同梱物として、フェイスカバーや返送用テープを同梱しており、お化粧したままの試着を可能にしたり、返送時にガムテープを用意する手間を省けるようにしたりする配慮をしています。余談ですが、返送用テープは、マニキュアをされている方も多くいらっしゃることを知り爪に張り付きにくい粘着性のもの選んだりしています。

商品の返品についても、スマホ画面から返品商品の集荷日付を選択いただくだけで自宅に配達員がお伺いします。その際、返品先住所や電話番号など、必要な情報は記入済みの伝票を配達員が持参するため、伝票不要で梱包済の箱を配達員に渡すだけで返品作業が完結します。

商品返品時にはスマートフォン上でフィードバックを記入していただき、その内容はすべてデータとして蓄積しています。フィードバック内容に機械学習を活用することでスタイリングAIの精度も上がっていくため、回数を重ねるほど自分で好みを伝えずともフィットした商品をお届けできるようになっています。

お客さまからはどのような声がありますか?

「普段、自分で選ぶことがない商品に出会えて良かったです」という内容がもっとも多いですね。「こういう商品は私には似合わないのでは?」という先入観で避けてしまっていたアイテムでも「いざ着てみたら似合いました」というようなお声です。

例えば、ビビッドカラーのアイテムは自分には似合わないと思っていて、いつもモノトーンのアイテムばかり着ていたというお客さまがいらっしゃいました。そのお客さまに対して、「お客さまには黄色のアイテムもおすすめです。肌の色にも合うと思いますよ」とスタイリストがおすすめをして、実際に着てみるとたしかに似合っていると感じてもらえたことで「ビビッドカラーにチャレンジできるようになりました」というお声をいただいたこともあります。

またカラーやデザインだけでなく、ブランドに対する先入観で、今までショップに入りにくかったり手に取りにくかったりしていたブランドでも、スタイリストにおすすめされて着てみたら「自分向けのブランドではないと思って敬遠していたけど、着てみたら自分にすごくフィットしました」「今後もこのブランドをチェックしてみます」という感想を持たれるお客さまもいらっしゃいます。

このように、ブランドとの新しい出会いを感じてくれているお客さまも多いですね。

「パーソナルスタイリング」という形態にとらわれず、エンドユーザーの課題解決ができるサービスへと昇華させていきたい。

今後どのような取り組みをしていきたいですか?

「DROBE」が提供する「パーソナルスタイリング」というサービスはまだまだ多くの方にとってあまり馴染みのない体験です。

そこで私たちとしてはまず、この「パーソナルスタイリング」という体験がより多くの方に認知され、使い続けていただけるようなサービスづくりやマーケティング活動・コミュニティ形成をしていきたいと考えています。

例えば「パーソナルスタイリング」のメンズ版という形へも広げていくのもひとつだと思っています。

将来的には、現在の「パーソナルスタイリング」というサービス形態にとらわれず、「DROBE」をエンドユーザーの課題解決ができるサービスへとさらに昇華させていきたいですね。

私たちが課題として捉えている「自分のファッションに自信がない」と答える女性をゼロにしていきたい。

それでは最後に、DROBE事業を通じて実現したい想いを、お聞かせください。

ファッションアイテムをオンラインで「パーソナルスタイリング」!DROBEが広げる試着の新しいカタチとは?_インタビュー風景

国内アパレル総小売市場規模は、2019年度で9兆円を超えるほどの巨大マーケットです。

その巨大市場において、私たちのサービスはまだまだニッチなものであり、「老若男女に使っていただけるサービスになっているか」というと課題があります。

今後顧客体験をよりシームレスに、より滑らかにしていくことで、多くの人に使っていただけるサービスにしていきたいです。本当によい体験は、人から人へと伝播していくものだと考えていますので、私たちのサービスを通して、お客さまへこれからも心地よいファッション体験を伝えていきたいと考えています。

将来的には、「自分のファッションに自信がない」と答える女性の約8割をゼロにしていきたいという思いで事業を展開しています。このようなお悩みに共感していただける方には是非「DROBE」を使っていただきたいですね。

編集後記

ファッションアイテムのオンライン「パーソナルスタイリング」サービスは、これまであまり馴染みがなかったサービスです。ただ、巨大マーケットであるアパレル市場に、「パーソナルスタイリング」サービスはこれから必要とされていくと感じさせてくれました。

長井様、お忙しい中インタビューにご協力いただきありがとうございました。

 

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