健康状態をリアルタイムで数値化!dacadooが挑む最先端デジタルヘルスケアとは

dacadoo Japan合同会社は、年齢や性別に縛られず健康状態を数値で表せるエンゲージメントプラットフォームと、ユーザーの死亡リスクや罹患リスクを計算することで保険会社の業務に役立てられるリスクエンジンを提供している企業です。
気軽に取り組みやすい方法がある一方で、日常的な習慣として落とし込むことが難しい「健康管理」や「健康増進」について、一般的な健康アプリでは叶えられない視点から切り込むこれらのサービスには、どのような想いが込められているのでしょうか。
今回は、日本事業開発責任者の川上さんに、サービスの特徴や開発のきっかけについて伺いました。
インタビュイーのご説明

dacadoo Japan合同会社 日本事業開発責任者
川上 さくら さん
慶応義塾大学卒業後、外資系証券会社や保険会社などで金融の仕事に携わる。
保険会社で培ったスキルを活かし、元々興味があった「IT」と融合していたdacadoo Japan合同会社に入社。
日本事業開発責任者として、マーケットやビジネス拡大の戦略を主導し、自社サービスをお客様に提案している。
健康をリアルタイムに数値化するスコアリングシステムと、保険会社に提供するリスク計算システム。
まず、貴社のサービスの概要や特徴について教えてください

参考:https://www.dacadoo.com/?lang=ja
弊社dacadoo Japan合同会社が提供しているのは、健康増進を推奨するためのエンゲージメントプラットフォームと、死亡や罹患のリスクを計算するリスクエンジンです。
エンゲージメントプラットフォームは、ユーザーの健康状態を0から1000までの数値で可視化できるシステムです。
この数値は、日常的に行っているウォーキングやサイクリングなどの運動トラッキング、睡眠時間、既往歴、栄養情報、精神状態など、さまざまな情報をトータルで収集することによって算出されます。
リアルタイムで数字が変わっていくのも大きな特徴です。健康的な生活を送るほど数値が上がりますし、反対に不健康な生活をしているほど数値は下がってしまうんです。
健康志向の方はもちろん、病気を予防したい方や、重症化を避けながら持病と戦っている方など、幅広いユーザーにご利用いただいています。
リスクエンジンは、ユーザー様個人の死亡リスクや罹患リスクを計算できるシステムです。エンゲージメントプラットフォームで得たデータをこのリスクエンジンでも活用・分析しておりますので、アンダーライティングやプライシングに活用しやすく、保険会社様を中心にご評価いただいています。
自分はどれくらい健康なのか?「分かりづらさ」が健康対策の障害に。
なぜ現在の取り組みを始められたのでしょうか。

参考:https://www.dacadoo.com/?lang=ja
dacadooのCEO、ピーターオーネムスの経験によるものが大きいですね。自身が病気になった時、医者から見せられた検査データを見ても、それがどれくらいの深刻度合いを持つものなのか分からず、その後どうすれば健康なからだを取り戻せるのかほとんどイメージが沸かなかった、という経験がきっかけです。
日本でも多くの方が定期的に健康診断や人間ドックを受診していると思いますが、ABCで判定される総合結果ではいまいち自分の健康状態が見えてこない、ピンとこない、という方も多いのではないでしょうか。せっかく健康を意識しやすいチャンスなのに、イメージできないことで健康対策を「なんとなく後回し」にしやすくなってしまいます。
弊社のエンゲージメントプラットフォームやリスクエンジンは、このような背景から生まれました。年齢性別を問わず健康状態をスコア制で表示してくれるようなサービスがあれば、どんな方でも自分の健康状態を気軽にチェックし、生活習慣の改善に1歩踏み出しやすくなります。
人々がより健康的な生活を心がけ、幸せな人生を送るためのサポートになれば嬉しいですね。
楽しく、快適に、長く続ける、がキーワード。健康は一朝一夕では叶えられない!
それでは、当メディアの特徴であるCXについてお伺いします。現在CXを上げるためにどのような取り組みをされていますか?

参考:https://www.dacadoo.com/?lang=ja
何よりも、「前向きで楽しく健康管理を続けてもらうこと」に軸を置いています。
健康対策というと、好きな食べ物を我慢する食事制限や、苦手なウォーキングやランニングなど、辛く苦しいイメージを持たれる方は少なくありません。少し意識して健康アプリをインストールしても長続きせず、1~2ヶ月で使わなくなってしまったという話もよく耳にします。
とはいえ、全く意識しないで自由な生活を送っているだけでは、健康的な生活、健康的なからだから遠ざかってしまうんですよね。カギとなるのは、「楽しくできる」こと、そして「続けられる」ことだと考えます。
エンゲージメントプラットフォームに備わっているコーチ機能は、定期的にユーザーに声かけやアドバイスを行い、チャレンジプログラムへの参加を促してくれます。
チャットボットに返信するようにメッセージを入力することで簡易的なコミュニケーションも取れますので、パーソナルトレーナーなような立ち位置でユーザーの健康管理に寄り添ってくれます。
また、友人同士で情報や写真をシェアできるSNSのような機能や、健康的な生活を続けることによって得られたポイントで買い物ができる機能も加えました。自分1人でも頑張れるという方はもちろん、他の方と一緒に取り組んだ方がモチベーションにつながる方も使いやすく、「面白い」「使いやすい」と思っていただけることがCXにも貢献しているのではないかと思います。

参考:https://www.dacadoo.com/?lang=ja
日本が抱える健康問題の解決を叶えるために、保険会社との提携も視野に。
今後どのような取り組みをしていきたいですか?

参考:https://www.dacadoo.com/?lang=ja
日本の保険会社と連携し、より多くの人にdacadooのソリューションをご利用いただきたいと思っています。
日本人は栄養価の高い和食を中心とした食生活を送っているため世界各国よりも長生きだというイメージがありますが、実は平均寿命と健康寿命の差が大きいというデータが出ています。
つまり「不健康である期間が長い」ということになりますから、老後何かしらのマイナートラブルを抱えながら不便を感じる生活を送らなければならない方がたくさんいらっしゃることが分かります。実際に国の医療費負担も年々増加し、健康保険料率の増加や健康保険組合の財政圧迫などにも繋がっています。
まずは、健康を守る役割を担っている保険会社と提携することで、国民1人1人の健康に対する意識レベルを引き上げ、実際の行動に結びつくような動きが取れればと思っています。
また、政府が主導しているSociety 5.0からも分かる通り、これからのヘルスケアは個人データの活動が欠かせない時代になっていると感じています。弊社がこれまで培ってきたデジタルヘルスソリューションを十分に活用し、多くの方の健康をサポートしていきたいですね。
デジタルヘルスケアのリーディングカンパニーとして、新しいことにもチャレンジしたい。
それでは最後に、川上様が事業を通じて実現したい想いについてお聞かせください。

ウェルビーイングな人生を送るためには、病気や怪我なく身体的な健康が保たれている必要があります。それに加え、精神的な充実があるか、経済的な充足があるか、社会的な喜びがあるかなど、総合的な満足が欠かせません。
からだだけが健康でいても、ストレス負担が多く、孤独で、低収入のままではどうしても満足度は低くなってしまいます。
個人の社会的状態・経済的状態といったファイナンシャルスコアの測定ができるシステムを開発し、エンゲージメントプラットフォームやリスクエンジンと組み合わせることで更なる効果が期待できると考えています。
dacadoo Japan合同会社はデジタルヘルスケア業界におけるリードカンパニーとして、ヘルススコアリングやライフスタイルナビゲーションを今後更に活性化させて参ります。
編集後記
エンゲージメントプラットフォームを使った対個人に対する取り組みと、リスクエンジンを使った対社会に対する取り組みとを同時に行うことで、国民全体の健康サポートを叶えようとする姿勢が非常に印象的でした。
ユーザビリティを意識することで一朝一夕には叶えられない「健康」に対する意識レベルを上げようとしているのも、強く記憶に残ります。
川上様、お忙しい中インタビューにご協力いただきありがとうございました。
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