自分の価値観を見つけてワクワク働ける社会に。「カラバリューカード」が持つ想いとは。

株式会社Color Variationは、保育園事業、教育・研修事業、研修ツールの開発・販売事業を行っている会社です。
研修ツールの開発・販売事業においては、「誰でも気軽に」対話ができる価値観カード「カラバリューカード」の開発・販売およびオンライン版である「カラバリューオンライン」の開発・販売を主力事業に置いています。
「カラバリューカード」は、キャリア形成やチームビルディング、組織エンゲージメント向上のために、インターンシップやキャリア研修、組織開発研修や地域まちづくりなど、様々な場面で使われています。
今回は株式会社Color Variationの代表取締役「岡本悠佑」さんに、「カラバリューカード」が生まれたきっかけやCXについてどのように考えられているのかをお伺いしました。
インタビューイーについて

株式会社Color Variation 代表取締役 岡本悠佑さん。
金沢大学医薬保健学域保健学類卒業。
理学療法士として約8年の間、医療現場で勤務。その後、グロービス経営大学院大学に通いMBA(経営学修士)を取得。卒業後、株式会社Color Variationを設立し、保育園事業をスタートする。現在、「宝塚 いろのま園」を運営するほか、教育・研修事業、価値観共有コミュニケーションツール「カラバリューカード」事業を展開する。
自分らしく働く場所を創り出すこと。それによって組織が結果を出していくこと。その両立をサポートをしていきたいという想いからColor Variationを設立。
まず、貴社サービスの概要を教えてください。

私が理学療法士として携わっていた医療現場では、看護師や医師など、多職種の方々がいらっしゃいます。その方たちは多様な価値観を持っており、その様々な価値観を持った人たちが同じ方向を向いて仕事をしていくのに苦労をしたという経験がありました。
そこで「対話の時間を創り出す」というかたちで全員の方向性を摺り合わせていったのです。それは医療現場において重要なことでしたが、対話のための時間を取ることがなかなかできないという課題もありました。そこで、「それぞれが自分らしく働く場所を創り出していく」ことと、「それによって組織が結果を出していく」ことの両立ができるようなサポートをしていきたいという想いから、株式会社Color Variationを設立しました。
チームの価値観を統合するのに苦労した思いから生まれた「カラバリューカード」。
なぜ「カラバリューカード」を始められたのでしょうか?

医療現場では新規事業立ち上げチームリーダーを任されており、チームの価値観を統合するのにものすごく苦労した思いがありました。
新卒育成の仕組みの作成や、育成のための1on1コーチングをしている中で、もっと一人ひとりが自分の価値に気づいてワクワク働いていく個人こそが、組織を支えるという思いが芽生えました。そこで、誰でも気軽に使える価値観を共有できるカードツールを作ろうというところから始まりました。
そこで生まれたのが、価値観共有コミュニケーションツール「カラバリューカード」です。
価値観共有カードの競合サービスは既にたくさんありましたが、既存の価値観共有カードを自分たちが使いやすいように変えていこうと考え作り上げました。
「カラバリューカード」が生まれたのは2019年6月のことですが、新型コロナウィルスの感染が拡大した2020年3月以降、リアルに集まって対話をするのは難しくなりました。
また、企業で増加していたオンラインのリモート会議では「どうしても対話の時間が減ってしまう」という意見も多く寄せられるようになりました。
そこで、オンラインでも対話できる環境を作っていこうと考え、オンライン版の「カラバリューカード」である「カラバリューオンラインβ版」を2020年7月にリリースしました。
「カラバリューカード」はどのようなユーザーが多いのでしょうか?
もっとも多いユーザーはキャリア研修として企業の研修講師をされる方です。また、地域の街づくりにおけるビジョン策定やチームビルディング、企業人事部によるインターンシップや採用のマッチングにも多く活用されています。
今年度のインターンシップがオンラインに変わったことで「チームビルディングがなかなかできない」という悩みを持つ企業が「カラバリューカード」にたどり着き、購入をされていくということも増えています。
そのほか、高齢者の生きがい支援や婚活パーティー、ボランティア団体のチームビルディングのために活用するなど、様々な目的でご購入される方もいらっしゃいます。
珍しい例としては、絵本ショップにおいて絵本一冊一冊に「カラバリューカード」を貼り付け「自身の感情や大切にしたいものに合わせて絵本を読んでください」と提供し、大切にしているもののマッチングという使い方や、スポーツ合宿中に「カラバリューカード」を利用しチームビルディングに生かしていくといった使い方もあります。
体験してみなければ価値を実感できない特性から、オンライン無料体験会を積極的に開催。
当メディアの特徴であるCXに関してお伺いします。現在どのようなCXを上げる取り組みをされていますか?

カードゲームの難しいところは「体験してみなければ価値を実感できない」ところです。以前は無料体験会を実施していたのですが、現在は実際に来ていただくことが難しい状況になっています。
そこで最近では「カラバリューオンラインβ版」を使用してオンライン無料体験会を積極的に開催しています。オンライン版でも「カラバリューカード」の世界観を体験することができますので、その点では「体験してもらう」ことがスムーズにできるようになったのかなと考えています。
興味深いのは、オンラインでの無料体験会を行うとカード版の「カラバリューカード」のほうが売れることです。オンライン版の「カラバリューカード」を体験してみて、「職場で実際に使ってみたい」と考え、カード版の「カラバリューカード」を購入されるのではないでしょうか。
「カラバリューカード」の実際の活用方法を知ってもらうために、ユーザーのブログで紹介していただくことも積極的に進めています。「カラバリューカード」のユーザーは研修される側の方が多いので、研修される側のノウハウや文献・知識の提供を行なうことで考え方のヒントも発信しています。
また、「カラバリューカード」を活用したファシリテーター養成講座を開催し、研修設計する側の育成も行なっています。この養成講座は東京と大阪で開催していたのですが、現在はすべてオンラインでの開催に移行しています。
ファシリテーター養成講座を受講された方から、「『カラバリューカード』を購入してまずは家族と楽しんだ」という話も聞いています。「家族で試してみましたが想定どおりでした」とおっしゃる方や、「家族の意外な一面が見つかって面白かったです」という方など、様々な方がいらっしゃいます。
β版である「カラバリューオンライン」をより使いやすくするために、システムの機能拡張を行っていく。
今後どのような取り組みをしていきたいですか?

「カラバリューオンライン」は、現状ではまだまだ課題があると考えています。このオンライン版をより使いやすくするために、カードの文言をより良い内容にアップデートしていくほか、システムの機能拡張を行っていく予定です。
そのために、「カラバリューオンライン」を使用した方に対して感想をお伺いし、「ここが使いにくかったです」「こういうエラーが発生しました」というような生の声を聞かせていただいています。
その生の声から生まれたものとして、「SNSでシェアする」という機能追加が挙げられます。
「カラバリューオンライン」では、1回対話をして得られた価値観を次に対話をしたときには憶えていないという声がありました。であれば「結果を保存できる仕組みを」ということでSNSのシェア機能を追加したわけです。
また、リモートワークにより、「対話がなくなっている」「人と人とのつながりが薄くなっている」という感じる企業も増えています。それに対しては弊社でも社会的な課題を感じていますので、対話がオンラインでも実現できる仕組みやオンラインでの対話の質を高めるためのツールやサービスを展開していこうと考えています。
より幅広い現場に「カラバリューカード」を広げていきたい。
それでは最後に、岡本様がカラバリューカード事業を通じて実現したい想いを、お聞かせください。
現在、「カラバリューカード」の主な対象となっているのは企業ですが、企業以外でもスポーツ合宿や学校教育の場でも活用され始めていますので、より幅広い現場に「カラバリューカード」を広げていきたいと思っています。
弊社としては今後、研修ツールの開発・販売をメインに事業を拡大していこうとしていますので、「カラバリューカード」のユーザーを増やしていくことが目下の最大の目標となっています。既存の主力事業である教育・研修事業と研修ツールを組み合わせていくことで、シナジー効果を得ながら業績を上げていくことができるのではないでしょうか。
編集後記
価値観を共有することで、一人ひとりが自分らしく働く場を形成することができます。その形成に役立つのが「カラバリューカード」です。
「カラバリューカード」は、キャリアの軸探しに自分と向き合うときやチームビルディング、採用時のお互いの価値観の共有など、さまざまなシーンにおける「気づき」に活用できる、優れた価値観共有カードだと感じました。
岡本様、お忙しい中インタビューにご協力いただきありがとうございました。
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