保育現場のDXを一気に加速。CoDMON(コドモン)継続率99.8%の秘密

2015年にサービス提供を開始した、こども施設向けICTシステム「CoDMON(以下コドモン)」。
「こどもを取り巻く環境をテクノロジーの力でよりよいものに」を会社のミッションに、保育園を中心とした6,000施設(2020年10月現在)に導入されているシェアNO.1(※)サービスです。
(※)2020年1月、株式会社東京商工リサーチ調べ 「保育ICTにおけるSaaS型包括業務支援システムの導入数に関する調査において」
今回は株式会社コドモンでカスタマーサクセスに取り組む、荒井様、高橋様、星加様にインタビューを行いました。
なかなかICT化することが難しいと考えられがちな保育業界に対し、業務省力化することでこどもと向き合い、保育の質を上げる取り組みに時間を使っていただくことこそが目的でICT化の本来の価値であると提案し、現場に寄り添った丁寧な対応と施策を重ねてきたノウハウをお聞きしました。
インタビューイーについて

カスタマーサクセスマネージャー
荒井さん

オンボーディングチーム
高橋さん

エンタープライズチーム
星加さん
とことん保育現場に寄り添った機能で保育士さんをサポート。ICT化で保護者も楽に|導入実績No.1のコドモンとは

まず、コドモンのサービス概要を教えてください。
コドモンは保育園業務を省力化するための、各種支援ツールを提供するSaaSです。
2015年のサービスローンチから、現場保育士の意見に徹底的に寄り添った機能改善を繰り返し、保育士からの圧倒的な支持を得るに至りました。
コドモンの特徴は、機能のカバー範囲の広さと、細やかなアップデートにあります。
園児情報と連動した成長記録や指導案など、転記を減らしスマートに記録する機能をはじめ、登降園管理や保護者とのコミュニケーション支援機能など、職員の業務負担を大幅に省力化しながら、保育の質を高める環境づくりの支援をしています。
すべての機能は園の運営に合わせて自由に選択しカスタマイズすることが可能なので、連絡帳は手書きのまま、といった柔軟な運用にも対応できます。
保護者アプリでは施設からの様々な連絡事項を確認することはもちろん、朝の忙しい時間帯の欠席連絡がアプリで簡単にでき、施設の負担も減ります。
緊急連絡も保護者のメールアドレスはもちろんスマートフォンの通知機能でもお知らせ、既読管理もできるので災害時にも効果を発揮します。

また、ベビーセンサーなどのIoTメーカーやサービスベンダー、自治体、教育機関等がコドモン上でサービス提供を行うためのAPI連携機構「コドモンコネクト」をリリースし、コドモンのオープンプラットフォーム化を進めています。
保育園のほか、幼稚園、認定こども園、学童、塾、小学校などで導入が進んでおり、料金形態はサブスクリプション、基本利用料5000円/月からで、必要なオプションを組み合わせてご利用いただけます。
コドモンを導入することで具体的にどのような効果があるのでしょうか?

一つ一つの機能については、ICT化することで保育士の書類業務が楽になるように設計しているのですが、実際保育士の方にヒアリングして教えていただいた効果は、実はもう少し視野の広いものだったんです。
例えばコドモン一つで様々な保育園業務を網羅した機能があり、それによって一箇所に入力したら自動的に他のフォーマットにも転記されるという点。
その日の天気や、給食のメニュー、午睡の記録や体温などは園日誌や保護者への連絡帳に同じ項目を何度も記入する必要があるので、コドモンで自動的に転記されていると楽になったことを実感していただきやすい部分です。
また、活用が進んでくると、情報共有が手間なくスピーディにできることに利点を感じてくださる施設が多いです。
例えば今までは他のクラスの状況は各クラスを訪れることでしか把握できなかったり、事務所に出向かないとわかりませんでした。
また保育士の作成する指導案という計画があるのですが、こういった書類も過去の分を閲覧しようと思ったら事務所で探す必要がありました。
コドモンでICT化が進むと、その日の朝各クラスに置いてあるタブレット端末で自分のクラスの出席状況を確認するついでに、他クラスの状況をチェックして余裕がなさそうなところにヘルプに行けたり、園全体の状況がリアルタイムで可視化されるというメリットがあります。
また、過去の指導案を参考にすることや、他クラスではどのような計画を立てているかなど、過去や他の職員の知見をいつでも閲覧でき、現在に活かすことができるようになります。
こうしたことの積み重ねで、保育の質が上がり、業務の負担も最小限に抑えることで保育士の働きやすい環境が整えば、長期就労できる保育士も増え離職率の低下にもつながっていくと考えています。
テクノロジーの力で保育に集中してもらえる環境を

代表の小池が2009年に起業し、当初は受託の仕事を行っていました。その中で保育園のシステム開発を依頼された事がきっかけです。ちょうど同時期に小池自身に子どもが産まれたことも重なり、興味を持ったそうです。
その仕事を通じて保育現場の課題を知り、保育士がもっとこどもと向き合う時間を得ることができるように、そして保育の質を上げ、ゆくゆくは子育て環境全般をよくしていきたいという思いからサービスを開始しました。
保育現場には、さまざまな書類業務があります。その多くが手書きで行われていますが、本来は人がやらなくてもよい業務を自動化・省力化し、人にしかできない保育という業務にかける時間を最大化していきたいと考えています。
小さな成功体験から大成功へ

それでは当メディアの特徴であるCXに関してお伺いします。現在どのようなCXを上げる取り組みをされていますか?
システム導入直後のオンボーディング支援や、定期的に各機能の紹介や操作方法のセミナーを開催し、活用を進めていただけるよう対応を行っています。
特に、導入開始後すぐのオンボーディングは重要と考えていて、コドモンを最大限活用できる土台を作ることを目指しています。
保育園の現在のオペレーションをどのように置き換えることができるのかを把握いただいた上で、各施設にあった運用を整えし、保育に向き合う時間を最大化いただくことが、ユーザーにとって一番価値のあることだと思っています。
ごく普通のことですが、各種機能をわかりやすく説明しどのように使えるのか理解してもらい、他施設での具体例などをお伝えして活用のイメージをもっていただきます。
また潜在的な課題に気づいてもらえるようにすることには気を付けています。そうしないと今、気づいている課題を解決することだけで終わってしまうことがあるからです。
オンボーディングをスムーズに進めるために大切にしていることはありますか?
ITに対する苦手意識、アレルギーのようなものを、いかに認識させずに自然に超えていただくかが重要だと考えています。
保育士さんや保護者の中には、コドモンのようなサービスに慣れ親しんでいない方も多くいらっしゃいます。人は誰でも得体のしれないものは不安に思う気持ちが働くため、それらを取り除く工夫が必要だと考えています。
ITに慣れていない状態で、いっぺんに全てをIT化しようとすると、うまくいかないケースもあります。業務のやり方を変更する初期は、やることが実は一番多いし、慣れていない作業ばかりで、ITを嫌いになってしまうことも考えられます。
そのため、最初は比較的簡単な機能から利用し、スモールステップで小さな成功体験をたくさん積んでもらって、ITってとても便利だし難しくないということを体感してもらう。そしてどんどん使い込んでもらって、知らず知らずのうちにユーザーさんが大成功しているというストーリーを作っていきたいと思っています。
サポートが一丸となって支援していた施設様の活用がどんどん進んできて、ユーザーインタビューを行ったりすると、本当にDXの初めの一歩をお手伝いできていると感じられるし、やっててよかったなと実感する瞬間に立ち会えることがありますね。
特徴的な取り組みとしてはどういったことを行っていますか?
テックタッチを成熟させていくことと、ユーザコミュニケーションを強化することで、もっと価値観を共有していきたいです。
コドモンをご利用いただいている施設は、一人1台PCがあり、常にメールをチェックできるような環境にはありません。
メールでのアプローチだとなかなか必要な情報が届かないこともあり、普段ご利用いただいているサービス画面内で、通常業務を邪魔せずに、どうやって必要な情報を出していくかがキーになると考えています。
ユーザコミュニケーションにおいては、事例共有をしていきたいですね。ユーザインタビューなどで実際の運用や取り組みを個別にヒアリングさせていただくと、我々も驚くような成功事例がたくさんあります。
他施設にとっても有用な取り組み事例なので、共有をすすめ、業界全体をよりよくしていきたいです。
こどもを取り巻く環境をテクノロジーの力でより良いものに

それでは最後に、コドモンの事業を通じて実現したいことへの想いを、お聞かせください。
コドモンというプロダクトを軸に、保育の環境を整えていきたいです。
株式会社コドモンでは「こどもを取り巻く環境をテクノロジーの力でより良いものに」をミッションとして掲げています。
保育ICTシステムのコドモンを軸に、保育士の就業問題を解決するための支援や、コドモンをプラットフォームとして提供し外部企業と連携をする「コドモンコネクト」などの取り組みを行い、保育現場の課題解決をやり抜いていきたいです。
そうすることで、子育てや保育の環境が良くなることを目指しています。
編集後記
こども施設向けICTシステム「CoDMON」の荒井様、高橋様、星加様にお話を伺いました。
ICTがまだまだ浸透していない領域において、小さな成功体験をたくさん積んでもらうこと、丁寧にサービス理解を深め運用いただけるようにオンボーディングを行うことで、顧客体験の向上を図られていることがよくわかりました。
多くの苦労もされているからこそ、工夫された取り組みも多く、インタビュアーである我々にもひとつひとつの質問に真摯に答えてくださった印象です。
終始和やかな雰囲気で進められたインタビューでした。
荒井様、高橋様、星加様、お忙しい中インタビューにご協力いただきありがとうございました。
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