SaaSユーザーの離反を防ぐ!Fullstar(フルスタ)が届ける顧客体験(CX)とは?
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クラウドサーカス株式会社。デジタルマーケティングSaaSツール群「Cloud CIRCUS」を使い、マーケティング支援する企業。全10種類の自社プロダクトの開発、販売実績があり、MAツール【BowNow(バウナウ)】は国内でもトップクラスのシェアを誇る。
インタビューイーについて
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橋口浩暉氏
クラウドサーカス株式会社
カスタマーサクセスマーケティンググループ
CSMツール【Fullstar(フルスタ)】プロダクトオーナー兼事業責任者
2018年入社、国内トップクラスのシェアを誇るMAツール【BowNow(バウナウ)】のインサイドセールス、カスタマーグロース部門のマネージャーを経て、2021年より現職。
顧客を増やすための5つの課題を実現するCloud CIRCUS
まず、貴社のサービスの概要を教えてください。
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Cloud CIRCUSは顧客を増やす5つの課題領域を実現するデジタルマーケティングSaaSツール群です。
【顧客を増やすための5つの課題】
1.情報発信
2.集客
3.顧客体験価値向上
4.見込顧客育成と顧客化
5.解約防止・リピート増
これらを実現するために全10種類のツールがあり、自社の課題に合わせて自由に組み合わせて使うことができます。
初めてデジタルマーケティングに取り組む方でも簡単にすぐ始められ、使いこなせるようになることから、中小企業を中心に22,000社の導入実績があります。
2021年4月にリリースされた【Fullstar(フルスタ)】は、全10種類のツールの中で最も新しく「解約防止・リピート増」などのカスタマーサービスを担う立ち位置になっています。
つまり、デジタルマーケティングで「1.情報発信→2.集客→3.顧客体験価値向上→4.見込顧客育成と顧客化」までを達成した後に離反を防ぐための役割を担っています。
実際にどのような使い方ができるのでしょうか?
【Fullstar(フルスタ)】は、現在、フリープランも含めて100社以上に導入いただいています。導入事例としては、大きく2パターンあります。
1つはチュートリアル機能(使い方に慣れてもらうためのお試し機能)を使って、ユーザーの初期設定をテックタッチで完結させていく活用方法。
もう1つは、新機能をリリースした際の使用を促進するために、チュートリアル機能を用いて案内する方法です。
SaaSで顧客体験を高めようとする場合、オンボーディングの完了率が悪く、原因がプロダクトにあるとすると、UIUXを粛々と改修するパターンがまだまだ多いと見ています。
エンジニアによるUIUX改修も重要ですが、UIUX改修と【Fullstar(フルスタ)】の導入を比較すると、コストや時間が全く異なります。コストや時間を短縮しながら、顧客体験を高めていけることは、Cloud CIRCUSが自社のSaaSで実証しています。
求められているのは「もっと簡単に誰でも利用できること」
「チュートリアル」と「ノーコード」について、耳慣れない方もいらっしゃるかと思います。どのようなものなのか教えてください。
![SaaSユーザーの離反を防ぐ!Fullstar(フルスタ)が届ける顧客体験(CX)とは?_インタビュー風景1](https://kizukai.com/cxlab/wp-content/uploads/2021/09/image4-1-1024x683.jpg)
まず、チュートリアルとは「使い方に慣れてもらうためのお試し機能」のことです。説明書を読み込んだり、カスタマ―サポートに架電したりすることなく、自己完結できるための機能です。
ノーコードは「コーディングの知識がなくてもサイトの更新ができる仕組み」です。WEBサイトでは、この10年ほどで主流となりつつある仕組みです。他方、SaaSにチュートリアルを設置するのは、コードを書くのがまだまだ一般的でした。
Fullstarは「SaaSの民主化」を掲げています。SaaS管理画面上にノーコードでチュートリアルを作成、表示することで、「誰でもSaaSが使いこなせる世界」を目指しています。
現在の取り組みを始められた背景について、さらに詳しくお聞かせください。
![SaaSユーザーの離反を防ぐ!Fullstar(フルスタ)が届ける顧客体験(CX)とは?_ツール特徴](https://kizukai.com/cxlab/wp-content/uploads/2021/09/image2-3-1024x575.png)
Cloud CIRCUSでは、2006年頃から自社でSaaSを開発、提供していましたが、急増する顧客数に対して人的なハイタッチ支援に限界を感じていました。サブスクをスタートさせたことで、フリープランのサポートに手がまわらなくなっていったのです。せっかくフリープランに登録いただいた方が「使い方がわからない」という理由で放置する状態は、良い顧客体験とは言えません。
そこで、求められているのは「もっと簡単に誰でも利用できること」であると気付き、全10種のツールの1つであるウェブAR「LESSAR(レッサー)」の画面上にチュートリアルを設置しました。すると、初期設定完了率が大幅に向上しました。
他方、チュートリアル設置の開発工数は600時間を要していました。エンジニアは、基本的には新規開発に多くの工数をかけます。チュートリアルは既存ユーザーに使いやすさを提供するものであり、保守の領域です。保守に600時間という工数は圧倒的であり、早急な改善が求められていました。
その課題を解決する方法が、ノーコードでチュートリアルを作成する【Fullstar(フルスタ)】だったのです。
チュートリアルによって、ユーザーがストレスを感じることなく、迷わずに設定を完了できる
それでは当メディアの特徴であるCXに関してお伺いします。現在どのようなCXを上げる取り組みをされていますか?
![SaaSユーザーの離反を防ぐ!Fullstar(フルスタ)が届ける顧客体験(CX)とは?_インタビュー風景2](https://kizukai.com/cxlab/wp-content/uploads/2021/09/image9-1-1024x683.png)
Cloud CIRCUSでは、チュートリアルによって、ユーザーがストレスを感じることなく、迷わずに設定を完了できるようにしています。私たちが考える最適な顧客体験とは、ユーザーがサポートに問い合わせて問題解決ができることではなく、ユーザーが迷うことなく問題が発生しない状態を作ることです。
コロナ禍でのB2Bにおける受電対応は、これまでにない難しい状況を迎えています。この環境下において、ユーザーが「わからない」と悩んでいるタイミングを意図せず逃してしまう企業は少なくないのではないでしょうか。
ユーザーが「わからない」と感じるその瞬間に解決することは、非常に重要です。問い合わせへの回答が30分後、1時間後では、既に別の作業に取り掛かっているケースもあるでしょう。「使いたい」という気持ちが下がってしまった状態で、良い顧客体験を届けることは難しいものです。
現在、どのような数値結果が出ていますか?
Cloud CIRCUSの全10種のツールは、サブスクリプションとフリープランがあり、B2Bのサブスクリプションとしての継続率は非常に高水準を保っています。つまり、良い顧客体験を届けることが実現していると言えます。
もともと、すべてのプロダクトでサブスクリプション形式をとっていたわけではありませんが、あるプロダクトにおけるサブスクリプションの継続率が非常に高水準を保っていたことから、その戦略に期待を感じ、すべてのプロダクトでサブスクリプションを開始しました。
現在、最も注力しているMAツール【BowNow(バウナウ)】では、継続率が98%以上。CMSツール【BlueMonkey(ブルーモンキー)】は、継続率が99%以上です。
あらゆるデータを組み合わせることで、顧客体験をパーソナライズしていきたい
今後どのような取り組みをしていきたいですか?
![SaaSユーザーの離反を防ぐ!Fullstar(フルスタ)が届ける顧客体験(CX)とは?_インタビュー風景3](https://kizukai.com/cxlab/wp-content/uploads/2021/09/image3-3-1024x683.png)
あらゆるデータを組み合わせることによって、一人一人に最適な顧客体験を提供していくことを目指しています。そのためには、導入のハードルを極限まで下げることでユーザーを増やし、データを蓄積することが必要になってくると考えています。データはWEBだけではなくリアルから得ることも必要です。
顧客の前提により最適な顧客体験は異なってくると考えています。そのために、まずは顧客の前提を知ることからはじめなければなりません。
例えば、メールのトラッキングデータからのサイト閲覧データ、電子ブックからの閲覧データ、動画検索データをはじめ、チャットボットへの問い合わせ内容、ARでリアルからデジタルにどのくらい繋がっているかなどです。
これらの量と種類の組み合わせが重要です。顧客になる前に触れたコンテンツなどの情報も欠かせません。
充分なデータを蓄積することで、「ある情報に触れている顧客は、こういう状況であり、この情報を求めている。よって、この情報をカスタマ―サクセスに活用すると、理想の顧客体験を提供できる」といったシナリオが、見えてきます。そうすることで、画一的な顧客体験ではなく、一人一人に最適な顧客体験を届けることが実現するでしょう。これが私の考える「顧客体験をパーソナライズできている状態」です。
最適な顧客体験とは、ユーザーが迷うことなく問題が発生しない状態を作ること
橋口様の考える理想の顧客体験について、お聞かせください。
![SaaSユーザーの離反を防ぐ!Fullstar(フルスタ)が届ける顧客体験(CX)とは?_インタビュー風景4](https://kizukai.com/cxlab/wp-content/uploads/2021/09/image8-1024x683.jpg)
Cloud CIRCUSは、ユーザーの声をもとにしたプロダクト開発をベースとしており、顕在的なニーズを満たすことを重視しています。多機能で高価格だったプロダクト、他のプロダクトで満足できなかった顧客体験を改善していくことを基本戦略として、自社のプロダクト開発を進めています。「使いやすいUIUXか」「導入しやすい価格か」すべてはそこから始まっています。
カスタマ―サクセスに関する海外レポートでは、次のようなことが紹介されています。
『悪い顧客体験とは「サポートに連絡したけれど繋がらない/待たされた」という体験であり、これらは有人対応による結果である。良い顧客体験は「自ら課題解決できた/24時間対応だった」であり、これらはテクノロジーを活用した結果である。』
つまり、ユーザー自身は人間による解決を求めておらず、前提として、問題を持たないことを望んでいるという認識が海外では浸透しています。一方、国内では「人間によるサポートこそが、良い顧客体験を届ける」という考え方がまだ残っているのではないでしょうか。
私自身の体験からも、できるだけ問い合わせはしたくありません。最適な顧客体験とは、ユーザーがサポートに問い合わせて問題解決ができることではなくではなく、ユーザーが迷うことなく問題が発生しない状態を作ることだと考えています。
それでは最後に橋口様のFullstar(フルスタ)事業を通じて実現したい想いを、お聞かせください。
![SaaSユーザーの離反を防ぐ!Fullstar(フルスタ)が届ける顧客体験(CX)とは?_橋口様](https://kizukai.com/cxlab/wp-content/uploads/2021/09/image5-1024x683.jpg)
「初めて利用するSaaSをストレスなく使いこなせる体験」を増やしていきたいと考えております。まだ日本はSaaSの活用が進んでおらず、要因の1つにユーザーのリテラシーがあります。その問題を解決し、SaaS提供者側の「プロダクトを通して生み出したい価値創出」を支援し続けるツールでありたいです。
編集後記
LTV/解約率改善ツールKiZUKAIとSaaSのエンドユーザーが迷わず使用するためのツールFullstar(フルスタ)は共に「理想の顧客体験とは」を追い求めた結果、生まれたツールと言えるでのはないでしょうか。
今後も、Fullstar(フルスタ)が届ける顧客体験から目が離せません。
橋口様、お忙しい中インタビューにご協力いただきありがとうございました。
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