誰もがビッグデータ活用できる時代へ CINCが生み出すKeywordmapと顧客体験

2014年設立。創業以来、テクノロジーとコンサルティングを掛け合わせ、数百社にわたる企業のデジタルマーケティングを支援する企業。
今回は、カスタマ―サクセスチームマネージャー・佐藤孝紀氏にインタビューをしました。
どのようにサービスと顧客体験を作り込んでいるのでしょうか。
インタビューイーについて
ソソリューション事業本部 推進部
カスタマーサクセスチーム マネージャー 佐藤 孝紀氏
Webコンサルティング×日本語キーワードのビッグデータ収集技術
まず、貴社のサービスの概要を教えてください。

当社は数百社に渡るWebマーケティングのコンサルティングを通して得た知見や独自ノウハウと、日本語キーワードのデータ収集技術を掛け合わせ、Web戦略の実行支援をしています。
SEO・コンテンツマーケティング・広告・SNSといったWebマーケティングに欠かせない戦略を「自社」「競合」「顧客(市場)」という3つを軸に調査・分析・実行できるツールKeywordmapを提供しています。
サービスの特徴・現在の利用企業数について教えてください。

Keywordmapは、Webマーケティングのコンサルティングを提供する際の社内向けツールです。導入することで、人的リソース・知見不足でも、的確なWebマーケティング施策が可能になります。キーワード戦略立案以外にも、数値レポート作成、見出し案制作さらに踏み込んだ戦略・施策実行までご活用いただけます。
広告代理店様やマーケティングのコンサルティングを行う企業様にも導入いただいています。おかげさまで、現在、数百社の企業様にご利用いただいております。直感的に使うことができると操作性も好評です。
コンサル現場の課題から生まれたツール
なぜKeywordmapを開発されたのでしょうか?

創業当初からWebマーケティングのコンサルティングを主要事業としていました。サイトの戦略立案から改善施策を提案する際、大きく2つの課題に直面していました。
まず「アウトプット品質の属人化をどうすれば防止できるか」です。メンバーそれぞれ異なった運用で業務を進めており、サービス品質もメンバーにより差が出ていました。次に「大幅な工数削減をしながら、アウトプットの質をどのように高めるか」です。アウトプットの品質を維持するために多くの時間を投入していました。
品質の均一化のために海外ツールを利用していましたが、日本語では求めている精度の情報が出てこないという状況でした。そこで、自社の技術力を用いてツール開発に着手し、生み出されたのがKeywordmapです。開発チームが持つ独自のデータ収集技術で、ハードルを大きく超えることができ、他にはない高精度のアウトプットが提供できるようになりました。ツールを開発することで、結果、品質担保と業務効率化にも結びつきました。
Web上に数多く存在する調査・分析ツールとの違いをお聞かせください。

まずKeywordmapは日本語キーワードのデータを保有している点が、他のツールとの一番の違いです。元々、Webマーケティングのコンサルティングの内製化ツールとして立ち上がったという点でも切り口が違っていると思います。
ユーザーがいま何を検索しているかというニーズ分析だけに終わらず、ユーザニーズの把握から、具体的な改善策の提案まで担っているところがWeb上に数多く存在する調査・分析ツールとの違いと言えます。
他社がどのようなキーワードで集客しているか、1つ、1つ調査するには、膨大な工数がかかります。そこを独自のデータ収集・分析技術で、短時間で調査できることが強みです。
正しいマーケティング判断の源は「消費者の声」
それでは当メディアの特徴であるCXに関してお伺いします。サービスを通してどのようなCXを届けようと考えていますか?

今後さらに重要性が高まるマーケティングにおいて、どの企業も同じ課題に直面すると考えられます。Keywordmapで解決策を提供し、業界でスタンダードとなるサービスを提供することで「消費者の声」を正しいマーケティング判断に活用していただきたいと考えています。
独自のデータ収集技術とは「消費者の声」を収集する技術とも言えます。正しいマーケティング判断の源は、いつの時代も「消費者の声」です。SNSはTwitter、検索エンジンはGoogleから、2700万キーワードを収集・分析しています。広辞苑は25万語なので、約100倍のワードを扱っていることになります。あらゆるプラットフォームでの検索結果をデータ収集・分析しています。
サブスクリプションならではの顧客体験についてお聞かせください
お客様が求めていることを軸に開発を進めており、ユーザーと共に成長できるサービスを目指しています。1週間に1回~2週間に1回は機能の改善や拡張を実施しています。
お客様からの機能に対するご要望が、本当に嬉しいんですよ。社内外関係なく「もっとこうなるといいよね」という意見をいただき、スピード感をもって、日々、機能の改善・拡張に取り組んでいます。
機能の改善・拡張のスピードの圧倒的に早さの秘密は?
開発とのディレクションに直に入り、空気感をつくることを大切にしています。現場の意見からはじまる横のつながりはもちろん、執行役員との定例MTGでは、具体的アクションまで共有することで、縦のつながりを含め、全方向で取り組める体制を心掛けています。
CXを考えるうえで大切にしていることはありますか?

当社は、デジタルマーケティングのコンサルティングを行うアナリティクス事業とツールの開発と提供を行うソリューション事業、アナリティクス事業でコンサルタントの経験を積んだメンバーが、Keywordmapのカスタマーサクセスを担当するなど、専門性が高いチームとなっています。結果、専門性が高いチームとなり、ツールの枠を超えた一気通貫のサービスを実現しています。
ツールのみの提供では本質的な成果に結びつきづらいのです。理由は、作る前の考え方(ノウハウ、課題点)が大切になってくるためです。
今後は、動画や音声コンテンツも活用していく予定です。手順や考え方を動画にすることで、よりわかりやすいベネフィットを提供したいですね。新しいサービスをリリースする際には、セットで動画配信も考えています。動画が顧客体験にどのような影響を与えるのか、今後の可能性に期待しています。
ユーザーと共に成長するツール
具体的にどのような取り組みを進められていますか?

主に3つの観点での取り組みを進めています。
【1】カスタマーサクセスによるサポート
Keywordmapには、お客様の成果創出に向けたサポート専門チーム・カスタマーサクセスチームを設けています。各メンバーが高いWebマーケティングノウハウを持ち、ツール活用の枠を超えたサポートを行います。Webマーケティングは、難易度が高く専門的な知識が必要です。個別でのツール活用サポートだけでなく、コンサルティングに近いサポートまで一歩踏み込んで対応しています。
【2】動画コンテンツやオンラインセミナー
お客様それぞれで活用の幅や利用ニーズが異なってきます。Keywordmapでは、ベネフィットを軸とした活用方法が分かる動画の掲載や、既存顧客向けのオンラインセミナーやユーザー会を実施し、自社に合った活用方法や、他社の活用事例を基にしたブラッシュアップを常に行える状態にしています。
【3】ツールの開発と品質向上
Keywordmapは、高いデータ収集技術もありますが、機能の改善・拡張のスピードが圧倒的に早いです。常に進化し続けるツールを意識し、他のサービスにはない調査・分析手法やデータ提供を行っています。機能改善・拡張は、お客様の声から進めることが多く、その声を軸に開発を進めており、ユーザーと共に成長するツールとなっています。
コミュニティの場としてのKeywordmap
それでは最後に、事業を通じて実現したい想いを、お聞かせください。

理想は、お客様と一緒に進化していくツールとして、業界でスタンダードになることです。コミュニティを形成して意見交換を実施していきたいですね。元々、コンサルティングの営業をしていたので、お客様との関係を築くこと、そこから生まれるものが非常に重要だと思っています。
現在は、お客様に対しカスタマーサクセス担当者を介して伝える部分が多い状態ですが、今後はツール上で直感的にユーザー様自身が課題解決や施策実行まで行えるようなエクスペリエンスを強化していきたいと考えています。
Keywordmapそのものがコミュニティの場となり、ユーザー同士でコミュニケーションの活性化とノウハウ伝達をスピーディに行える仕組みをつくることで、ビックデータ活用をさらに手軽にでき、そこに新しい「顧客体験」が生まれると考えています。
編集後記
プラットフォームがクロスする時代。分散化したデータを集めるのは非常に手間がかります。それらを統合して見ることを可能にし、ユーザビリティーを高める『Keywordmap』。ビッグデータ活用を手軽に可能にするCINCから生まれる新しい形の「顧客体験」の可能性から目が離せません。
佐藤様、お忙しい中インタビューにご協力いただきありがとうございました。
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