「サロンとユーザーをwin-winな関係に。」美容サブスク「Salt.」の業界初のCXとは

株式会社BYKは、美容サブスクリプションサービス「Salt.」を提供している企業です。
サロンとユーザーの両方に対してCX(顧客体験)戦略を持って臨んているという同社。高額帯の会員が多いことからLTVが高いことも予想できます。
“「ご褒美」を毎日に”、“全ての方の明日を後押しする”を掲げるBYKでは、美容業界のどのようなポイントに着目し、「Salt.」の開発に至ったのでしょうか。
今回は、代表取締役の木下マリアさんに、「Salt.」を立ち上げたきっかけやサービス展開をする上での想いなど、幅広くお話を伺いました。
インタビュイーのご説明
株式会社BYK 代表取締役 木下マリアさん
250を超えるサロンに行き放題!美容サブスクサービス「Salt.」。
まず、貴社のサービスの概要や特徴について教えてください。

株式会社BYKが提供している「Salt.」は、美容サロンへ365日いつでも通うことができる美容サブスクリプションサービスです。
美容院、エステ、フィットネス、ネイル、まつげエクステ、脱毛、スパ、ホワイトニング、美容フードなど、あらゆるジャンルのサロン様にご協力いただき、300種を超える多彩な美容メニューを取り揃えました。
毎月定額という料金制度を導入することで、費用を気にすることなく、さまざまなサロンの施術を体感できるようになっています。
特に、自分にあったサロンを探したい方や、費用を気にすることなく徹底的に美容を楽しみたい方からご好評いただいています。
予約はアプリ経由で24時間365日いつでもできること、月額制で料金をいただいておりますので施術当日に支払いが不要なこと、通い放題だからこそ結果や効果を実感しやすいこと、も大きいですね。
掲載しているサロンは、スタッフさんの対応や技術、外観や内装の洗練さも含め、しっかり厳選させていただいています。
ただサロンに回数多く行ければいいというスタンスではなく、「毎日でも行きたくなる」サロンかどうか、日常生活の中でも自分のメンテナンスに時間を費やす幸福感を味わえるか、というのを1つの判断基準として設け、美容意識の高い方々のニーズを満たせるよう努力しております。
既存のサロン検索サイトにない集客方法を考えた。
なぜ現在の取り組みを始められたのでしょうか。

「Salt.」を立ち上げたきっかけは、閉ざされた美容業界の集客に新しい風を起こしたかったから、というのが大きいです。
現在、美容業界は集客の多くを大手のサロン検索サイトに(クーポンサイト)依存しています。
サロン検索サイトは、24時間365日、エリアを絞らず色んなサロンを検索し予約できるというメリットがありますが、自分に合ったサロンを見つけにくいという難点もあります。
飽和状態と言われる程数のサロン数が多い今の時代において、本当に自分が求めているサービスは何なのか、どんな基準でサロンを選べばいいか、分からなくなりつつあると感じました。
結果、ユーザーニーズとズレた施術になったり、ユーザーにとってもサロンにとっても効果的な集客ができなくなったりしている。
美容業界の問題点について考えたからこそ生まれたサービスだと思います。
サロンとユーザー両方のCX(顧客体験)を追求し、美容の楽しさを体感できるようにした。
それでは、当メディアの特徴であるCXについてお伺いします。現在CXを上げるためにどのような取り組みをされていますか?

サロンにとってのCXと、ユーザーにとってのCX、両方を意識したサービス展開を行っています。
サロンにとってのCXという観点においては、まずはサブスクを使うメリットをきちんと見出してもらう、という点に尽きますね。
これまでの美容サブスクは、利用対象サロンとして自店を登録するメリットが非常に少なかった。
利用してもらったとしても、固定客を掴みにくいんです。
「Salt.」では、ブランディングやPR、ユーザーによる口コミ生成効果を意識することで、サロンが固定客を掴むための動きを取っています。
飽和している美容サロンの中でもある程度基準を設け、品質の高いサロン様だけにご登録いただいておりますので、「Salt.」への登録自体が1つのブランディングになります。
また、TwitterやInstagramなどSNSを中心にPRしただけで現在4,300人のユーザーを集めたということもあって、SNS経由の口コミ生成効果も期待できると考えています。
従来のサロン検索サイトにも口コミ欄はありますが、口コミ数が多いため実情を掴むのが難しく、1つでも悪い口コミがあったらそれにイメージが引っ張られてしまう。
単発の口コミを見やすいSNS上での拡散にこそ、潜在的なお客様を掘り起こし、サロンの稼働力を上げる力があると思っています。
ユーザーにとっては、トータルビューティーライフを提供することがCX向上に大きく影響すると思っています。
これまでにも美容に関するサブスクサービスは複数ありましたが、ネイルサロンだけ、フィットネスジムだけ、など特定の領域に絞り込む傾向にあります。
でも、美容意識の高い人は複数のメニューを併用していることが多い。
髪を整えればメイクも気になるし、メイクを頑張ったら今度はネイルも綺麗にしたい。更に、色んな服が似合うようダイエットやボディエステもやってみたい、となるんです。
そのニーズを叶えるためには、「Salt.」のような複合的な美容サブスクが最適だと思います。
その日の気分で通いたいメニューを選んだり、知らなかった美容法や新しいサロンを試したり、日常生活に美容を取り入れる楽しみを体感していただけるのであれば何よりです。
美容意識が高くSNS慣れしたユーザー層!「Salt.」の魅力を活かしたマーケティングコラボ。
今後どのような取り組みをしていきたいですか?

美容マーケティング関連でコラボしたり、市場活性化の一端を担ったりするような動きが取れればと考えています。
「Salt.」に登録していただいているユーザー層は、非常に美容感度が高いのが特徴的です。
決して低額ではないものの、月9万円のプレミアム定額プランのお申し込みが多く、美容に関心がある人、自分のメンテナンスを怠らない人から注目いただいている実感があります。
美容業界は特に、サロンごとの細かい利用状況の把握やセグメント化が難しいとされています。
そのため、毎月それなりの美容費をかけているユーザーが1ヶ所にグルーピングされているというのは、結構特殊なんですよね。
「Salt.」のユーザーはSNSを見て登録してくれた方が多いので、SNS経由でのマーケティングやPRを検討している企業にとっても魅力だと思います。
これまで必要としていた莫大な広告宣伝費や予約システムの開発費用を削減し、より自社に合った効果的な集客をしていきたい時、強いツールになり得るんです。
なので、今後マーケティングやPRの面で「Salt.」を活用する施策が取れればと感じています。
「月1のご褒美を毎日へ」。美容をもっと身近に感じてもらうための働きをしていきたい。
それでは最後に、木下様が事業を通じて実現したい想いについてお聞かせください。

「美容はもっと身近で有るべき」という想いの元、「Salt.」のリリースを行いました。
リフレッシュのために美容を楽しむ人も、結果や効果重視で最新の美容法を試したい人も、等しく美容を楽しんでほしいなと思っています。
それは女性だけではなく男性に対しても同じで、「Salt.」を立ち上げるに当たり、男性が通いやすいサロンも数多く用意致しました。
見た目が変わることで自然と背筋が伸び、立ち振る舞いや所作にまで自信が出るということもありますよね。
「月1のご褒美を毎日へ」というユーザー様への想いはもちろん、これまでの莫大な広告費をカットしつつ美容意識やトレンドへの意識が高い顧客層を獲得したいサロン様への想いも大切にしながら、どちらもwin-winの関係性になれるサービスであることを意識し、今後も「Salt.」を発展させて参ります。
編集後記
質のいいサロンを手軽に楽しめる「Salt.」は、値段のお得感はもちろんのこと、質のいい特別なサロンにいつでも行けるというユーザーの満足感にも繋がっていると感じます。
美容意識が高い人はもちろん、自分に合った美容が分からない、どんなサロンに行けばいいか分からないという層にとっても嬉しいサービスとなりそうですね。
ユーザーとサロン両方のメリットを追求する「Salt.」は、今後の美容業界に新しいアクションを呼び込むのではないでしょうか。
木下様、お忙しい中インタビューにご協力いただきありがとうございました。
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