社会人向けOB訪問サービス「CREEDO」を国内最大規模にした顧客体験(CX)とカスタマーサクセス

社会人向けOB訪問サービス「CREEDO」を国内最大規模にした顧客体験(CX)とカスタマーサクセス

CREEDO」は、仕事内容や会社の雰囲気、転職、起業といったリアルなキャリア経験談を個人間で聞いたり話したりできる社会人向けOB訪問サービスです。

2020年3月にリリースされた比較的新しいサービスですが、わずか2ヶ月で国内最大級の規模にまで成長したとのこと。

カスタマーサクセスの実現や顧客体験(CX)の向上、満足度の維持に関して、どのような工夫をされているかについてお伺いしました。

インタビューイーについて

キャリア経験を共有し合う「キャリアシェア文化」を当たり前に。社会人向けOB訪問サービス「CREEDO」の顧客体験とは_インタビューイー

株式会社ブルーブレイズ 藤井 蓮 様

2016年にWEB制作会社に入社後、ECサイトリニューアルやSNS運用業務に従事。

2019年8月に大学時代の友人でもある都築辰弥氏と株式会社ブルーブレイズを共同創業し、現在は同社が提供する社会人向けOB訪問サービス「CREEDO」のサービスデザイン、カスタマーサポート等を担当。

ユーザー同士がキャリア形成に役立つ情報をシェアし合う「CREEDO」

まず、貴社のサービスの概要を教えてください。

CREEDO(クリード)」は、社会人に特化したOB訪問サービスです。

転職・起業・キャリアアップなど、働き方や仕事に関して悩みを持っている社会人の方がリアルな情報を入手できます。

転職や起業などを経験した方が「キャリア経験談」として概要を投稿し、気になる経験談を詳しく聞きたいと感じた方が申し込みを行うことで、マッチングが成立するという流れです。

キャリア経験を共有し合う「キャリアシェア文化」を当たり前に。社会人向けOB訪問サービス「CREEDO」の顧客体験とは_サービス

一般的に個人のキャリアに関する情報は非常にクローズなもので、直属の先輩・後輩であったり、ご家族だったり、親しい間柄でしか共有しないものです。

ですが新たな働き方を探す際、同じ経歴をもっている人や似たような経験をしたことがある人から生の声を聞きたいというニーズは、多くの方が持っていることだと思います。

そんな不透明だった部分をクリアにすることで、キャリア形成に悩む方をサポートしていければという思いで運営しています。

どんな方がご利用されているのでしょうか?

聞き手も話し手も20〜30代の年齢層の方が多いです。

聞き手は会社勤めの方が中心ですが、話し手の方は会社員のみならず、経営者・フリーランス・医師・大学講師など、かなり幅広い職種の方が登録されています。

経験談は無料だけでなく有料で登録することも可能ですが、話し手の方は、金銭目的というよりもむしろ、自身の経験談を役立ててもらうことやつながりを持つことに意義を感じている方が多いようです。

これまで直属の後輩や部下に対して親身なアドバイスをされてきた方が善意で話し手としてご登録いただくことも多く、おかげさまでユーザーさんの質は非常に高いと考えています。

まだ2020年3月にリリースしたばかりですが、1,600名を超える方にユーザー登録いただいており、投稿された経験談の数は850件ほどです。

キャリア経験を共有し合う「キャリアシェア文化」を当たり前に。社会人向けOB訪問サービス「CREEDO」の顧客体験とは_CREEDO

学生には一般的な「OB訪問」という文化を、社会人にも提供したい

なぜ現在の取り組みを始められましたか?

大学生が就活する際、企業で働いている先輩の話を聞く「OB訪問」という文化がありますよね。

ですが一度社会人になると、社外の人がどんな感じで働いているのか、実際にどんな経験をしたのか、ということをじっくり聞く機会が極端に少なくなってしまいます。

そういった状況はキャリア形成に悩む若手社会人にとっては大きなネックになると考え、志を持っていきいきと働いている人の考え方や実体験をインタビューするメディア「CREEDO」(現:CREEDO Journal)を立ち上げました。

キャリア経験を共有し合う「キャリアシェア文化」を当たり前に。社会人向けOB訪問サービス「CREEDO」の顧客体験とは_CREEDO Journal

そこでインタビューを進めるうちに、仕事に対して熱意を持っている方のお話しを聞く時間は、インタビュアーである私たちにとっても非常に有意義で実りのあるものであることに気がつきました。

「この体験をもっと多くの方に提供したい」、また「話し手と聞き手同士で直接キャリア経験をシェアし合う場を提供できればよりよい刺激になる」と考え、マッチングサービスとしての「CREEDO」をリリースしたというのがこれまでのいきさつになります。

転職エージェントは転職支援のプロではあるものの、それぞれ紹介する仕事の概要は説明できても、実際に職場の状態や毎日の仕事の中身まではわかりません。

キャリア経験を個人が共有し合う「キャリアシェア文化」が当たり前になって、キャリア形成にあたってで「こんなはずじゃなかった」というギャップがなくなれば嬉しいですね。

キャリア形成に正解はない。一人ひとりが納得のキャリアに出会うためのサポートに注力

それでは当メディアの特徴であるCXに関してお伺いします。現在どのようなCXを上げる取り組みをされていますか?

カスタマーサクセスや顧客体験の向上のために、行動に移す心理的ハードルを下げることをまず第一に意識しています。

当社のサービスでは、誰でも簡単にご自身の経験談を投稿いただくことが可能ですが、いきなり「経験談を自由に話してください」と言われても、スムーズに話す内容を決められる方は少ないですし、自分の経歴に価値があるのかわからないという方もいらっしゃいます。

そんな方向けに各職歴に合わせたテンプレートを用意し、1クリックで内容作成ができるようにしています。

また、「産育休をとるコツ」や「大手企業からベンチャー企業への転職」といった、一つの職歴に限らないタイトル例も表示しています。

逆に聞き手側への工夫としては、フリーワード検索に加えて様々なハッシュタグをつけることで、細かなニーズにマッチした経験談を探しやすいようにしています。

さらに、経験談が気になるけれど一対一で話すことに抵抗を感じる方に向けて、「CREEDOなるにはトーク」というイベントを毎週ライブ配信で開催しています。

キャリア経験を共有し合う「キャリアシェア文化」を当たり前に。社会人向けOB訪問サービス「CREEDO」の顧客体験とは_CREEDOなるにはトーク

毎週異なる「〇〇になるには?」のテーマに合わせて、CREEDOのユーザーさんから3名選出し、それぞれがキャリアを実現した方法を語っていただくというイベントです。

ライブ配信中にチャットでいただく参加者からの質問をテーマにディスカッションしていくので、1対1で話すのは抵抗があるという方でも、知りたい内容を気軽に聞くことが可能です。

また当社では「キャリアの正解は一人ひとり異なる」という考え方を大切にしており、ランキングや評価レビューポイントなど、数的な優劣がついてしまう機能を一切排除し、特定の価値観を押し付けないように心掛けています。

さらに毎月変えているピックアップテーマに沿った経験談を配置することで、「今まで知らなかった仕事」や「発想になかったキャリア」に触れるきっかけ作りをして、より柔軟な発想でキャリアを考えてもらえるような工夫にも取り組んでいます。

理想の仕事を手に入れるための「キャリアシェア文化」を当たり前に。

最後に、事業を通じて実現したい想いを改めてお聞かせください。

現在のところは、それぞれのユーザーさんのキャリアをシェアするというサービスですが、よりユーザーさんの願望実現に深く関わるためにゆくゆくはステップアップ支援や転職支援まで取り組みたいと考えています。

そのためにまずはアクティブユーザーを増加させ、マッチングの数を増やしていきたいですね。

経験や体験を提供するサービスである以上、CXやUXは第一優先で取り組むべきポイントになると思うので、機能面やユーザーインターフェースの改善も続けていきたいと考えています。

繰り返しになりますが、キャリア形成には絶対的な正解や王道はありません。

一人ひとりが大切にしている価値観をもとに、「CREEDO」で納得いくキャリアを見つけていただければ幸いです。

より多くの方が働きやすい世の中にするためにも、キャリアシェアという文化を当たり前にしていきたいですね。

キャリア経験を共有し合う「キャリアシェア文化」を当たり前に。社会人向けOB訪問サービス「CREEDO」の顧客体験とは_インタビュー風景

編集後記

就活生のOB訪問は世の中に根付いているにも関わらず、社会人のOB訪問は確かにあまり一般的ではありません。

副業やリモートワークといったワードが珍しくなくなってきた昨今においては、CREEDOのようなサービスがきっかけで理想の働き方を求めて、動きだす決心がつく人も増えてくることでしょう。

藤井様、お忙しい中インタビューにご協力いただきありがとうございました。

 

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