子ども専門オンライン英会話スクール がつくる日本の未来と顧客体験(CX)

2010年創業。老舗の子供向けオンライン英会話スクール「ハッチリンクジュニア」を運営する株式会社ブレンディングジャパン。
法人・個人向けオンライン英会話学習サービス事業から、海外研修、留学斡旋事業、外国人人材活用コンサルタントまで幅広く手掛ける企業。
今回は、代表取締役社長・酒井拓さんにインタビューをしました。
どのようにサービスと顧客体験(CX)を作り込んでいるのでしょうか。
インタビューイーについて

株式会社ブレンディングジャパン 代表取締役社長 酒井拓 様
福岡大学を卒業後、3年間の社会人経験。
起業アイディアを探しにオーストラリアに渡豪、2年間の海外経験後、2010年から現職。
1コマ400円~、月間3,000名が体験
まず、貴社のサービスの概要を教えてください。

「ハッチリンクジュニア」はスピーキングに特化した子供向けのオンライン英会話スクールです。
授業は、1コマ400円~750円(税抜)で受けることができ、月あたりの回数によって、1コマあたりの価格が変わります。
一番人気のコースは、1ヶ月/8回コースです。
小学生の科目に英語が導入された影響もあり、教育熱心なご家庭だけのお子さんに限らず、一般的な公立に通っているお子さんも多いです。
現在、月間3,000名以上の方にご利用いただいており、8割が幼児と小学生、2割が中学生~大学生です。
数年前から法人や教育機関にも導入いただいています。
「英語教育が必要な日本人」と「優秀なフィリピン人」
なぜ現在の取り組みを始められましたか?


創業前、ワーキングホリデーを活用し、移民の国・オーストラリアで暮らしていました。
生活するなかで、日本人の英語力の低さ・コミュニケーション力の乏しさを目の当たりにしました。
同時に「日本は世界から尊敬されている国」であることも感じたのですが、それは、わたしたちの親世代がつくったイメージであり、「この先も日本の国際的な立ち位置を保ることができるのか?」と考えるようになりました。
自分の子どもたちの世代が大人になったときの世界を想像すると、日本人の英語力、コミュニケーション能力の向上が必要だと強く感じたのです。
同時期に、偶然訪れたフィリピンでは、大学を出て綺麗な英語を話すことができる非常に優秀な若者が「来週の仕事がない」というような状況を目にしました。
「英語教育が必要な日本人」と「優秀なフィリピン人」。
この2つを、当時普及しはじめたSkypeなどを活用して繋ぐことができれば、フィリピンでの雇用を生み出しながら、日本の子どもの英語教育にも貢献できるのでは?と考えました。
オンライン英会話スクールが誕生した瞬間です。
2010年3月、創業当時は、駅前留学やホームティーチャーが主流で、オンライン英会話という言葉もまだ浸透していなかった時代です。
日本と世界のボーダーがなくなる時代に向けて
現在どのようなCXを上げる取り組みをされていますか?


特に幼児期・小学生時期に、オンライン上で海外の先生と触れ合うことで、異文化・国際感覚を自然と身に着けることができるように注力しています。
子どもたちが大人になる頃には、日本と世界のボーダーがなくなり、日本人だけで仕事をする、日本人だけで暮らす世界ではないと見ています。
文化の違いは大人になってから受け入れることは難しいものです。
小さな頃に異文化に触れておくことで、人生の選択肢が拡がるのではないかと考えています。
オンライン英会話スクールを通して、人生の選択肢を拡げるという体験を提供できればと思っています。
また、保護者の方にとっての顧客体験としては、お子さんと一緒に授業を受けることができる「親子授業」のコースも設けています。
さらに、3~4年前から夏休みを利用しフィリピンへの短期留学を開催しています。
毎日オンライン授業を受けていると、先生に会いたいという自然な流れになります。
親子留学なら1名あたり、約13~15万/約4週間(授業、現地宿泊料)でお申込みいただけます。
フィリピンのイメージが変わる
今後どのような取り組みをしていきたいですか?

子供たちに英語を活用する自然な環境を作りながら、フィリピン人講師を日本のリアルな教育現場で環境で活躍できるよう道筋を立てていくことが目標です。
日本では、まだまだフィリピンのイメージがよくありません。
当スクールでは、毎月3,000名、グループクラスを含めると5,000名のお子様が授業を受けています。
この子どもたちが大人になったときには、フィリピン人=英語の先生というイメージになってくれるのではと期待しています。
この積み重ねが、フィリピンのイメージを変えていくと信じています。
フィリピン人講師は、現在、約130名で、現地での雇用はある程度つくれたと見ています。
彼らにとっては、海外で仕事をすることが最終目標ですので、日本でリアルの英語教師として仕事をする道筋を、この先しっかりつくっていきたいと考えています。
現代の子供達は、塾やスイミングスクールにもいきながら続けている子どもたちにとって「続けること」は非常に大変です。
個別レッスンだと横のつながりがなく、自分の成長が見えにくいという部分もあるので、ここを打破していきたいですね。
子どもたちがつくる日本の未来
それでは最後に、酒井様のオンライン英会話スクール事業を通じて実現したい想いを、お聞かせください。

現在はフィリピン留学も浸透してきており、競合スクールも年々増えていますが、長く続いているスクールは少ないように見ています。
貢献先として「日本人の英語教育」「フィリピンの現地雇用」の2軸あったことが10年間続けるなかで、苦しいときにも原点に立ち戻るパワーにもなりました。
創業時の目標だった【価格を抑えた英語教育】の体験は達成できたと感じています。
こらから、AIがどんなに発達しても【先生が待ってるから】という人のつながりは、この先の未来も変わらないと思います。
テクノロジーとうまく共存しながら、【異文化と自然に触れ合う】中で育った子どもたちがつくる「日本の未来」に貢献したいですね。
編集後記
「小さいころから異文化に触れることで、人生の選択肢が拡がる」。
子どもたちの人生の選択肢を拡げると同時に、フィリピンの優秀な若者の雇用も生み出す「ハッチリンクジュニア」。
日本と世界のボーダーがなくなり、日本人だけで仕事をする、日本人だけで暮らす世界ではない時代がすぐそこまで来ています。
オンライン英会話スクール「ハッチリンクジュニア」が生み出す【日本の子どもたち・フィリピンの優秀な若者の未来】から目が離せません。
酒井様、お忙しい中インタビューにご協力いただきありがとうございました。
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