フォーム作成と顧客情報管理を一元化!業務効率を改善するツール「formrun」の姿。

株式会社ベーシックは、フォーム作成及びチームでの顧客情報管理をワンストップで行えるツール「formrun」を提供している企業です。
スタートアップから大企業まで幅広い層が活用するこのサービスは、企業のどのような悩みに着目し、どのように成長を遂げてきたのでしょうか。
今回は、「formrun」のプロダクトオーナーである甲斐様に、サービスの概要やサービスを通して実現したい想いまで、幅広くお伺いしました。
インタビュイーのご説明
株式会社ベーシック SaaS事業本部 formrun プロダクトオーナー
甲斐 雅之さん
千葉県出身。内定者時インターンとしてマーケティング担当者向けのメディア「ferret」にてソーシャルメディアマーケティングやライティング、イベント施策に携わり、その後新卒で株式会社ベーシックに入社。
現在は「formrun」のプロダクトオーナーを務めながら、オウンドメディアの運用やマーケティング支援にも尽力している。
フォームは40種類のテンプレートから選択可。顧客ごとの進捗管理も可能にした。
まず、貴社のサービスの概要や特徴について教えてください。
「formrun(フォームラン)」は、フォーム作成から、そのフォームに入力された顧客情報の管理までをワンストップで実現できるツールです。

Webサイトにおけるお問い合わせや営業管理、ウェビナー申し込み、採用管理など、フォームを活用する機会って結構多いんですよね。
でも、1からフォームを作ったり、毎回エンジニアに実装を依頼したりするのには、設問項目や回答入力の際の文字(数字、英字など)の指定、データ管理や自動返信メールの設定など、さまざまな要件定義が必要で、労力がかかります。
「formrun」では、40種類のフォームテンプレートから用途に応じたものを選択し、最低限の文言を入力するだけで、手軽にフォームを作成できる設計となっています。
デザインやコーディングの知識も不要なので、思い立ったその瞬間にフォーム作成に取りかかることができ、最短30秒でフォーム作成を完了できるというメリットがあります。

(フォーム作成画面)
また、フォームから送信された顧客情報を紙やExcelで整理しなくても、「formrun」内のボード画面で閲覧・管理することができます。お客様への対応状況が、未対応なのか、対応中なのか、対応完了なのかなど、進捗をステータスごとに管理できます。
また、問い合わせの担当者を振り分けたり、顧客情報ごとのメールの対応履歴やメモを残すことができたり、さまざまな機能も備わっています。

(フォームから送信された情報をカンバン方式で管理できるボード画面)
近年では、SlackやChatworkといったチャットツールとの連携により、フォームに送信された情報をチャットツールで受け取ることができる機能や、フォームに送信された情報をGoogleスプレッドシートに自動出力できる機能の追加など新たな取り組みも行っており、受け取った顧客情報の活用をより多岐にわたり行なっていただけるようになっています。
情報セキュリティマネジメントの国際認証規格である「ISO27001」の取得や、「グッドデザイン賞」の受賞歴があり、今後、さらに多くの方々にご利用いただきたいツールです。
ユーザーのフォームにまつわる課題を解決できる「formrun」。事業譲受後3年でそのユーザー数は40倍以上に成長。
なぜ現在の取り組みを始められたのでしょうか。

先述のような、フォームにまつわる課題(フォームを作ることに時間がかかる、フォーム作成を外部に依頼すると予想以上にお金がかかってしまう、自分で作るとしてもテンプレート感のある質素かつ簡単なデザインのものしか作れないなど)の解決のために、事業がスタートしました。
formrunが生まれる前は、うまくフォーム作成ができたとしても、結局メーラーを開いて個別に返信したり、担当者が頻繁に入れ替わるたびに引き継ぎコストがかかったり、対応漏れがあったり、という企業様がたくさん存在していました。それぞれの対応に多くの労力時間やコストがかかり、対応の抜け漏れなどヒューマンエラーが発生しやすい状態だったんです。
上記の課題を解決し、「リッチなデザインのフォームを簡単に作成したい」「フォームから情報収集した後のフローを円滑にしたい」というニーズに答えるために、2016年12月にベーシックとは別のスタートアップ企業によって「formrun」がローンチされ、正式リリースから1年後の2017年に弊社が事業を譲り受けました。
2020年12月に正式リリースから丸4年、事業譲渡から丸3年を迎え、譲り受けた当時は2,100程度だったユーザー数が今や40倍以上の84,000にまで伸びております。
それぞれのユーザーの声を定量的に見ることによってCX向上につなげる。
それでは、当メディアの特徴であるCXについてお伺いします。現在CXを上げるためにどのような取り組みをされていますか?
ヒアリングチームを設けることで対策しています。実際にユーザーが抱えている本質的な問題の特定するための仮説を立てるためにも、「直接ユーザーの声を聞く」という習慣は、欠かすことはできない、と思っています。
そしてヒアリングを通じてユーザーの声をきいたうえで、その声を改善要望ごとに分類し定量的にカウントすることで、改善の優先順位をつけています。
その結果次第で「formrun」のどの部分を改善すべきか、優先順位はどこにあるのかを判断するようにしており、結果としてCX向上に寄与しているのではないかと感じます。
また、改善要望を数え上げ、案内が必要な内容はFAQ(よくある質問をまとめたもの)を、こまめにアップデートし対応することを約2年ほど続けております。
今年に入ってからは、利用方法に困ったユーザーが、サポートチームからの返信を待たずとも即座にチャットで解決できる仕組みを整えました。「formrun」を導入したての企業やユーザーであっても、ストレスなく「formrun」を使っていただけるUIの改善を重ねています。
「formrun」の立ち位置を明確にし、ユーザーの課題を解決するツールとしての発展を目指したい。
今後どのような取り組みをしていきたいですか?
カスタマーサクセスをさらに意識するという意味でも、今後もよりテックタッチ寄りのサポート体制を整えていきたいです。
CX向上のために今も行っていることではありますが、ユーザーの利用実態の分析は継続して取り組み、効率的な改善を重ねていきたいです。ユーザーが抱えている課題が、弊社のツールを使用することで本当に解決できているのか、できていないならどんな改善をするべきなのか、利用実態に即して正確に読み取りたいですね。それを実行することが、CX向上のカギになるかと思います。
一方で、安易にサービスを改善することが必ずしも正しいわけではない、という想いもあります。
テレワークへのシフトの状況を鑑み各社共にオンライン窓口の整備に追われている昨今、多くのビジネスマンの意識がフォーム作成や管理方法に向いてきています。
お客様との最初の接点として「formrun」を導入してくれるユーザーも多くいらっしゃいますので、ユーザーにとっての「formrun」の立ち位置を明確化し、それぞれのユーザーの課題を解決できるツールとして活用していただくための機能開発や機能の案内などの取り組みをしたいですね。
カスタマーサクセスチームとプロダクトチーム、ひいてはマーケティングチームも巻き込んでのシームレスな連携により、これを叶えていこうと思います。
ユーザーがより創造的で「人らしい」仕事に情熱が注げるようチャレンジしていきたい。
それでは最後に、甲斐様が事業を通じて実現したい想いについてお聞かせください。
弊社では、「マーケティングとテクノロジーで問題解決する」ことをビジョンとして掲げています。

今まで当然のように取り組んできたけれど、よくよく考えてみると不便なもの、そもそも改善できるだなんて思ってもいなかったようなことって、身の回りにたくさんあるんですよね。
自社の強みをどう活かすか、どんなターゲット層にアクションを起こすか、どうやってシームレスな行動パターンを作っていけばいいか、DX(デジタル・トランスフォーメーション)が盛んに叫ばれる現在でも、いまいちイメージできていない企業も少なくないでしょう。
何も考えず「それが当たり前だから」と考えてしまえば簡単に身過ごしてしまえそうなものではあるんですが、そこに定期的に「WHY」を投げかけていくことで、見えなかった問題も見えてくる。そして、企業が抱えるこのような悩みは、マーケティングとテクノロジーがうまく合体することで効率よく改善できるケースが多いのです。
すべての人や組織を時間とコストから解放し、より創造的で「人らしい」仕事に情熱が注げるよう、ツールの改善はもちろん、新たな取り組みにも臆することなくどんどんチャレンジして参ります。
編集後記
「formrun」は非常に高いUI/UXが期待できるツールであり、企業が抱える問題を根本から解決してくれる側面も持っていることが理解できました。
「便利」と「問題解決」を両方兼ね備えているサービスだからこそ、これだけ大幅な成長を遂げているのだと感じます。
甲斐様、お忙しい中インタビューにご協力いただきありがとうございました。
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